現在では予想以上の早さでロードバイクのディスクブレーキ化が進んでいます。
むしろ現在販売されているロードバイク、もしくはフレームでもリムブレーキモデルを探すが難しいぐらいになってきました。
その流れとしてコンポーネントのラインナップ、そしてホイールも当然同じように変わってきます。

しかし現状では、リムブレーキモデルをご使用の方もまだまだ少なくはありません。
では実際に今後、リムブレーキモデルを運用していく上での問題点はどんなことがあるのか、そんなお話をしてみようと思います。
ということで今回は現在とこれからのリムブレーキ ロードバイク運用の問題点です。

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▶ホイールの問題
リムブレーキ用ホイールのリムはブレーキで摩耗してきますので原則消耗品です。(それ以外にもベアリング等消耗品がないわけではありませんが。)
特に雨の中走る場合や、山の下りでも多く走る場合はさらに摩耗に拍車がかかります。
アルミのリムでもカーボンリムでもどちらでも同じことです。

ですのでリムがすり減って摩耗してきたらリムを交換する必要があります。
しかしそこには問題があり、交換用のリムの販売があること。これが最低限必要なことです。
例えば古いモデルで交換用のリムの販売が終売してしまった場合、リムの摩耗がホイールの寿命ということになってしまいます。

では新品のリムブレーキ用ホイールを新調しようとした時の問題としてあげられるのがリム幅です。
昨今のリムブレーキ用のホイールを現在も製品の販売があるものとして、MAVICのCOSMIC SL40やHYPERで有名なLUNや、DRIVEのELITEWHEELS等があります。
ということで新品のリムブレーキ用のホイールは入手自体はできなくはありません。
しかしそこには大きな問題があります。
リムの外幅です。
現在のディスクブレーキはかなりワイドなタイヤを履けるようにクリアランスがかなり広めにとられているものが多いですが、以前のリムブレーキ用のフレームはタイヤ(ホイール)のクリアランスがそこまで広くとられていないフレームが意外と少なくありません。

リムブレーキ全盛期のホイールの外幅というと、DURA-ACEの9000で24.5mm(C35:20.8mm)でした。(ちなみに内幅は15ⅽというサイズが一般的でした。)
最終的に外幅は27mmぐらいまでは広がりましたが、最後の方です。

では現在入手可能なホイールを例に見てみると、リム幅がかなり広くなってきています。ちなみにHYPERのリムブレーキ用モデルは27.6mm、DRIVEはリム外幅は28mmです。MAVICのSL40は26mmですので前述のホイール2種に比べてフレームで入る可能性が高いかと思われます。

タイヤは細めの25ⅽ等をチョイスすればリムよりは細くできますが、リム幅は縮めることはできません。チェーンステー部で干渉してしまうことがあります。
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ちなみにHYPERの27.6mmでフレームとのクリアランスがほとんどとれずに、使用できないフレームもありました。
つまりリムブレーキ用のフレームですが、設計によっては現在のワイドリムのモデルのホイールを使えない可能性がある、ということです。

また全体としてのラインナップは縮小傾向にありますし、新モデルとは言わずとも、いつまで販売されるかはこればかりはメーカー次第です。


▶ブレーキクリアランス
フレームだけではなく、ブレーキキャリパーのクリアランスを気にされる方も多いかと思いますが現行型のシマノ製リムブレーキの多くは28mmまで対応しています。(※一部のモデルで26mmもあります。)
しかしです。
実際に組んでみると、ノーマルのブレーキパッドだと入らなかったり、レバー側の遊びが十分に取れない場合もあります。
ですので昨今のワイドリムのホイールを使用する場合は、ブレーキシューは薄型モデルを使用するのは必須という場合が多いです。
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とくにリアのBB後方のダイレクトマウントの場合はクリアランスが狭いと感じています。
ちなみにリアのBB部のダイレクトマウントブレーキですが、現在シマノのラインナップはは1種類のみとなってしまったようです。


▶タイヤの設計等
現状のタイヤは新ETRTO(リム内幅19mm)に準じて作られているものが多くなっています。(旧ETRTO規格:内幅15mm)
ホイールの話とも重なることですが、15ⅽ時代のホイールに新ETRTO基準のタイヤに使うことで、実際のタイヤサイズよりも小さくなります。これによりタイヤが取れて飛んで行ってしまう、ということではありませんで、本来の性能を発揮できない可能性も十分にあります。

またタイヤの太さによるフレームとのマッチングもあります。
現在23ⅽの太さのタイヤはほとんど見ることがなくなりました。
最低でも25ⅽ、メーカーの開発標準はというと28ⅽがメインになっているような気がしております。


▶コンポーネントの問題
コンポーネントもリムブレーキのモデルの生産が急に打ち切られるということは、しばらくの間はないと思います。
しかし新製品のラインナップ、という点ではやはり厳しくなってきているのが現状です。12速の105モデルではリムブレーキモデルのラインナップが現状ではありません。
今後開発がされるかというと、、、期待はしないほうが良いというのが正直なところです。

そして12速からは特になのですが、フレーム設計の話です。
ディスクブレーキ用フレームとリムブレーキ用のフレームの決定的な違いはリアのエンド幅(O.L.D)です。
リアエンド幅がリムブレーキは130mmですが、ディスクは142mmとリアエンド幅がかなり違います。

11速は最終モデル(R9100)までの時代はどちらかというと、O.L.D130mmの設計をベースとして、12速R9200からはO.L.D142mmをメインとして設計されている、というお話です。
12速は11速用(旧許容寸法)で設計されているフレームの場合、12速でも動かせないということはありません。
しかしリム用のフレームの場合、12速は調整がかなりギリギリになったり、調整を追い込んでも追い込み切れないような場合も0はありません。シマノも互換性的にはOKで出してはいるのですが、すべての旧型設計のフレームで全くトラブルが起きる可能性がないわけではないということです。

もちろん今後の開発基準はO.L.D142mmにて開発が進んでいくことはほぼ間違いないことです。

▶まとめ
もちろん今回ご紹介をさせていただいたことがすべて、ということではありませんが、現状としてリムブレーキを取り巻く環境は安泰、というわけではなくなってきております。
シマノのコンポーネントの現状、各社のホイール等のラインナップ等を見ても、予想以上に早く入れ替えが(半ば強制的な感じも否めませんが)進んでいくように思えます。

ともあれリムブレーキのロードバイクが悪いなんてことはありませんし、ワタクシ自身リムブレーキ反対派でもありません。もちろんリムブレーキのバイクがダメと言っているわけでもありません。しかし今回ご紹介したのがすべてではありませんが、今後リムブレーキの運用をしていくにあたっては、このような問題点に当たる可能性があるということは理解をしておくことが大切です。

ということで今回は現在とこれからのリムブレーキ ロードバイク運用の問題点、そんなお話でした。


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