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先日の圧倒的勝利が印象的だった、ストラーデ・ビアンケの勝者、ポガチャル選手の機材の情報があります。なんでも身長176cmに対して、クランク長は165mmとのこと、従来のいわゆる教科書的な身長の10%ということよりも、クランク長よりもだいぶ短めを選択したようです。

そしてその走りは上りでアタックを決めたときのケイデンスはおおよそ100~105rpmぐらいだったように見えます。
そしてその後平地でも逃げ続けているときのケイデンスは上りよりも少し落ちますが、おおよそ100rpmぐらいです。

一昔前はケイデンス90rpmというような言葉をよく耳にしておりましたが、最近のレースシーンではもっと早いケイデンスをよく見るようになりました。

こんなお話がある中、実はワタクシも先日の記事内にも少しだけ記載をさせていただきましたが、SHIMANOのパワーメーターを使用し始めてからかなり回す、ケイデンス型のような乗り方に代わりました。
というのも主観的なお話ではありますが、パワーを持続させるため、そしてインターバル耐性をもつためにはやはり高いケイデンスが有利だと感じているからです。

ということで今回は高ケイデンスについて考える、そんなお話です。

※今回の高ケイデンスとは180rpmとか200rpmとかではなく、ロードバイクでの常用域でのお話です。

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※パワーのおさらいです。
パワー=トルク✕スピード(ケイデンス)
パワーを上げるためには、トルクを上げるかケイデンスを上げるしかありません。
ものすごく簡単にかくならばトルクは踏む力を増やすイメージです。フンッ!と一踏み一踏みに力をかけるイメージです。もう一方のケイデンスはご想像の通り、くるくる回す速度を上げるということです。

▶なぜ高ケイデンス
ではなぜワタクシ自身がケイデンスの高めの走り方になっているのか、というお話からです。
完全に経験上のお話です。例えば5倍300Wで走り続けているとします。もちろん平地だけではなく、上りや下りもありますし、向かい風や路面が荒れているところもあります。そのような状況で速度が落ちてきた時に速度とともにケイデンスも落ちてくるとパワーが落ちてきます。これは同じぐらいの力をペダルにかけているとわかりやすいことです。同じぐらいの力で踏んでいれば、トルクは変わらずケイデンス(スピード)が落ちるので、パワーは引くなります。その状況でパワーを上げるためには、そのまま踏む力を増やしてトルクを稼ごうとするよりも、ギアを落としケイデンスを上げてパワーを上げていくほうが楽なのです。楽という言葉はちょっと違うかもしれませんが、パワーを出しやすいのです。

これは主観的なキツさや心拍数でもわかることでした。

この経験があってワタクシの場合は、パワーを出すための手段、パワーを持続させるための方法として、重たいギアを踏むのではなく、ケイデンスを上げる乗り方に変わっていきました。

✓数字で見る
個人的な主観、イメージ的には低ケイデンスは80rpm前後、高ケイデンスは95rpm~です。
これも人によって差はあるとは思いますが、ワタクシの場合はパワーが高いほうがケイデンスも高くなり、最終的には110rpmぐらいが頂点となり、それ以上は効率が落ちていく感じです。ですので効率が落ちないギリギリの高回転をキープする、これが高いパワーの持続が良いというのが現状です。
ですので現状ではパワーを出す場合は100~110rpmぐらいが一番美味しい回転数だと感じております。実際にはもっと回す練習をしたほうが良いのかもしれませんが、現状ではこの110rpmがピークというのがデータ上での最適解でした。

ちなみに11月後半~12月と最近の比較は平均ケイデンスの比較は以下のとおりです。
・100km超えのロングライド 86rpm:94rpm
・40km程度の短距離ライド 87rpm:95rpm
10rpmまではいきませんが、やはりケイデンスは明らかに高くなっています。

それに伴いパワー自体も11月よりも上がってきているので、やはりワタクシの場合は高出力を出すためには高いケイデンスで走ることががあっていた、ということなのかもしれません。
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左が11月後半、右は3月前半の記録です。
黄色線ケイデンスの増加に伴い、最下部変速回数も増加しております。

