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各ホイールの実測重量、そして待望のHELIX 57Dを更に加え、
4種の比較インプレ大幅に更新いたしました。
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現在ELITEWHEELS社から4種類のホイールを試乗用としてお借りしております。
販売にあたりワタクシ自身もしっかりと性能を体感するために実際に、かなり一生懸命な強度で試乗をさせていただきました。
今回お借りした4種類のホイールの特徴は?どんな差があるのか?どんな乗り方にはどのホイールがおすすめできるか、そんなことをしっかりと考えてみました。
ということで今回はELITEWHEELS DRIVEシリーズ 40D 50D HELIX 46D 57D 比較インプレッション、そんなお話です。
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▶試乗環境

フレーム:WINSPACE SLC3
硬いといえば硬いのかもしれませんが、剛性バランスに非常に優れたフレームです。
タイヤ:Panaracer AGILEST FAST 28c (クリンチャー)
チューブ:TPUチューブ (29g)
空気圧:前後5.2~5.5BAR
※ホイールの入れ替えに伴い頻繁にタイヤの付け替えがあるため、今回はクリンチャー運用に致しました。
 
テストコース:距離約40km
主に平地基調、数十秒で終わる短い上りが何本かあるコースです。
強度:NP4.5倍以上
短時間高強度!時間は長くはありませんが、強度はかなり頑張って高い強度でしっかりと乗ったインプレとなります。

※実測重量はすべてリムテープ込みの重量となり、メーカーの公称値は公式サイトより抜粋、リムテープは除く重量となっております。

▶DRIVE 40D
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メーカー公称値:1260±30g(リムテープなし)
実測重量:1306g(リムテープ込み)
フロント:581g
リア:725g

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今回試乗した3本のホイールの中でももっとも硬くパリッと、シャキッした乗り心地です。
DRIVEに関しては柔らかいという話を結構見るのですが、少なくともワタクシが乗ったホイール個体に関しては柔らかい、という感じは一切ありませんでした。途中で仕様変更でもあったのかと不安に思うほど、柔らかいと感じることはありません。

リム高40mmということもあってか50mmと比較しても横風の影響も受けづらいです。40mm意外はほぼ50mmばかりを使用していたということもあるかもしれませんが、40mmでの反応はというと極めて俊敏でどんな速度域からでも素早く速度の上げ下げができます。40mmということでやはり横風の影響を受けづらいので、風の強い日でも万能で比較的乗りやすいように感じます。軽量高剛性なSLC3との相性もよく、リムブレーキのバイクのような軽快さになります。

しかし反応の良さのための硬さの影響なのか、体への振動や衝撃はやはり若干大きめに感じます。この硬さは剛性の高さから来ているのかもしれません。TPUではなく28cのチューブレス等を使いもう少し空気圧を下げると良いかもしれません。しかし空気圧を下げることで、この俊敏な反応はある程度落ちることも考えられますので、ちょうどよいセッティング等を見つけるのも楽しいと思います。

また空力的なお話で、空力は見ることが難しいのですが、実際に40Dのみを使用している時は不満は一切ありません。しかしその後すぐに50Dに変えて同じように高い速度での巡航をしてみるとやはり50Dのほうが高速巡航は得意だというのがわかります。その後再び40Dに変えてもやはり劣性を感じることはないのですが、やはり50Dに変えると優位性に気が付きます。
ですのでデメリットよりもメリットのほうが体感しやすいのかもしれません。

それともう一つ、軽量リムや高剛性ホイールの最大のデメリットでもある、踏み遅れ現象があります。
ホイール自体が硬く”ため”が少ないので、きれいに踏まないと進みづらく感じるかもしれません。これは完全に慣れ的なお話もあるかと思いますので、もしも40Dにして軽く軽快さを感じるけれども、良いタイムが出ない場合、もしくはパワーが出づらく感じる場合、少しペダリングを考えてみると良い方向に変わるかもしれません。


▶DRIVE 50D
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メーカー公称値:1300±30g(リムテープなし)
実測重量:1353g(リムテープ込み)
フロント:605g
リア:748g

