今回はS-Works のTarmac SL7のヘッドベアリング交換を兼ねた、のオーバーホールのご紹介です。

というのも前回バラした際のことです。

このようにヘッドパーツに白い粉のようなものが付いている場合、上部のベアリングもダメージを受けていることが多いです。
分解し、キレイにしてみるとこのような状態です。

ヘッドベアリングの外観的にはそこまで錆びていないようにも思えますが、肝心なのは外側のサビではなくベアリング自体の動きです。
完全に内部までサビで動きがザラザラになっている状態で、ハンドルを切る動きをした際にも強いゴリ感を感じるぐらいの状態でした。
これからもっとひどい状態になるとコラムに固着したり、分解した瞬間にバラバラと崩壊してしまうことにもなります。
そうなる前に交換が必要です。
しかし昨今のフル内装構造のフレームのヘッドベアリングの交換は、従来のリムブレーキ等のフレームほど簡単には行きません。ということで今回、オーバーホールも兼ねてのヘッドベアリング交換となりました。
まずは本題のベアリング交換です。
ヘッドベアリング内部を通るホースの存在がある限り、ホースを切らないと(外す=切ることになります。)どうやっても外すことはできません。ですのでホースを切ります。
できるだけ短く切るのですが、、この際に再度組む際にホースが足りなくなる可能性が高いです。
ですのでホース交換になることも想定して、作業を進めます。

約半年ぶりの状態です。
どんどんバラしていきます。

下側のベアリング部もかなり汚れている状態です。
このようになるのは想定内です。
というのも走れば走るだけ汚れるのは致し方ないことだからです。
ちょっとやちょっとのことではだめにならないように組むことが重要です。

半年前に入れたグリスはまだ健在でした。

フル内装フレームでここまでバラバラにできる機会は、ホースを外したときにしかありません。
徹底的にキレイにしておきます。
ビフォー

アフター

磨けば輝きます。
ブレーキダストは溜めすぎたり、時間が立ちすぎることで非常に落としづらい汚れへと変化してしまいます。定期的に掃除をしてあげることが、きれいな状態を保つ秘訣です。
リアのキャリパー固定ボルトもサビやすいです。

800円ぐらいですので、何かの際に交換しておくと良いと思います。
フロントは間違いなくホースの長さが足りませんので交換しました。

輝く新品のヘッドベアリングです。

グリスをしっかりと入れ、組んでいきます。


たっぷりと入れます。
Venge、TarmacのヘッドセットはいたるところにDi2ケーブルを挟み込む事件が起きているのをよく見ます。ご自身で触る場合はDi2ケーブルの挟み込みにくれぐれもご注意下さい。
そして組んでみたところ悲しいことにリアもホース長が足りませんでした。。。やり直しです。
リアのホース交換は、というとここ最近のフレームはフレーム内部での音鳴りを防止するために、リアホースに筒状の緩衝材を取り付けている場合が多いです。この緩衝材はただ取り付ければよいのではなく、音鳴りがし易いBB部にしっかりと位置する必要があります。
またホース交換で引っこ抜いたときにフレーム内部に忘れてこないようにも注意が必要です。
以前なにかのフレームをバラした際に、1本余っている緩衝材がいたことも。。。そう言えば丸めた新聞紙がいたこともありました(笑)
ついでと言ってはアレですが、Di2ケーブルのコネクト部です。

フレームの構造的にエレクトリックケーブルは右側から出したほうが素直なルーティングになりますので、右側に変更しておきました。

ホースを繋いで油を満たし、エア抜きです。
ここからは時間をじっくりとかけていきたい作業です。
車体を返して一晩起き、確認をし再度エア抜きをして仕上げます。
並行して油圧ならではのメンテナンス、キャリパーの掃除も徹底的に行なっておきます。
ドライブトレインはいつもの通り徹底的に洗浄をし、溜まった汚れを取り除き、きれいな油を入れます。
最近流行りのチェーンワックスは意外と落としづらいのです。クリーナーだけではなく物理的な洗浄が必要になる場合が多い印象です。ワックスをスッキリ落とすポイントは、まずは汚れの塊を物理的に除去する、ということです。その後ケミカルを使い完全に除去します。
これはワックスだけではなくグリスなんかでもそうですが、取れるものをあらかじめ取っておくということです。
カラカラ鳴るリムの内部からは不思議な何かが出てきました。

赤玉ではありませんでした(笑)
とここでお気づきの方、かなりマニアックな方です。

こちらです。
答えはもう少しだけ下の方に。。。
、
、
、
タイヤの方向が逆になっていましたので、直しておきました。
そんなこんなで全て作業を終えました。




と、文章に起こすとすんなりと終わっているように感じますが、1つ1つかなり時間のかかる作業です。
こうしてまたピカピカに仕上げた一台が元気に走っていることは何よりも嬉しいことです。
ワタクシ自身もよくあることなのですが、オーバーホールやヘッドパーツをキレイにしてすぐに雨にあたってしまうということです。
キレイにしたばっかりなのに、、、と少々悲しい気持ちにもなりますが、グリスアップは雨や汗対策として行うものです。その後すぐに雨にあたってしまった場合は、せっかくキレイにしたのに、というよりかも雨のためにグリスきちんと入れておいて良かった、ということです。(ポジティブシンキング!)
もう少し続きそうな梅雨、そしてこれから来る猛暑の夏に備えての汗対策として、ヘッドパーツのグリスアップは特におすすめ致します。
ということで今回はTarmac SL7のヘッドベアリング交換を兼ねた、オーバーホールをご紹介でした。
↑人間側の汗対策です。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから

