先日より実践導入をしている新タイヤ IRC FORMULA PRO TLR S-LIGHTは230㎞ぐらいは走りました。一方のAGILEST FAST TLRは一か月以上前からかなりしっかりと使用してきました。
(一か月以上AGILEST FASTを使用してきて、それから新型S‐Lightに交換、その後またFASTに交換、さらにもう一度S-Lightへと組み換えをしました。)

双方28ⅽ、空気圧は双方ともに4.5~4.6BARを中心に設定しました。
重量は以下の通りです・
S-Light:255g(実測 258g、257g)
FAST:275g(実測 274g、271g)
20gの差があります。
※双方MAKUHAL運用

体重は61~62㎏ぐらいです。
基本的にサイクリング、というよりは強度は高く速く走るための練習に使用しています。

これらを踏まえてのお話、IRC 新FORMULA PRO TLR S-LIGHT と Panaracer AGILEST FAST TLRインプレです。。

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✓一発目の感想
まずS-Lightは上りでしっかりとした軽さを感じました。
約20gの差がどうなのかは不明ですが、S-Lightは上りで軽さ、反応性、進む感じ等抜群に良いと感じました。これが重量的な影響か、転がり抵抗なのか剛性なのかは不明ですが、S-Lightの上りは非常に気持ちがよいです。
これは勾配がきつい上りでも、勾配が緩い上りでもどちらもです。

これが平地ともなると不思議と漕ぎだし、加速中にはそこまで大きな差は感じませんでした。
しかしタイヤの性質というかキャラクターの違いは一発目から非常によくわかります。

どちらもTLRでチューブレスっぽいタイヤであることには変わりありませんが、FASTの方が若干クリンチャーに違く、S-Lightの方がザ・チューブレスという印象を持ったのもIRCのタイヤを長年使っていた影響もあるのかもしれません。

各状況下においての感想を詳しく書いていきます。


✓転がり抵抗
AGILEST FAST:★★★★★
S‐Light:★★★★

FASTを初めて使用したとき、最初の一回や二回ではなく2週間程度の「うわっ、やっぱり軽い!」という感覚がありました。(FASTの前はCORSA N.EXT)FASTは間違いなく転がり抵抗は低く速い、と感じていました。

S-Lightはどうかというと、重い・転がらないという感覚は感じなかったのですが、初めてFASTに交換したときの強烈な速さ、転がり感を感じることはありませんでした。
やはりFASTの転がり抵抗はすごいのか?と思いました。

その後再びFASTに交換してみて感じましたが、中速域ぐらいまではそこまで大きな差を感じることはありませんが高速域での維持、高速域から伸び、これがFASTの方が大きな差ではありませんが、よいと感じました。高速域でのペダルの軽さ、という部分でFASTの優位性を感じました。

そしてS‐Lightに再び戻してみると、S-Lightがどんどん良くなってきます。
イメージ的にFASTは新品の状態が最高に軽く、徐々に落ちてくるようなイメージですが、S-Lightは少し乗っていくことで(なじんでくると?)少しずつに転がりがよくなってくるようなイメージです。

双方大きな差ではありませんが、やはりFASTの滑るように転がる感じは軽く感じています。
ではS‐LightはFASTで最初に味わったような強烈な軽さを感じることはありませんでしたが、比べてみると転がり抵抗的にはFASTの方が若干上かもしれない、というのが今のところの正直な感想です。


✓乗り心地
AGILEST FAST:★★★
S‐Light:★★★★★
これは個人的にものすごく驚いたところですが、従来までのイメージ的には無印AGILESTと旧S-Lightの比較では無印AGILESTの方が乗り心地が良いですが腰が弱く、S-Lightは腰がしっかりとしていますが逆に乗り心地はあまりよくはない印象でした。(無印AGILEST TLRの際は空気圧を0.5BARぐらい高めに使用していました。)
とは言っても比較は25ⅽ時代(2年前の富士ヒルぐらい)なので、リム幅の影響等あまり新鮮な情報ではないかもしれません。

では今回のS-LightとFASTではどうかというと、S-Lightの方が明らかに乗り心地が良いです。
同じ空気圧(4.5BAR)でもこんなにまでも違うのか、というぐらいの明確な差があります。

