前回の記事では猛暑の真夏はいくら暑熱適応が進んだとしても、通常よりもパワーが出ない傾向にある。というお話でした。
そうとは言っても真夏でも走りたい、外を走りたいという方もいるかと思います。
そこでライドを楽しむ、というかもはや無事に生きて帰ってくるためには必要とも言えるぐらい重要なのが水分です。
水分は運動による体重減少が2%を超えないようにするということですが、水分だけでは足りません。それは塩分です。
ワタクシ自身の普段はそこまで気にして塩分を摂取しないのですが、それでも今年の夏は汗の量が本当に半端なく、水分の摂取量もかなり多くなっているように感じます。
そこで今年初の導入製品、塩ジェルを試してみたのですが、これがまたなんとも言えないぐらいしょっぱいのです。
こんなにしょっぱく良いのかと思ったのですが、摂取後からライド後までなんだか調子が良いのです。
ということで調べてみました。炎天下の日運動時には実際にどれぐらいの塩分摂取が必要なのか?調べてみたかなり驚きの数値でした。ということで今回は、暑熱環境下、猛暑のライド時の塩分の摂取量に驚愕する、そんなお話しです。
※日常生活の塩分摂取量(必要・推奨量)と、暑熱環境下での激しい運動時の塩分摂取の目安は全く違いますのでご注意下さい。
▶塩分の損失量
✓暑熱環境下での運動で塩分が失われる量
1lの汗に含まれる塩分量は0.3%、ということは1lの汗をかくと3gの汗が失われることになります。
暑熱環境下の実験では、90分間の運動で1.7lもの汗をかくことも少ないことではないということです。
ちなみに水分損失量が大きいのは以下の2種目です。
・サッカー 約1.5時間/26℃・・・約2000ml
・剣道 約1時間/30.4℃・・・2700g
ポカリスエット公式ページより
汗で失われるのは水分だけではありませんので、塩分(ナトリウム)も摂取する必要があります。
では実際にはどのぐらいの量、ということなのですが、それは厚生労働省から指標が出ております。
▶塩分摂取の推奨量
厚生労働省は猛暑時や炎天下(WBGT基準値を超える場合)では40mg~80mgのナトリウムを、水と一緒に20~30分間隔での摂取を推奨しております。(水:カップ1~2杯(200~400ml)
つまり1時間では水分量400~800ml、ナトリウム80~160mgの摂取が推奨ということです。
職場における熱中症予防対策マニュアルより
①塩分タブレット
例えば一番よく見る塩分チャージタブレッツの場合、1粒あたり塩分が0.119gでナトリウム換算で47mgです。ということは塩分ダブレットを使用する場合は、1時間に2~3個、水分とともに摂取するということです。
しかし例えば摂取する水分が塩分も含まれるスポーツドリンク等を使用している場合は、塩分過多になってしまうの注意が必要です。
※4時間のライドで塩分無しの水分(ミネラルウォーター等)を摂取している場合は、塩分タブレットでは8~12個摂取するということです。これは結構な量です。
②塩ジェル
OS1の250ml分のミネラルと糖が摂れるという塩ジェルは、食塩相当量で0.77gでタブレット7個分位の計算です。
これが一包20mlに含まれますので、まぁ少々刺激的なお味です。
しかしこれがまた、なぜかライド後半に摂取すると、、、元気が出る気がするのです。なぜかって塩分がチャージされるのか、味が刺激的なのかは不明です。

塩ジェルはミネラルの補給にはもってこいですが、スポーツドリンクと併用することで塩分過多のリスクもあります。使用される際はくれぐれもご注意下さい。
▶スポーツドリンクと経口補水液
スポートドリンクと経口補水液はどのような違いがあるのかについてです。
①スポーツドリンク
熱中症予防の水分補給として、日本スポーツ協会の推奨量は以下のとおりです。
・スポーツドリンク 0.1~0.2%の塩分、
例:アクエリアス 食塩相当量 0.1g/100ml
500mlで0.5g (1%相当)食塩0.5gはソーセージ1本分
②経口補水液
経口補水液(OS1):食塩相当量 0.292g/100ml
500mlで1.46g(1%)食塩1.5gは味噌汁1杯分位
塩ジェルは食塩相当量が0.77gで経口補水液の250ml分と同等。
