+++空気圧に関してを追記致しました。+++
クリンチャータイヤに使われるインナーチューブのお話です。
一昔前はラテックスチューブ VS 軽量ブチルチューブ、みたいな印象がありましたが、ここ数年でTPUチューブが発売となりインナーチューブ戦争に待ったがかかっているようなイメージです。
ラテックスといえばしなやかに動き、転がり抵抗は最高性能で耐パンク性も低くなく、まさに究極とも言える走行性能を持っている反面、空気の保持力が極端に低く1日で1BAR減圧なんてことはザラにあることです。長いライドでは後半には空気圧が変わってきてしまうほどです。空気圧の保持力に関しては現在のチューブレスレディシステム以下の保持力です。
一方のブチルはラテックスと比較して乗り心地や走行性能は劣るものの、空気の保持力はかなり強くメンテナンス性に優れています。
そして最近登場したのが、TPUチューブにです。
TPUといえば何と言ってもその重量、軽いのではラテックスやブチルチューブの半分以下の重量になります。そしてその性能はというと、転がり抵抗も低いということです。
軽くて転がり抵抗が低い、最強なのでは!?ということで今回はその中でも転がり抵抗の話。2つのTPUチューブ、ブチルチューブ、ラテックスチューブの転がり抵抗のテストをまとめてみよう思います。

▶転がり抵抗の重要性
まず本題の前に転がり抵抗がどれだけ需要か、ということで海の向こう側のとあるページ※にまとまっていたのでまずはそちらのお話しからです。
※TrainingPeaks Marginal GainTV(SLICA)の資料を参考に作られたページのようです。
※以下拙い翻訳の要約です。
転がり抵抗が低いタイヤは速い、ということです。
その他のパーツ類で最速を求めると、多くの場合はデメリットも付随してきます。しかし転がり抵抗の低いタイヤではパワー、空力学にほぼ影響を与えずに、上り、下り、ゆっくり走る場合も、早く走る場合もすべて有利に働きます。
4.1BARでの一般的な転がり抵抗です。
Continental GP5000とGP4000S、双方ラテックスチューブを使用し80kgライダーの場合です。
GP4000からGP5000に変えた場合、10%勾配で重量にして500g分の差がでます。つまり10勾配の坂でGP5000を選択した場合は、500g追加してもGP4000と同じ速度を出すことができるということです。
ですので古いContinental GP4000からGP5000への変更は勾配10%で500gの軽量化の効果があるとようなものです。
ちなみに勾配が6%の場合は約1kg、勾配が2%になると2kgを超えてきます。
タイヤの技術の進歩を考えると、軽量コンポーネントにコストを掛けるよりも、まず転がり抵抗の少ないタイヤを選択することを検討してください。最近のタイヤの技術に関する進歩を考慮すると、その効果はかなり劇的になる可能性があります。
しかし一方の重量はライダーと車体の総重量がとして影響を与えます。ですので何らかの方法で400gの軽量化をしたとしても、全体の重さとしての軽量化は大きな違いを生じない可能性があります。
FASTER BIKE BLOGより
詳細はページ最下部のリンクよりご確認を頂けます。
たとえ上りであっても、転がり抵抗の影響は想像以上に大きい、ということだと思われます。これらを踏まえたうえで、本題へです。
▶aerocoachの場合
テストにはContinental GP5000 25c クリンチャータイプを使用
✓重さに関して
最軽量のTubolito S Tubo(TPUチューブ)は22gで、最重量のContinental Race(重いブチルチューブ)と比べると1本上あたり82gの軽量化になり、前後で164gの軽量化ができます。平坦のコースの場合は、実質的な節約にはなりませんが、10%の勾配を16km/hで走る場合、0.8wの削減となり、0.03km/hの速度増加に相当します。ただし転がり抵抗は重量よりも遥かに大きな影響を及ぼします。
✓転がり抵抗テスト
転がり抵抗のテストをするため、ライダーがローラーでバイクに乗りながらチューブを交換し、出力と速度、大気条件とバイク/ライダーの重量を測定し、数日間テストを繰り返しました。これにより、転がり抵抗係数 (または「Crr」) として知られるものを計算できるようになり、通常の道路を走行するために必要な出力をモデル化するために使用できます
すべてのインナーチューブとタイヤは、リム外幅 24.7 mm、リム内幅 19.6 mm のアルミニウム リムに取り付けられ、90 psi (6.2.BAR)まで空気圧が加えられました。