FASTでは路面のギャップや荒れている部分が気になりますが、S-Lightでは車体が暴れることなくきれいにいなしてくれるのでそのまま突っ込めます。
S-Lightは乗り心地が柔らかいのですが、腰がかなりしっかりとしていて腰砕け感がある柔らかさではありません。
ワタクシ自身過去に使用していた旧モデルのS-Lightは25ⅽで、現在は28ⅽとの差もあるかもしれませんが、S‐Lightの乗り心地はとにかくよく、これはすごい進化だと感じました。

FAST→S-Lightに変えた時には乗り心地がよくて良いと感じていたのですが、再びS-LightからFASTに変えた時には硬さが非常に目立ってしまっていた印象でした。

乗り心地の良さは体への影響だけではないというのは次のお話です。

✓グリップ力
AGILEST FAST:★★★★
S‐Light:★★★★★
・コーナーリング

FASTは無印AGILESTよりもグリップ感がわかりやすく、コーナーリングも安定していますのでまるでうまくなったように走れます。そのFASTの感覚にすっかり慣れていたのですが、S-Lightに変えたところコーナーリングの安定感がさらに強く感じました。
倒しこんでいってもまるで直線を走っているような安定感があり、全く滑る気がしません。
乗り心地の良さと重なる部分ですが、タイヤがよく動いてくれるので例えばコーナーリング中のギャップや荒れがあっても車体が暴れずらく、コントロールがしやすいです。

しかし難点もあります。
グリップがよすぎる影響かコーナーリングの減速感が若干強く感じます。
FASTはS-Lightと比べると若干ふら付く感じがありますが、逆に減速感が少なく抜けられるイメージです。
ですので双方のタイヤ、タイヤの個性に合わせてコーナーリングの仕方を少し変えてみるとよりスムーズに早く抜けられるのではないかと思います。

また雨ではまだS‐Lightを使用していませんが、先代の性能からして雨にも強いのはS-Lightかと思っております。

・ブレーキング
どちらを選んだとしても双方、まさに油圧ディスクの急制動にも十分に応えられる性能をもっていますし、雨でも滑りやすいとは感じないとも思います。
しかしきれいな道では大きな差は感じづらいとは思いますが、荒れた道等では跳ねにくい、弾みにくい分車体の動きが抑えされるということでS-Lightが有利になると思います。S-Lightの明確でわかりやすいグリップ感はものすごく好きです。


✓耐久性
AGILEST FAST:★★★★★
S‐Light:★★★
S-Lightの230㎞ぐらい走行したリアタイヤです。
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センターのスジの残り具合(減り具合)から見てもFASTの方が持ちがよいように思えます。
とは言っても旧作S‐Lightよりかは摩耗がだいぶ抑えられているように見えます。
まだまだ継続して使用していき、今後どこまで持つかということです。

✓空気圧による影響
空気圧の違いはタイヤによってもかなり印象を変えることになります。
FASTの方が空気圧を落とした際に柔らかくなります。空気圧を落とすことで、乗り心地は柔らかくはなりますが、逆に高速域での軽く転がる感じは落ちてきます。

逆にS‐Lightは空気圧を4.5BARから4.0BARぐらいまで落としてもそこまで大きな変化はありませんでした。S-Lightを使用する場合は、下手に空気圧を落としすぎるよりかは4.5BARぐらいまでにしておいても乗り心地は変わりませんので、必要以上に落とす必要はないと感じました。


✓まとめ
FASTの方が重量は重いですが(標準的なTLRタイヤの重量)、その重さが気にならないぐらい走りは軽いのは転がり抵抗の低さからかと思います。しかし逆にコーナーリングなどでもグリップ感を強烈に感じるというよりかは、軽く感じてしまいます。
そしてよく転がるは転がるのですが、乗り心地は若干硬いというのもS-Lightと比べての話です。

S-Lightはその軽さを生かした上りは抜群によく、振動や衝撃も丸くしてくれることで、体への影響も少なく速く走れます。高速域の伸びもじわじわとよくなってくる印象ですが、交換直後には転がり抵抗の低さに感動するほどでもない、というのが正直なところです。
それでもブレーキングにしろ、抜群の安定感のコーナーリングも過去最強レベルのタイヤです。

転がり抵抗が低く軽い走り心地のFASTはきれいな路面で超速いですし、抜群の乗り心地とコーナーリング性能のS-Lightは荒れた路面やコーナーリングが多ければ多いほど有利になる、このようなイメージです。

これは完全に好みのお話だと思いますが、どちらを選んでも最新のタイヤは本当にすごいと感じています。
ということで今回はIRC 新FORMULA PRO TLR S-LIGHT と Panaracer AGILEST FAST TLR、そんなお話でした。

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