最近かなり増えてきたBB規格でT47という規格があります。
今回はT47に関してのお話です。
▶BB規格とは
そもそもBBの規格って?という基本的なお話から、例のごとくめちゃくちゃ簡単に説明してみようと思います。
BBといえば代表的な規格でねじ切りの2つがありました。
JIS(68mm)とITA(70mm)です。
この規格というのフレームごとに違うものです。
ですのでITAのフレームにJISのBBはつきませんし、逆もしかりです。
つまりフレームのBB規格によって使用できるBBが違うということです。
ある日フレームやクランクの設計の自由度を上げるため(?)に、フレームメーカーが独自の規格を作り始めました。
これがBBの大乱立時代を生むきっかけになるのですが、これは悪いことばかりではなくもちろん良いことでもあったのです。
一社が作り始めるともう世の流れは止まりません。
各メーカーが自社のフレームに最適なBB規格をどんどん作ることになりました。
そして増え続けた結果が少し前のお話です。
増え続けたBB規格の主流は圧入式でした。
要はフレームに押し込むタイプのBBです。
しかしこれには問題があり、フレームの精度の問題、整備での問題もあったり、何度も何度もつけ外しがし易い規格ではありませんでした。
それでももちろんデメリットだけではなく、メリットもたくさんあったため現在まで圧入タイプのBBが主流となっています。
それでもやはりスレッド式(ねじ切り)の根強い人気でトラブルが少ない、という意見もあり最近になって登場したのがT47という規格です。
▶T47
今回のメインのT47の説明です。
T47はThreadFit(スレッドフィット)のT、47mm内径の47で、T47です。
PF30規格のBB内径が46mm(内径46mm×幅68mm)ですので、46mmにネジを切った規格ということです。
圧入の規格にスレッドをつけてしまえ!(かどうかはわかりませんが、)かもしれない規格です。
では従来のスレッド式のBBとの大きな違いは前述の内径です。
以前のスレッド式JISやITAとは内径が全然違うのです。
この内径を大きく取るということがポイントなのです。
内径が大きければベアリングのフレーム内部に配置することもできます。
フレーム内部にベアリングを位置できるということはフレームのBB幅を広く取ることもできます。つまりフレーム設計の自由度が上がる、ということです。
またクランクのアクスル軸の太さに対しての互換性も広くなり、対応クランクが増えます。
少しお話が戻りますが、圧入式の規格でBB86という規格があります。
業界最大手のSHIMANOの圧入式BBはBB86という規格です。
フレーム側のBBの寸法設計はと言うと、内径41mm×幅86.5mmです。
内径41mmにベアリングを入れて、アクスルを通すとなると、、、かなりぴったりの設計なのです。
SHIMANOのクランクは軸径24mmです。
ではSHIMANO以外の軸径30mmのクランクはというと、、、BB86規格ではなかなか使うのが難しいのです。
過去には30mm軸で41mm内径に対応するために、ごく薄いタイプのベアリングを2つ並べたりするタイプのBB86で30mm軸を使うためのBBがあったのですが、やはりうまくはいかなかったようです。
つまりフレーム側の規格が41mm(BB86)の場合は30mmのクランクを使うのはなかなか難しい、ということでした。
お話を戻ります。
これがT47で内径が47mmともなると、薄型の特殊ベアリングを使用することなく、無理なく30mm軸のクランクを使用できるということです。
これがT47のメリットでもある対応クランクの多さ、ということになります。
つまりT47は圧入のようにきしみ音(異音)に悩むことも少なく、メンテナンス性に優れ、更に対応クランクも多いというメリットがたくさんあるように思える規格です。
▶T47のデメリットとは
✓複雑さ
T47はどこかの公的な機関が設定した規格ではありません。
ですので同じくT47 と言っても複数種類あるのが難点なのです。
大きく分けると2種類です。
①ベアリングがフレーム外:エクスターナル(アウトボード)
②ベアリングがフレーム内:インターナル(インボード)
このあたりの呼び方も統一されていないため、各メーカー好きなように名付けているようです。
そしてこのインターナル、エクスターナルでも1種類ではないのです。
インターナルの中にも86.5mmと85.5mm(トレック等)があります。
また対応クランクによってもBBが代わります。
複雑です。
✓入手性とコスト
現在T47規格で取り扱いのあるメーカーはそこまで多くはありません。
・WISHBONE
・TOKEN
・TANGE
・Ceramic Speed
・CHRIS KING
・ROTOR
・Tripeak
・PRAXIS WORKS
・SUGINO
・TNI
等があります。
しかし通常のBBのようにお手頃価格帯のBBはというと、、、そこまで多くはありません。セラミックベアリング仕様のものしかないメーカーも多くありますので、コスト面でも少々お高くなる場合が多いです。
また昨今の情勢なのかもしれませんが、入手性があまり良くないものが多いように思えます。
✓工具
まだまたT47は多くのメーカーが出しているわけではありません
パークツールぐらいかと思いますが、これがまた良いお値段です。
これがT47系のBBに使用できる可能性が高いBBカップツールですが、これがまたお高いのです。
一個5千円ぐらいだった気がします。
ちなみにこれ以外の工具は、、、あるのでしょうか。というレベルです。
こうしてまたBB用の工具が増えていくのです。。。
▶まとめ
T47というBB規格ですが、最近は本当に多くのフレームメーカーで採用されることが増えてきた規格です。
それとともに、BB自体(や工具も)の種類が増えてきたり、入手性が良くなってくると更に良いのではないかと思います。
と、もうそろそろBB規格がだいたい落ちついてほしいと思うのも、お店側としては工具がどんどん増えて・・・
ということで今回はT47 ボトムブラケットの話でした。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
今回はT47に関してのお話です。
▶BB規格とは
そもそもBBの規格って?という基本的なお話から、例のごとくめちゃくちゃ簡単に説明してみようと思います。