というのも前回バラした際のことです。

このようにヘッドパーツに白い粉のようなものが付いている場合、上部のベアリングもダメージを受けていることが多いです。
分解し、キレイにしてみるとこのような状態です。

ヘッドベアリングの外観的にはそこまで錆びていないようにも思えますが、肝心なのは外側のサビではなくベアリング自体の動きです。
完全に内部までサビで動きがザラザラになっている状態で、ハンドルを切る動きをした際にも強いゴリ感を感じるぐらいの状態でした。
これからもっとひどい状態になるとコラムに固着したり、分解した瞬間にバラバラと崩壊してしまうことにもなります。
そうなる前に交換が必要です。
しかし昨今のフル内装構造のフレームのヘッドベアリングの交換は、従来のリムブレーキ等のフレームほど簡単には行きません。ということで今回、オーバーホールも兼ねてのヘッドベアリング交換となりました。
まずは本題のベアリング交換です。
ヘッドベアリング内部を通るホースの存在がある限り、ホースを切らないと(外す=切ることになります。)どうやっても外すことはできません。ですのでホースを切ります。
できるだけ短く切るのですが、、この際に再度組む際にホースが足りなくなる可能性が高いです。
ですのでホース交換になることも想定して、作業を進めます。

約半年ぶりの状態です。
どんどんバラしていきます。

下側のベアリング部もかなり汚れている状態です。
このようになるのは想定内です。
というのも走れば走るだけ汚れるのは致し方ないことだからです。
ちょっとやちょっとのことではだめにならないように組むことが重要です。

半年前に入れたグリスはまだ健在でした。

フル内装フレームでここまでバラバラにできる機会は、ホースを外したときにしかありません。
徹底的にキレイにしておきます。
輝き!✨ pic.twitter.com/kCe2okUddg
— Teppei.Y 目指せ走れるメカニック!! (@ff_cycle) June 26, 2024
ビフォー

アフター

磨けば輝きます。
ブレーキダストは溜めすぎたり、時間が立ちすぎることで非常に落としづらい汚れへと変化してしまいます。定期的に掃除をしてあげることが、きれいな状態を保つ秘訣です。
リアのキャリパー固定ボルトもサビやすいです。

800円ぐらいですので、何かの際に交換しておくと良いと思います。
フロントは間違いなくホースの長さが足りませんので交換しました。

輝く新品のヘッドベアリングです。

グリスをしっかりと入れ、組んでいきます。


たっぷりと入れます。
Venge、TarmacのヘッドセットはいたるところにDi2ケーブルを挟み込む事件が起きているのをよく見ます。ご自身で触る場合はDi2ケーブルの挟み込みにくれぐれもご注意下さい。
そして組んでみたところ悲しいことにリアもホース長が足りませんでした。。。やり直しです。
リアのホース交換は、というとここ最近のフレームはフレーム内部での音鳴りを防止するために、リアホースに筒状の緩衝材を取り付けている場合が多いです。この緩衝材はただ取り付ければよいのではなく、音鳴りがし易いBB部にしっかりと位置する必要があります。
またホース交換で引っこ抜いたときにフレーム内部に忘れてこないようにも注意が必要です。
以前なにかのフレームをバラした際に、1本余っている緩衝材がいたことも。。。そう言えば丸めた新聞紙がいたこともありました(笑)
ついでと言ってはアレですが、Di2ケーブルのコネクト部です。

フレームの構造的にエレクトリックケーブルは右側から出したほうが素直なルーティングになりますので、右側に変更しておきました。

ホースを繋いで油を満たし、エア抜きです。
ここからは時間をじっくりとかけていきたい作業です。
車体を返して一晩起き、確認をし再度エア抜きをして仕上げます。
並行して油圧ならではのメンテナンス、キャリパーの掃除も徹底的に行なっておきます。
ドライブトレインはいつもの通り徹底的に洗浄をし、溜まった汚れを取り除き、きれいな油を入れます。
最近流行りのチェーンワックスは意外と落としづらいのです。クリーナーだけではなく物理的な洗浄が必要になる場合が多い印象です。ワックスをスッキリ落とすポイントは、まずは汚れの塊を物理的に除去する、ということです。その後ケミカルを使い完全に除去します。
これはワックスだけではなくグリスなんかでもそうですが、取れるものをあらかじめ取っておくということです。
カラカラ鳴るリムの内部からは不思議な何かが出てきました。

赤玉ではありませんでした(笑)
とここでお気づきの方、かなりマニアックな方です。

こちらです。
答えはもう少しだけ下の方に。。。
、
、
、
タイヤの方向が逆になっていましたので、直しておきました。
そんなこんなで全て作業を終えました。




と、文章に起こすとすんなりと終わっているように感じますが、1つ1つかなり時間のかかる作業です。
こうしてまたピカピカに仕上げた一台が元気に走っていることは何よりも嬉しいことです。
ワタクシ自身もよくあることなのですが、オーバーホールやヘッドパーツをキレイにしてすぐに雨にあたってしまうということです。
キレイにしたばっかりなのに、、、と少々悲しい気持ちにもなりますが、グリスアップは雨や汗対策として行うものです。その後すぐに雨にあたってしまった場合は、せっかくキレイにしたのに、というよりかも雨のためにグリスきちんと入れておいて良かった、ということです。(ポジティブシンキング!)
もう少し続きそうな梅雨、そしてこれから来る猛暑の夏に備えての汗対策として、ヘッドパーツのグリスアップは特におすすめ致します。
ということで今回はTarmac SL7のヘッドベアリング交換を兼ねた、オーバーホールをご紹介でした。
↑人間側の汗対策です。
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※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
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また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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