45km/hの場合、最も速いインナーチューブと最も遅いインナーチューブの差は、16kmで約12秒に相当します
✓結論
ラテックスチューブはTPUの超軽量チューブと比較して重量的なペナルティはわずかですが、転がり抵抗が優れています。この重量の違いによって、超軽量TPUチューブが最速のラテックスチューブよりも速いのは、勾配が約15%に達した場合のみです。
▶Bicycle Rolling Resistanceの場合
✓テストタイヤ
Continental GP5000
Vittoria Corsa G+2.0
Michelin Power Time Trial
※全て25c
3つの異なるタイヤを使用し、結果を平均しました。

https://www.bicyclerollingresistance.com/specials/tpu-inner-tubes より抜粋
平均した結果は、80gのラテックス チューブが、最も軽い TPU チューブよりも転がり抵抗が低いことを示しています。
超軽量のTPUチューブ(~30g程度)、Revoloop Ultra(25g)Tubolito S-Tubo Road(22g)Vittoria Ultra Light Speed(30g)これらのTPUチューブは80gのラテックスチューブと比較して転がり抵抗の差は非常に小さく、実際に回転重量を節約になるため、ラテックスチューブと同じぐらいの速度になる可能性があります。
通常のTPUチューブ(約35~45g)は軽量ブチルチューブと比較してみます。約40gのTPUチューブはより軽く、回転は早く、空気の保持力も同様かそれ以上のため、明らかにパフォーマンスは優れています。
▶まとめ ~2社のテスト結果を見て~
2社のテストの結果を見てみます。
①総合的に見てラテックスチューブの転がり抵抗は低い
②ラテックスチューブに続き軽量TPUチューブの転がり抵抗が低い傾向
③全体的にブチルチューブはラテックス・TPUに比べて転がり抵抗は高い
当然チューブのメーカーや種類にもよりますが、転がり抵抗だけ見ればやはりラテックスチューブが一番速い、という結論は双方共通している部分です。
そしてaerocoachのテストにまとめとしてありますが、インナーチューブの違いによる速さの差の話では、重量による速さの差はほぼ出ない、ということです。転がり抵抗よりも重量のほうが速度に与える影響は小さく、インナーチューブの重量差は平地では速度に与える影響はほぼ無く、影響があるのは15%の超える上りのみ、ということでした。
Bicycle Rolling Resistanceはというと、ラテックスの転がり抵抗は一番軽いが、TPUはリム外周部の重量削減のメリットがありラテックスチューブと同じぐらい速い可能性があります。ということでした。
転がり抵抗といえば重量のように目で見ることはできませんし、主観的な比較になってしまっていたのが、技術の進歩で数値化できるようになったのも軽量化神話に歯止めをかけることになっているのかもしれません。転がり抵抗、侮ってはいけないということだと思います。
ということでTPUチューブ、ブチルチューブ、ラテックスチューブの転がり抵抗テスト比較、そんなお話しでした。
+++追記+++++++
ふと思いました。
TPUチューブってやはり乗り心地が少々硬いです。
ということで、その乗り心地を改善するために空気圧を下げる、という方法があります。
しかしです。。。ということを追記致します。
Bicycle Rolling Resistanceの表をグラフ化してみました。
全部ではごちゃごちゃしてしまうので4つに絞りました。
1位:Vittoria Latex(ラテックス最速)
2位:Revoloop Ultra(TPU最速)
3位:Vittoria Ultra Light Speed(30gTPU)
10位:Continental Race 28Light(ブチル最速)

こちらです。
例えばです。

✓Continental Race 28Light(ブチル最速)とVittoria Latex
5.5BARのときを比べてみます。
ざっくりではありますが、ブチルチューブ最速のContinental Race 28Lightと最も軽いVittoriaのラテックスの差は0.5BARです。
つまり5.5BAR付近での転がり抵抗で考えれば、ラテックスからブチルに交換した場合は、0.5BAR上げると同じ転がり抵抗になります。 ブチルから変えた場合は0.5BAR落としても転がり抵抗は変わりません。乗り心地の改善効果はかなり大きいと思われます。