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これはワタクシ自身でも意外だったのですが、50Dは40Dよりも柔らかいです。
柔らかいというのも乗り心地は40Dよりも優しく、踏んだときの反応も40Dのスパっと切れるような俊敏な反応に比べて若干の鈍さが出ます。
しかしやはりそのリムハイトの高さからか、高速での巡航はし易いです。というのも空力的に良いという部分もあると思いますし、高速域特有の路面からの嫌な衝撃や振動の減衰性能の高さを感じることができました。

もちろん横風の影響は40Dに比べて大きいのです。しかしワタクシの個人的な主観ではありますが、50Dが意外にも一番乗りやすいと感じました。というのも硬すぎない剛性感、俊敏すぎない反応、まさにオールラウンドに使える万能ホイールです。

では50Dはどういうホイール?ということを考えれば、まさに40Dというクライミング用のホイールがあっての、オールラウンド系の50Dというラインナップの立ち位置がよく分かるような性能の差だと感じました。
これは単品で40Dだけを乗っていてもわかりませんし、50Dだけを乗っていてもわかりずらいのではないかと思いました。

デメリットはというと、強いて言うならばやはり地味なのです。
デザインがというお話ではなく、特段尖った部分があるわけではないということです。軽さは40Dのほうが軽いですし、瞬間的な反応も40Dです。しかしです。逆に言うならば軽すぎない、硬すぎない、反応良すぎない、タメ感があり平均点が高い感じです。

良い意味で双方のホイールの棲み分けがうまくできているように感じることができます。
個人的にはこのコースでは一番好きなホイールでした。


▶HELIX 46D
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メーカー公称値:1335±30g(リムテープなし)
実測重量:1352g(リムテープ込み)
フロント:587g
リア:765g

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大本命のHELIXで、ワタクシ自身もものすごく実際に使ってみるのを楽しみにしていたホイールです。というのもHELIXのインプレってほとんど見ない気がします。

HELIXは一言で言うならば速さは間違いないホイール、しかし癖のあるホイールだと感じました。

今回お借りした40D、50D、HELIX 46Dの3種類の中での比較で、ロードレースを走ってもっともタイムが速いのは46Dだと思いました。確かに46Dは速いです。
リムハイトの最も高い部分は46mmと50Dよりも低いリムハイトながら、高速の伸びもよく高速巡航も速いです。また横風への耐性も40D以上に強く、横風の影響も受けづらいです。
乗り心地的にも最も体に優しい乗り心地ですが、強くパワーを掛けても弱い感じはとくになく、しっかりと反応してくれます。
大きな差ではありませんが40Dよりも横風に強く、50D同様に高速も伸びる印象で上りも下りも、強風でも使える万能ホイールだと感じました。

しかし横剛性は通常のDRIVE 40Dや50Dよりも低いです。ワタクシはスプリントはしませんのでわかりませんが、思いっきりもがいたらやはり剛性不足感を感じるかもしれません。
これがスポークの張り方なのか、スポーク自体の特性なのか、何かの原因は不明です。スポーク自体が5.2mm(HELIX)と3.2mm(DRIVE)と違いますが、スポークテンションも通常のDRIVEのほうが張ってあるように感じました。個人的には40Dぐらい強めに張ってある方が好きです。というのも乗り心地はある程度硬くてもタイヤの空気圧等で調整ができます。しかし逆に張りが弱い場合、クリンチャーならまだしも、チューブレスを使用することで更にスポークテンションは落ちます。(カーボンスポークのホイールで5BAR入れたときにはCLで%、TLRで%落ちます。というのはまたの機会で)もっとパンパンに張ってみてどう変わるのか、試乗用ホイールではちょっとあれなので(笑)、自分で購入してみた場合はやってみたいと思いました。

そんな万能、優等生的なHELIXには弱点が2つあります。
①重さ
ホイール外周部(リム周り)に重さを感じます。
実際にリム重量を測ったわけではありませんので、どのぐらいの差があるのかは不明です。リム重量だけではなくスポーク(テンションも含めて)やその他に原因があるのかもしれませんが、40Dと比べてれば明らかに、50Dと比べても若干の重さを感じました。
しかしこのぐらいのリムの重量差は実際にタイムを測ってもネガティブな面だけではなく、高速巡航の際には速度維持のしやすさにつながる場合もあります。
瞬間的な軽さを取るのか、それとも高速巡航時の慣性を取るのか、どういったコースをどのように走るのかで選択するのが良いと思います。