日常生活における水・電解質の補給であればスポーツドリンクでも十分ですが、以下のような軽度から重度の脱水症には経口補水液が適している、ということです。
この以下の中には、病気等による脱水だけではなく、過度の発汗による脱水症や脱水を伴う熱中症にも適応ということです。
つまり通常時はスポーツドリンクでOKですが、脱水症状等の場合に経口補水液を用いるということです。まずは脱水症状や熱中症にならないように、水分や塩分の補給を適宜行い、無理をしないことが大切です。
▶汗の量を測る
体重の減少量で発汗量を測ることができます。
体重の減少を2%以内に収めるように水分を摂取するということです。
ですので例えばですが、ワタクシの場合、
体重の減少 ライド前 63kg→ ライド後 61kg
だったとします。
そして水分の摂取量が750mlのボトル3本分(給水をして)の2.25lだとします。
それ以外ではトイレも1度行きましたので、排泄による水分の減少もあります。
63kg + 2.25ml ‐ 200ml = 65.05kg
体重 摂取水分量 トイレ 発汗がなければ
ということはライド後に61kgで2kgの体重が減っていれば、単純計算で4l以上の発汗量があった計算になります。
63kgの2%は1.26kgです。理想は運動後の体重減少を1.26kgまでに抑える必要があります。
ということは単純にもう800mll(ボトル1本分)水分を摂取する必要があるということになります。
スポーツドリンクの1lの塩分量は1gですので、スポーツドリンクだけを摂取する場合は、4lでは4g摂取することになります。
しかし当然摂取する水分がスポーツドリンクだけ、というのは甘かったり、ぬるくなったりもするので、かなり辛いです。
ライド後半は特に甘いものを摂取しづらくもなってきますので、塩分タブレットや梅干し等から塩分を摂取したくなります。
▶塩分量を考える
厚労省の基準に当てはめて考えてみます。
1時間に1ボトル(約800ml)を摂取するとします。
前半最初の一本がスポーツドリンクだとして、後半の2本は甘いのが辛くて水やお茶系にします。
すると後半の2本分のときは別途塩分が必要になります、塩分タブレットであれば2~3個/1時間です。ですので3時間のライドであれば水を補給に使いたい場合、タブレットであれば4~6個、塩ジェルの場合は一個が必要になります。
※補給で梅干しのおにぎり等を食べることで塩分を補給することもできます。
▶まとめ
イメージ的にライドでバテてきたときはなにはともあれ糖質!というイメージがありますが、暑熱環境下のライドの場合は、水分だけではなく塩分のしっかりと摂取をする必要があるということです。
その塩分量も調べてみると予想以上に多い量でした。
しかし注意が必要なのは汗のかき方、汗によるナトリウムの損失具合は個人差があるということ、また運動強度や外気温湿度によっても差が出るということです。
また塩分過多による弊害も少なくはありません。
ですので具体的に何gとればOK、というのはなかなか難しいようです。
それでも厚労省の推奨値は猛暑時や炎天下では40mg~80mgのナトリウム(食塩相当量0.1~0.2g)を、水と一緒に20~30分間隔での摂取です。(※猛暑時や炎天下、ということですが更にこの条件下で激しい運動、という場合は更に必要量が増えることも考えられます。)
まだまだワタクシ自身も身を持って実験中ではありますが、塩分をしっかりと取ることで、その後の喉の乾き感はだいぶ軽減されるように感じています。塩分なしの水分のみの補給の場合は、しばらく飲んでも飲んでも喉の乾きが取れないイメージです。
運動強度や汗のかき方、体重の推移等をよく観察しながら、自分にあった適切な量を摂取することが大切です。
ということで今回は猛暑のライド 塩分の摂取量を調べてみたら、びっくりするぐらいの量だった、そんなお話しでした。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
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※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