その差は6.2BAR上がると更に広がりおよそ1BARの差、ラテックスとブチルは1BARも違っても転がり抵抗はほぼ同じということになります。如何にラテックスが凄いか、ということです。
✓Continental Race 28Light(ブチル最速)とVittoriaのUltra Light Speed(30gのTPU)
では続いて転がり抵抗が軽いと言われているTPUチューブの中でも2番目に軽いとされている、VittoriaのUltra Light Speedとブチルチューブ最速のContinental Race 28Lightの比較です。
の差は5.5BARでおよそ0.3BARです。
ということはもちろんですが、5.5BAR付近で運用する場合、(最低転がり抵抗の)ブチルチューブからTPUに変えると転がり抵抗は低減します。
しかしです。
難点はTPUチューブの乗り心地の硬さです。
ブチルやラテックスに比べてTPUの乗り心地が硬いと感じた場合、空気圧を下げたくなると思います。ですが、そこで0.3BAR下げてしまうと、、、TPUの軽い転がり抵抗が帳消しになってしまいます。
これってものすごく重要なところだと思います。TPUの転がり抵抗が低い、というのはかなりざっくりとした話で、正確には”ほぼ同じ空気圧であれば、ブチルよりも転がり抵抗が低い可能性が高い”、ということで空気圧を落としてしまった場合は、転がり抵抗が低いとは一概に言えません。
ですので超軽量のTPUで軽い踏み出しや、軽い走りを最大限に発揮させたい場合は、時代の流れには逆らってしまうかもしれませんが、空気圧を高めにセッティングすることで軽い転がり抵抗を堪能できるはずです。
ちなみに転換点というかポイントはというと、6BARで0.5BAR以下、5.5BARで0.2BAR以下にしておくと、最速のブチルチューブよりも転がり抵抗は低くなります。
これらの話はTPUだけの話ではなくラテックスもそうですが、空気圧を下げると転がり抵抗は上がります。高い空気圧でもしなやかな乗り心地のラテックスはこういった部分でも有利に働いていると考えられます。
しかしそんな万能的なラテックスにも落とし穴もあります。
ラテックスは自然減圧がどうにも多く、長丁場には弱いのです。
日の出とともに走り始めて数時間であれば問題はありませんが、24時間とか走る場合は、、、後半の転がり抵抗は空気圧の自然減圧とともに上がってきてしまいます。
またリムブレーキのカーボンリムでは使えないというデメリットもあります。
やはり使い方に合わせた適切な選択、大切だということです。
ワタクシはというと、来る富士ヒルは前TPU、後ラテックスで出走を考えております。最後まで悩むんだろうなぁと思いながらも(笑)
参考サイト
ワタクシ自身も軽量化の効果を体感してきているのは少ないことではありません。
特にリム外周の軽量化は数十グラムの違いでも、その差を確実に体感することができます。
しかしです。それが100%速く走れることにつながるのかというと、一概にそうではなくなってきているのかもしれません。それは今回の転がり抵抗の話だけではなく、空力学的なお話しもそうです。
そんなこんなで、科学の進歩を日々感じるこの頃です。
こんなことを考えていると、PanaracerのAGILEST FASTです。
あのタイヤは無印AGILESTに比べて30gぐらい重いのですが、なにせ速く感じるのです。。。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
クリンチャータイヤに使われるインナーチューブのお話です。
一昔前はラテックスチューブ VS 軽量ブチルチューブ、みたいな印象がありましたが、ここ数年でTPUチューブが発売となりインナーチューブ戦争に待ったがかかっているようなイメージです。
ラテックスといえばしなやかに動き、転がり抵抗は最高性能で耐パンク性も低くなく、まさに究極とも言える走行性能を持っている反面、空気の保持力が極端に低く1日で1BAR減圧なんてことはザラにあることです。長いライドでは後半には空気圧が変わってきてしまうほどです。空気圧の保持力に関しては現在のチューブレスレディシステム以下の保持力です。
一方のブチルはラテックスと比較して乗り心地や走行性能は劣るものの、空気の保持力はかなり強くメンテナンス性に優れています。
そして最近登場したのが、TPUチューブにです。
TPUといえば何と言ってもその重量、軽いのではラテックスやブチルチューブの半分以下の重量になります。そしてその性能はというと、転がり抵抗も低いということです。