BBといえば代表的な規格でねじ切りの2つがありました。
JIS(68mm)とITA(70mm)です。
この規格というのフレームごとに違うものです。
ですのでITAのフレームにJISのBBはつきませんし、逆もしかりです。
つまりフレームのBB規格によって使用できるBBが違うということです。
ある日フレームやクランクの設計の自由度を上げるため(?)に、フレームメーカーが独自の規格を作り始めました。
これがBBの大乱立時代を生むきっかけになるのですが、これは悪いことばかりではなくもちろん良いことでもあったのです。
一社が作り始めるともう世の流れは止まりません。
各メーカーが自社のフレームに最適なBB規格をどんどん作ることになりました。
そして増え続けた結果が少し前のお話です。
増え続けたBB規格の主流は圧入式でした。
要はフレームに押し込むタイプのBBです。
しかしこれには問題があり、フレームの精度の問題、整備での問題もあったり、何度も何度もつけ外しがし易い規格ではありませんでした。
それでももちろんデメリットだけではなく、メリットもたくさんあったため現在まで圧入タイプのBBが主流となっています。
それでもやはりスレッド式(ねじ切り)の根強い人気でトラブルが少ない、という意見もあり最近になって登場したのがT47という規格です。
▶T47
今回のメインのT47の説明です。
T47はThreadFit(スレッドフィット)のT、47mm内径の47で、T47です。
PF30規格のBB内径が46mm(内径46mm×幅68mm)ですので、46mmにネジを切った規格ということです。
圧入の規格にスレッドをつけてしまえ!(かどうかはわかりませんが、)かもしれない規格です。
では従来のスレッド式のBBとの大きな違いは前述の内径です。
以前のスレッド式JISやITAとは内径が全然違うのです。
この内径を大きく取るということがポイントなのです。
内径が大きければベアリングのフレーム内部に配置することもできます。
フレーム内部にベアリングを位置できるということはフレームのBB幅を広く取ることもできます。つまりフレーム設計の自由度が上がる、ということです。
またクランクのアクスル軸の太さに対しての互換性も広くなり、対応クランクが増えます。
少しお話が戻りますが、圧入式の規格でBB86という規格があります。
業界最大手のSHIMANOの圧入式BBはBB86という規格です。
フレーム側のBBの寸法設計はと言うと、内径41mm×幅86.5mmです。
内径41mmにベアリングを入れて、アクスルを通すとなると、、、かなりぴったりの設計なのです。
SHIMANOのクランクは軸径24mmです。
ではSHIMANO以外の軸径30mmのクランクはというと、、、BB86規格ではなかなか使うのが難しいのです。
過去には30mm軸で41mm内径に対応するために、ごく薄いタイプのベアリングを2つ並べたりするタイプのBB86で30mm軸を使うためのBBがあったのですが、やはりうまくはいかなかったようです。
つまりフレーム側の規格が41mm(BB86)の場合は30mmのクランクを使うのはなかなか難しい、ということでした。
お話を戻ります。
これがT47で内径が47mmともなると、薄型の特殊ベアリングを使用することなく、無理なく30mm軸のクランクを使用できるということです。
これがT47のメリットでもある対応クランクの多さ、ということになります。
つまりT47は圧入のようにきしみ音(異音)に悩むことも少なく、メンテナンス性に優れ、更に対応クランクも多いというメリットがたくさんあるように思える規格です。
▶T47のデメリットとは
✓複雑さ
T47はどこかの公的な機関が設定した規格ではありません。
ですので同じくT47 と言っても複数種類あるのが難点なのです。
大きく分けると2種類です。
①ベアリングがフレーム外:エクスターナル(アウトボード)
②ベアリングがフレーム内:インターナル(インボード)
このあたりの呼び方も統一されていないため、各メーカー好きなように名付けているようです。
そしてこのインターナル、エクスターナルでも1種類ではないのです。
インターナルの中にも86.5mmと85.5mm(トレック等)があります。
また対応クランクによってもBBが代わります。
複雑です。
✓入手性とコスト
現在T47規格で取り扱いのあるメーカーはそこまで多くはありません。
・WISHBONE
・TOKEN
・TANGE
・Ceramic Speed
・CHRIS KING
・ROTOR
・Tripeak
・PRAXIS WORKS
・SUGINO
・TNI
等があります。
しかし通常のBBのようにお手頃価格帯のBBはというと、、、そこまで多くはありません。セラミックベアリング仕様のものしかないメーカーも多くありますので、コスト面でも少々お高くなる場合が多いです。
また昨今の情勢なのかもしれませんが、入手性があまり良くないものが多いように思えます。
✓工具
まだまたT47は多くのメーカーが出しているわけではありません
パークツールぐらいかと思いますが、これがまた良いお値段です。
これがT47系のBBに使用できる可能性が高いBBカップツールですが、これがまたお高いのです。
一個5千円ぐらいだった気がします。
ちなみにこれ以外の工具は、、、あるのでしょうか。というレベルです。
こうしてまたBB用の工具が増えていくのです。。。
▶まとめ
T47というBB規格ですが、最近は本当に多くのフレームメーカーで採用されることが増えてきた規格です。
それとともに、BB自体(や工具も)の種類が増えてきたり、入手性が良くなってくると更に良いのではないかと思います。
と、もうそろそろBB規格がだいたい落ちついてほしいと思うのも、お店側としては工具がどんどん増えて・・・
ということで今回はT47 ボトムブラケットの話でした。
+++++++++++++++++++++++++++
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〒262-0019
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作業は18:00以降も行います。
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