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・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
そうとは言っても真夏でも走りたい、外を走りたいという方もいるかと思います。
そこでライドを楽しむ、というかもはや無事に生きて帰ってくるためには必要とも言えるぐらい重要なのが水分です。
水分は運動による体重減少が2%を超えないようにするということですが、水分だけでは足りません。それは塩分です。
ワタクシ自身の普段はそこまで気にして塩分を摂取しないのですが、それでも今年の夏は汗の量が本当に半端なく、水分の摂取量もかなり多くなっているように感じます。
そこで今年初の導入製品、塩ジェルを試してみたのですが、これがまたなんとも言えないぐらいしょっぱいのです。
こんなにしょっぱく良いのかと思ったのですが、摂取後からライド後までなんだか調子が良いのです。
ということで調べてみました。炎天下の日運動時には実際にどれぐらいの塩分摂取が必要なのか?調べてみたかなり驚きの数値でした。ということで今回は、暑熱環境下、猛暑のライド時の塩分の摂取量に驚愕する、そんなお話しです。
※日常生活の塩分摂取量(必要・推奨量)と、暑熱環境下での激しい運動時の塩分摂取の目安は全く違いますのでご注意下さい。
▶塩分の損失量
✓暑熱環境下での運動で塩分が失われる量
1lの汗に含まれる塩分量は0.3%、ということは1lの汗をかくと3gの汗が失われることになります。
暑熱環境下の実験では、90分間の運動で1.7lもの汗をかくことも少ないことではないということです。
ちなみに水分損失量が大きいのは以下の2種目です。
・サッカー 約1.5時間/26℃・・・約2000ml
・剣道 約1時間/30.4℃・・・2700g
ポカリスエット公式ページより
汗で失われるのは水分だけではありませんので、塩分(ナトリウム)も摂取する必要があります。
では実際にはどのぐらいの量、ということなのですが、それは厚生労働省から指標が出ております。
▶塩分摂取の推奨量
厚生労働省は猛暑時や炎天下(WBGT基準値を超える場合)では40mg~80mgのナトリウムを、水と一緒に20~30分間隔での摂取を推奨しております。(水:カップ1~2杯(200~400ml)
つまり1時間では水分量400~800ml、ナトリウム80~160mgの摂取が推奨ということです。
職場における熱中症予防対策マニュアルより
①塩分タブレット
例えば一番よく見る塩分チャージタブレッツの場合、1粒あたり塩分が0.119gでナトリウム換算で47mgです。ということは塩分ダブレットを使用する場合は、1時間に2~3個、水分とともに摂取するということです。
しかし例えば摂取する水分が塩分も含まれるスポーツドリンク等を使用している場合は、塩分過多になってしまうの注意が必要です。
※4時間のライドで塩分無しの水分(ミネラルウォーター等)を摂取している場合は、塩分タブレットでは8~12個摂取するということです。これは結構な量です。
②塩ジェル
OS1の250ml分のミネラルと糖が摂れるという塩ジェルは、食塩相当量で0.77gでタブレット7個分位の計算です。
これが一包20mlに含まれますので、まぁ少々刺激的なお味です。
しかしこれがまた、なぜかライド後半に摂取すると、、、元気が出る気がするのです。なぜかって塩分がチャージされるのか、味が刺激的なのかは不明です。

塩ジェルはミネラルの補給にはもってこいですが、スポーツドリンクと併用することで塩分過多のリスクもあります。使用される際はくれぐれもご注意下さい。
▶スポーツドリンクと経口補水液
スポートドリンクと経口補水液はどのような違いがあるのかについてです。
①スポーツドリンク
熱中症予防の水分補給として、日本スポーツ協会の推奨量は以下のとおりです。
・スポーツドリンク 0.1~0.2%の塩分、
例:アクエリアス 食塩相当量 0.1g/100ml
500mlで0.5g (1%相当)食塩0.5gはソーセージ1本分
②経口補水液
経口補水液(OS1):食塩相当量 0.292g/100ml