軽くて転がり抵抗が低い、最強なのでは!?ということで今回はその中でも転がり抵抗の話。2つのTPUチューブ、ブチルチューブ、ラテックスチューブの転がり抵抗のテストをまとめてみよう思います。

▶転がり抵抗の重要性
まず本題の前に転がり抵抗がどれだけ需要か、ということで海の向こう側のとあるページ※にまとまっていたのでまずはそちらのお話しからです。
※TrainingPeaks Marginal GainTV(SLICA)の資料を参考に作られたページのようです。
※以下拙い翻訳の要約です。
転がり抵抗が低いタイヤは速い、ということです。
その他のパーツ類で最速を求めると、多くの場合はデメリットも付随してきます。しかし転がり抵抗の低いタイヤではパワー、空力学にほぼ影響を与えずに、上り、下り、ゆっくり走る場合も、早く走る場合もすべて有利に働きます。
4.1BARでの一般的な転がり抵抗です。
コンチネンタル GP5000 S TR (チューブレス): 0.00303とコンチネンタル ウルトラ スポーツ III (ブチル チューブ): Crr 0.00582 (+ 92%)の差は、平地で40kgの体重を減らす効果があります。
ContinentalのGP5000S TRの転がり抵抗は同社ウルトラスポーツⅢのほぼ半分です。
ContinentalのGP5000S TRの転がり抵抗は同社ウルトラスポーツⅢのほぼ半分です。
Continental GP5000とGP4000S、双方ラテックスチューブを使用し80kgライダーの場合です。
GP4000からGP5000に変えた場合、10%勾配で重量にして500g分の差がでます。つまり10勾配の坂でGP5000を選択した場合は、500g追加してもGP4000と同じ速度を出すことができるということです。
ですので古いContinental GP4000からGP5000への変更は勾配10%で500gの軽量化の効果があるとようなものです。
ちなみに勾配が6%の場合は約1kg、勾配が2%になると2kgを超えてきます。
タイヤの技術の進歩を考えると、軽量コンポーネントにコストを掛けるよりも、まず転がり抵抗の少ないタイヤを選択することを検討してください。最近のタイヤの技術に関する進歩を考慮すると、その効果はかなり劇的になる可能性があります。
しかし一方の重量はライダーと車体の総重量がとして影響を与えます。ですので何らかの方法で400gの軽量化をしたとしても、全体の重さとしての軽量化は大きな違いを生じない可能性があります。
FASTER BIKE BLOGより
詳細はページ最下部のリンクよりご確認を頂けます。
たとえ上りであっても、転がり抵抗の影響は想像以上に大きい、ということだと思われます。これらを踏まえたうえで、本題へです。
▶aerocoachの場合
テストにはContinental GP5000 25c クリンチャータイプを使用
✓重さに関して
最軽量のTubolito S Tubo(TPUチューブ)は22gで、最重量のContinental Race(重いブチルチューブ)と比べると1本上あたり82gの軽量化になり、前後で164gの軽量化ができます。平坦のコースの場合は、実質的な節約にはなりませんが、10%の勾配を16km/hで走る場合、0.8wの削減となり、0.03km/hの速度増加に相当します。ただし転がり抵抗は重量よりも遥かに大きな影響を及ぼします。
✓転がり抵抗テスト
転がり抵抗のテストをするため、ライダーがローラーでバイクに乗りながらチューブを交換し、出力と速度、大気条件とバイク/ライダーの重量を測定し、数日間テストを繰り返しました。これにより、転がり抵抗係数 (または「Crr」) として知られるものを計算できるようになり、通常の道路を走行するために必要な出力をモデル化するために使用できます
すべてのインナーチューブとタイヤは、リム外幅 24.7 mm、リム内幅 19.6 mm のアルミニウム リムに取り付けられ、90 psi (6.2.BAR)まで空気圧が加えられました。
Weight (g) |
Power @ 45kph (w) |
|
Vredestein Superlite latex | 53g | 27.1 |
Vittoria latex | 72g | 27.2 |
Challenge latex | 74g | 27.2 |
Revoloop Ultra Race | 25g | 28.2 |
Michelin Aircomp latex | 81g | 28.5 |
Schwalbe Aerothan | 46g | 28.7 |