②ハンドリング
まったくもってなぜかは不明ですが、めちゃくちゃ癖があります。
本当になぜだかは不明なのですが、オーバーステアという言葉が適正かどうかは不明ですが、コーナーリング時に予想以上に内側へ切り込んで行く感じが強いです。コーナー手前で減速し普通に曲がっていくのですが、想像以上に切り込んでしまう、狙ったラインによりも内側に入ってしまうイメージです。
これがものすごく不思議な感覚で数あるホイールの中でも初めての感覚でした。
慣れれば問題ないとは思いますが、なれるまでは違和感が強く出てしまうかもしれないと思いました。


✓ヘリカル デュアル ラチェット システム
HELIXに採用されていているヘリカルデュアルラチェットシステムです。
複雑な名前ではありますが、構造自体はそこまで複雑ではありません。
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従来のスターラチェットは内と外の2枚の面ギアの歯が噛み合う仕組みです。
デュアル(二重)の名の通り、2枚のギアの中間にもう一枚の両面にギアが存在します。このギアの両側でラチェットギアがかかるようになっています。
これによりギアの遊びが殆どなくなっています。しかしワタクシ自身、36Tと52T比較して52Tのメリットをそこまで見出すことができてはおりませんので、この遊びの少なさの良さはいまいち感じることができませんでした。

またこのラチェットシステム(フリーボディ)にもデメリットがあります。
このフリーボディ、超重いのです。通常面ラチェットのフリーボディ+ギアの1.5倍ぐらいあります。
複雑な構造ならではのことかと思いますが、個人的には普通の面ラチェットでも十分な気が。。。(´=ω=。)ホボソッ...と
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▶HELIX 57D
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メーカー公称値:1420±30g(リムテープなし)
実測重量:1449g(リムテープ込み)
フロント:630g
リア:819g

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46Dで少し癖が気になっていたので、更にリムの深い57Dということで少々身構えてしまいます。しかし実際に乗ってみると、全然問題なくむしろいつもの平坦基調、信号のあるのコースでも46Dを抑え今回の4本の中で最も速いホイールでした。

①重量に関して
46Dとの重量差ですがフロントで43g、リアは54gです。ハブは同様のハブ、そしてスポーク長も大きく変わらないことからこの重量差はほぼリムに乗っかってきていると考えられます。
(現状の波型リムは通常形状のリムよりも重い傾向にあるようです。)
ホイールの前後重量で約1450gともなると、最近の軽量ホイールの中ではやはり印象的に重いと感じざるを得ませんでした。
しかし実際に乗ってみるとそこまでの重さを感じることはありませんでした。というのもおそらく特に重いのは前述のように、ヘリカル デュアル ラチェット システムのフリーボディです。重量物が回転の中心部にきていることもあり、実際の重量よりも軽快さを感じることができているのだとも思われます。

それでも純粋な軽快感と言う点で言うならば、通常のDRIVE 40Dや50D、はたまた他社製品でもノーマル形状のカーボンで超軽量リムのホイールと比べるとやはり重さを感じる場面がありました。たとえばですが漕ぎ出し・0スタートの際は同じギアでもふと腰を上げてダンシングをしたくなったり、もう一枚ギアを下げたくなる気持ちにはなりました。
とは言っても、普段使用しているホイールが軽すぎる影響があるのかもしれません。

②剛性感に関して
この57Dの横剛性はかなり高いです。
少なくとも46Dよりも高く、しっかりとした剛性を持っています。46Dのときに感じた横の良さは感じることがありませんでした。
それなのに乗り心地は明らかに良いのが面白いところです。(超薄スポークの影響??)