500mlで1.46g(1%)食塩1.5gは味噌汁1杯分位
塩ジェルは食塩相当量が0.77gで経口補水液の250ml分と同等。
日常生活における水・電解質の補給であればスポーツドリンクでも十分ですが、以下のような軽度から重度の脱水症には経口補水液が適している、ということです。
この以下の中には、病気等による脱水だけではなく、過度の発汗による脱水症や脱水を伴う熱中症にも適応ということです。
つまり通常時はスポーツドリンクでOKですが、脱水症状等の場合に経口補水液を用いるということです。まずは脱水症状や熱中症にならないように、水分や塩分の補給を適宜行い、無理をしないことが大切です。
▶汗の量を測る
体重の減少量で発汗量を測ることができます。
体重の減少を2%以内に収めるように水分を摂取するということです。
ですので例えばですが、ワタクシの場合、
体重の減少 ライド前 63kg→ ライド後 61kg
だったとします。
そして水分の摂取量が750mlのボトル3本分(給水をして)の2.25lだとします。
それ以外ではトイレも1度行きましたので、排泄による水分の減少もあります。
63kg + 2.25ml ‐ 200ml = 65.05kg
体重 摂取水分量 トイレ 発汗がなければ
ということはライド後に61kgで2kgの体重が減っていれば、単純計算で4l以上の発汗量があった計算になります。
63kgの2%は1.26kgです。理想は運動後の体重減少を1.26kgまでに抑える必要があります。
ということは単純にもう800mll(ボトル1本分)水分を摂取する必要があるということになります。
スポーツドリンクの1lの塩分量は1gですので、スポーツドリンクだけを摂取する場合は、4lでは4g摂取することになります。
しかし当然摂取する水分がスポーツドリンクだけ、というのは甘かったり、ぬるくなったりもするので、かなり辛いです。
ライド後半は特に甘いものを摂取しづらくもなってきますので、塩分タブレットや梅干し等から塩分を摂取したくなります。
▶塩分量を考える
厚労省の基準に当てはめて考えてみます。
1時間に1ボトル(約800ml)を摂取するとします。
前半最初の一本がスポーツドリンクだとして、後半の2本は甘いのが辛くて水やお茶系にします。
すると後半の2本分のときは別途塩分が必要になります、塩分タブレットであれば2~3個/1時間です。ですので3時間のライドであれば水を補給に使いたい場合、タブレットであれば4~6個、塩ジェルの場合は一個が必要になります。
※補給で梅干しのおにぎり等を食べることで塩分を補給することもできます。
▶まとめ
イメージ的にライドでバテてきたときはなにはともあれ糖質!というイメージがありますが、暑熱環境下のライドの場合は、水分だけではなく塩分のしっかりと摂取をする必要があるということです。
その塩分量も調べてみると予想以上に多い量でした。
しかし注意が必要なのは汗のかき方、汗によるナトリウムの損失具合は個人差があるということ、また運動強度や外気温湿度によっても差が出るということです。
また塩分過多による弊害も少なくはありません。
ですので具体的に何gとればOK、というのはなかなか難しいようです。
それでも厚労省の推奨値は猛暑時や炎天下では40mg~80mgのナトリウム(食塩相当量0.1~0.2g)を、水と一緒に20~30分間隔での摂取です。(※猛暑時や炎天下、ということですが更にこの条件下で激しい運動、という場合は更に必要量が増えることも考えられます。)
まだまだワタクシ自身も身を持って実験中ではありますが、塩分をしっかりと取ることで、その後の喉の乾き感はだいぶ軽減されるように感じています。塩分なしの水分のみの補給の場合は、しばらく飲んでも飲んでも喉の乾きが取れないイメージです。
運動強度や汗のかき方、体重の推移等をよく観察しながら、自分にあった適切な量を摂取することが大切です。
ということで今回は猛暑のライド 塩分の摂取量を調べてみたら、びっくりするぐらいの量だった、そんなお話しでした。
参考URL
経口補水液の適正使用について
経口補水液の適正使用について
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