Continental Race Supersonic | 55g | 30.3 |
Tubolito S Tubo | 22g | 30.5 |
Tubolito Road | 40g | 32 |
Continental Race light | 78g | 32.7 |
Hutchinson Airlight | 80g | 33.6 |
Continental Race | 104g | 34.3 |
Michelin Ultralight | 76g | 34.4 |
Schwalbe Extralight | 80g | 34.7 |
結果はというと、Vredestein ラテックス チューブが最も速く (転がり抵抗が最も低く)、僅差で Vittoria ラテックス チューブと Challenge ラテックス チューブが続きました。これにより、45km/hの標準的なブチルコンチネンタル レース インナー チューブと比較して、 7 ワット以上節約されました。
45km/hの場合、最も速いインナーチューブと最も遅いインナーチューブの差は、16kmで約12秒に相当します
✓結論
ラテックスチューブはTPUの超軽量チューブと比較して重量的なペナルティはわずかですが、転がり抵抗が優れています。この重量の違いによって、超軽量TPUチューブが最速のラテックスチューブよりも速いのは、勾配が約15%に達した場合のみです。
▶Bicycle Rolling Resistanceの場合
✓テストタイヤ
Continental GP5000
Vittoria Corsa G+2.0
Michelin Power Time Trial
※全て25c
3つの異なるタイヤを使用し、結果を平均しました。

https://www.bicyclerollingresistance.com/specials/tpu-inner-tubes より抜粋
平均した結果は、80gのラテックス チューブが、最も軽い TPU チューブよりも転がり抵抗が低いことを示しています。
超軽量のTPUチューブ(~30g程度)、Revoloop Ultra(25g)Tubolito S-Tubo Road(22g)Vittoria Ultra Light Speed(30g)これらのTPUチューブは80gのラテックスチューブと比較して転がり抵抗の差は非常に小さく、実際に回転重量を節約になるため、ラテックスチューブと同じぐらいの速度になる可能性があります。
通常のTPUチューブ(約35~45g)は軽量ブチルチューブと比較してみます。約40gのTPUチューブはより軽く、回転は早く、空気の保持力も同様かそれ以上のため、明らかにパフォーマンスは優れています。
▶まとめ ~2社のテスト結果を見て~
2社のテストの結果を見てみます。
①総合的に見てラテックスチューブの転がり抵抗は低い
②ラテックスチューブに続き軽量TPUチューブの転がり抵抗が低い傾向
③全体的にブチルチューブはラテックス・TPUに比べて転がり抵抗は高い
当然チューブのメーカーや種類にもよりますが、転がり抵抗だけ見ればやはりラテックスチューブが一番速い、という結論は双方共通している部分です。
そしてaerocoachのテストにまとめとしてありますが、インナーチューブの違いによる速さの差の話では、重量による速さの差はほぼ出ない、ということです。転がり抵抗よりも重量のほうが速度に与える影響は小さく、インナーチューブの重量差は平地では速度に与える影響はほぼ無く、影響があるのは15%の超える上りのみ、ということでした。
Bicycle Rolling Resistanceはというと、ラテックスの転がり抵抗は一番軽いが、TPUはリム外周部の重量削減のメリットがありラテックスチューブと同じぐらい速い可能性があります。ということでした。
転がり抵抗といえば重量のように目で見ることはできませんし、主観的な比較になってしまっていたのが、技術の進歩で数値化できるようになったのも軽量化神話に歯止めをかけることになっているのかもしれません。転がり抵抗、侮ってはいけないということだと思います。
ということでTPUチューブ、ブチルチューブ、ラテックスチューブの転がり抵抗テスト比較、そんなお話しでした。
+++追記+++++++
ふと思いました。
TPUチューブってやはり乗り心地が少々硬いです。
ということで、その乗り心地を改善するために空気圧を下げる、という方法があります。
しかしです。。。ということを追記致します。
Bicycle Rolling Resistanceの表をグラフ化してみました。
全部ではごちゃごちゃしてしまうので4つに絞りました。