▶高ケイデンスのメリット
✓外的要因(影響)によるパワー変動への対応
実走ならではの勾配の変化、風向き・強さ、路面状況による変化、目に見えるものと目に見えない負荷があります。
瞬間的や予期せぬパワー変動による脚への負担は、ある程度一定の速度(パワー)で走りながらも、その中で負荷が細かく上下しているようなイメージで、下手したら瞬間的に加速時のような負荷を繰り返しているような場合もあります。
このように瞬間的、細かくグッと負荷が増えるような場合、ケイデンスをある程度高く回していたほうが対応しやすく、ダメージの蓄積、負担が少ないように感じています。
負担が少ないほうが踏める時間が長くなります。

またワタクシの場合は、バーチャル(Zwift)の場合は、予想できるもしくは数字で見れる負荷のみとなる影響かと思いますが、ケイデンスが非常に遅いです。というのもデータを見てみたところ、1年前のSSTショートの記録ではAve75rpmとかでした。。。外ではこのケイデンスではパワーが出せません。

✓瞬発力
発進、加速のときの重いギアを踏む(低いケイデンスで力強く踏み込む)これは瞬発力が落ちるだけではなく、細かいダメージが蓄積していきます。塵も積もって山となるとはよく言ったものです。
ものすごくその通りで、ゼロ発進も加速も回したほうが”もつ”のです。

何本高出力を出せるのか、これも速さの一要因になると思いますが、回したほうが売り切れになりづらい印象です。

▶高ケイデンスのデメリット
✓練習が必要
デメリットはというと、やはり練習が必要だと感じています。もちろん慣れ、というものあると思います。
あくまでもケイデンスを上げるために走るわけではなく、速度を出すためにパワーを上げるので、基本的に高回転でパワーや効率が落ちてしまっては意味がありません。ですのでパワーを上げていく上でケイデンスを上げていく、その中でパワーや効率が落ちないラインを見つけること、そして高回転をキープする練習をすること、これらはとても大事だと思います。

というのも高回転で回して走ることは、練習をしていないと多分難しいですし、すぐに疲れてしまうと思います。
しかしパワーを出すような走り方をしている時はケイデンスがや図ろうが遅かろうがどちらにせよ疲れます(笑)どちらかといえば早いほうが長続きできる、ということです。
高回転をキープして走る練習は、高出力を保つ上でも必要になる、というのは自分の課題でもあります。

✓変速回数の増加
低ケイデンスで走っている時に比べて、高ケイデンスで走る方が多くのギアチェンジを必要とします。ケイデンスを保つためにギアを変える、基本的なことですが高回転のほうがより多くのギアチェンジを必要としているようです。
それは平地を走っていた場合でも、少しでも重くなったら、ケイデンスが落ちてきたらギアを変えて、という乗り方が必要になります
それには機材的(ギア比的)にもやはりある程度クロスしている方が有利だと感じております。

最近ではケイデンスが10rpm位上がっている影響で、大体ですが、変速回数も1割以上は増加傾向にあるようです。

しかし逆に変速している瞬間はどうしてもパワーが抜ける瞬間があります。例えば上りでダンシングをするためにギアを重くした瞬間等、変速のタイミングでちぎられるということもあるぐらいです。
そのような場合は、あえて変速をせずに高回転をキープできる、ということはロスを減らせることにもつながると考えております。


▶まとめ
最初にも書きましたが、ポガチャル選手等の機材等の流れからみても、今後クランク長は短めのショートクランクが人気になってくるかもしれません。
ショートクランクを使う場合、どうしても長いクランクに比べてもトルクはかけづらくなります。その影響でも高ケイデンスという走り方は必要になってくると思います。
ショートクランクと低ケイデンスは相性が良くはなさそうです。。。

また実際にはクランク長を変える、ということは結構コストがかかることです。
ですのでショートクランク化を視野に入れた場合でも、まずは高いケイデンスを回す練習、効率の落ちない高ケイデンスの練習をすることは意味がある練習かと思っております。

ケイデンスを上げるのが苦手な場合は、ケイデンスを維持する練習をしてみるとまた少し違った成長が見られるかもしれません。
そういうワタクシも130ぐらいしか回せません。。。もっと練習が必要だと思います。
ということで今回は高ケイデンス走行を考える、そんなお話でした。、



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