57Dは実際に柔らかいのか、硬いのかと言われれば難しいところですが、硬いです。
しかしその硬さは、40Dのようなシャキシャキとしたリニアに反応してくれるような硬さではなく、どちらかというと粘りがある硬さです。
バネ感のある硬さ、瞬間的にはタメ感があるのですが、その後ちゃくちゃ硬く反発が強く弱さを感じることは一切ありませんでした。

かなりパワーを掛けてみてよく感じたのは、しっかりと進む代わりに反発が足にも返ってくるイメージです。嫌なほど反発がある感じではありませんが、しっかりと足は削られていきそうです。

③ハンドリング・風耐性
46Dで感じたコーナーリング時に変に切り込んでしまう違和感は57Dではほぼありませんでした。そのかなり高いリムハイトから57Dは尻込みをしていた部分がありますが思いの外、素直に動いてくれていい意味で全然普通でした。
しかし強いて言うならば、真っすぐ走っているときに前に前に進むような印象が非常に強い印象でした。風が吹いても車体が起きようとする方向に引っ張られる様な独特なイメーでした。

横風時はやはり通常形状のリムよりもハンドルを取られづらいです。
横風は通常のリム形状の場合は瞬間的にぐっと押されハンドルがふらつくように感じるような場面でも、57Dはゆっくり押されるぐらいの感覚で、横風には通常形状のリムよりも強さを感じました。

✓HELIX 57Dは・・・
HLIEX 57Dは少々迫力のあるリムハイトからくる外見からちょっとリムハイトが高すぎなイメージがありますが、実際に乗ってみると癖が強すぎることもなくオールラウンドに使える、剛性感もしっかりとしたホイールだと感じました。
正直なところパワーがある人がレースで使えば超速いと思います。
乗り心地もかなり上質かつ、その踏み心地はある程度のタメ感もありますが、ホイールからの反発もありますので、乗り方になれるまでは違和感があるかもしれません。

イメージ的には一般的な高剛性で反応が良いシャキシャキ系のホイール(DRIVE 40D)は2~3時の抜けが早く、下死点の通過まで一気に行く感じです。回転の軽さを感じやすいです。
逆にHELIXはというとシャキシャキではなくしなやかで、3時以降で溜まったパワーがグッと開放されるイメージです。

これらの違いはどちらが絶対、ということではなく好みやその他のパーツ類との相性の問題かと思います。

▶まとめ
今回お借りしていたホイールは57D以外は新品の状態ではないホイールだと思いますので、新品の状態のホイールではまた少し違いがでる可能性はゼロではありません。また剛性感、硬さの感じ方もレビュワーによって結構差があることから、初期とはスポークテンション等何らかの変更がある可能性もゼロではないのかも思います。

今回お借りしたの4種類(40D 50D HELIX46D 57D)の場合、短距離の試乗、狭い試乗コースの試乗の場合、40Dが一番速い良い印象を持たれる方が多いと思います。
というのも40Dはバンと踏んだ一発目の軽さが際立っていますし、減速から強く踏み込んだときの再加速感も最も強く感じます。
逆に50Dや57Dなどは得意とする状況が高速域ということもありますのでコースによっては良さを実感しにくいと思います。個人的にはものすごく好きです。
そしてHELIX 57Dはというと、これまたDRIVEシリーズとはうまいこと棲み分けがしっかりとある印象でした。乗り心地が良い割に十分な剛性感もあり、風の影響も受けづらいのでまさに長距離を走るのにはもってこいの性能です。

このように実際に使用する状況によって、印象がガラリと変わる場合もあります。
ではどのように選択をするのかというと、、、こればかりは実際に乗ってお試しいただくことこそ最高の経験だと思います。

ということで前回のお知らせに繋がります。


ロードバイクのパーツ、フレームもそうですがお値段の割に、購入前にガッツリと試せる機会って意外と少ないとワタクシ自身も感じています。
今回ELITEWHEELS社のご厚意により、お客様に実際にしっかりとお試しいただける貴重な機会を頂くことができました。
実際にご自身にて、比較したり使ってみないとわからないことだらけだと思います。
ぜひこの機会に、DRIVEシリーズ、HELIXお試し頂けばと思います。
※記事更新時現在、試乗期間は終了となりました。

なのですが実は57Dのみもう一週間、延長していただけることになりました。
ご希望の場合はお気軽にご相談ください。


ということで今回はELITEWHEELS DRIVEシリーズ 40D 50D HELIX 46D 57D 比較インプレッションでした。

公式ページです。


40Dの詳細なインプレは以下のページからどうぞ。


最後にワタクシが個人的に4種の中で1セットを購入するとしたら、ということですが57Dだと思います。40Dを所有しているということもありますが、速いと感じたホイールでした。
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