1位:Vittoria Latex(ラテックス最速)
2位:Revoloop Ultra(TPU最速)
3位:Vittoria Ultra Light Speed(30gTPU)
10位:Continental Race 28Light(ブチル最速)

こちらです。
例えばです。

✓Continental Race 28Light(ブチル最速)とVittoria Latex
5.5BARのときを比べてみます。
ざっくりではありますが、ブチルチューブ最速のContinental Race 28Lightと最も軽いVittoriaのラテックスの差は0.5BARです。
つまり5.5BAR付近での転がり抵抗で考えれば、ラテックスからブチルに交換した場合は、0.5BAR上げると同じ転がり抵抗になります。 ブチルから変えた場合は0.5BAR落としても転がり抵抗は変わりません。乗り心地の改善効果はかなり大きいと思われます。
その差は6.2BAR上がると更に広がりおよそ1BARの差、ラテックスとブチルは1BARも違っても転がり抵抗はほぼ同じということになります。如何にラテックスが凄いか、ということです。
✓Continental Race 28Light(ブチル最速)とVittoriaのUltra Light Speed(30gのTPU)
では続いて転がり抵抗が軽いと言われているTPUチューブの中でも2番目に軽いとされている、VittoriaのUltra Light Speedとブチルチューブ最速のContinental Race 28Lightの比較です。
の差は5.5BARでおよそ0.3BARです。
ということはもちろんですが、5.5BAR付近で運用する場合、(最低転がり抵抗の)ブチルチューブからTPUに変えると転がり抵抗は低減します。
しかしです。
難点はTPUチューブの乗り心地の硬さです。
ブチルやラテックスに比べてTPUの乗り心地が硬いと感じた場合、空気圧を下げたくなると思います。ですが、そこで0.3BAR下げてしまうと、、、TPUの軽い転がり抵抗が帳消しになってしまいます。
これってものすごく重要なところだと思います。TPUの転がり抵抗が低い、というのはかなりざっくりとした話で、正確には”ほぼ同じ空気圧であれば、ブチルよりも転がり抵抗が低い可能性が高い”、ということで空気圧を落としてしまった場合は、転がり抵抗が低いとは一概に言えません。
ですので超軽量のTPUで軽い踏み出しや、軽い走りを最大限に発揮させたい場合は、時代の流れには逆らってしまうかもしれませんが、空気圧を高めにセッティングすることで軽い転がり抵抗を堪能できるはずです。
ちなみに転換点というかポイントはというと、6BARで0.5BAR以下、5.5BARで0.2BAR以下にしておくと、最速のブチルチューブよりも転がり抵抗は低くなります。
これらの話はTPUだけの話ではなくラテックスもそうですが、空気圧を下げると転がり抵抗は上がります。高い空気圧でもしなやかな乗り心地のラテックスはこういった部分でも有利に働いていると考えられます。
しかしそんな万能的なラテックスにも落とし穴もあります。
ラテックスは自然減圧がどうにも多く、長丁場には弱いのです。
日の出とともに走り始めて数時間であれば問題はありませんが、24時間とか走る場合は、、、後半の転がり抵抗は空気圧の自然減圧とともに上がってきてしまいます。
またリムブレーキのカーボンリムでは使えないというデメリットもあります。
やはり使い方に合わせた適切な選択、大切だということです。
ワタクシはというと、来る富士ヒルは前TPU、後ラテックスで出走を考えております。最後まで悩むんだろうなぁと思いながらも(笑)
参考サイト
ワタクシ自身も軽量化の効果を体感してきているのは少ないことではありません。
特にリム外周の軽量化は数十グラムの違いでも、その差を確実に体感することができます。
しかしです。それが100%速く走れることにつながるのかというと、一概にそうではなくなってきているのかもしれません。それは今回の転がり抵抗の話だけではなく、空力学的なお話しもそうです。
そんなこんなで、科学の進歩を日々感じるこの頃です。
こんなことを考えていると、PanaracerのAGILEST FASTです。
あのタイヤは無印AGILESTに比べて30gぐらい重いのですが、なにせ速く感じるのです。。。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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