油圧のコントロールレバーには2つの調整機能があります。
握り幅(リーチアジャスト)とフリーストローク調整です。
引き代調整等と言ったりすることもあるようですが、おそらくフリーストロークのことだと思うのですが、公式のマニュアル通りの言葉での説明とさせていただきます。

※フリーストローク調整は機能がないモデルもあります。
ULTEGRA以上で105はDi2で可、105の機械式は調整不可。

まずは意外とこの2つの調整方法、ごちゃごちゃしがちなので双方の違いからです。
①握り幅(リーチアジャスト)
リーチアジャストというのはレバーのスタート位置(初期位置)の調整です。
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※実際の調整幅ではありません。
簡単に書くと手を離した状態で、レバーがどこの位置にあるのかの調整ができる機能です。

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調整ボルトの位置は現行品でレバーの裏側にあります。
現行型の場合、リーチアジャストのボルトはカバーをめくらなくてもアクセスできる位置にあり、調整がしやすい位置にあります。
そこまで硬くはありませんのでボールポイント六角でも調整ができました。

②フリーストローク
では一方のフリーストロークとはなんぞや?ということです。
フリーストロークはいわば遊び、ブレーキレバーの遊び(可動域)を調整する機能です。
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※実際の調整幅ではありません。
簡単に書くならば、握り始めてから効き始める位置までの幅を調整する機能です。
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ブラケットカバーをめくらないと調整できない位置にあります。
またこの調整ボルトは六角のボールポイントでは回りませんし、とても舐めやすいです。ボールではない通常の六角で回す必要があります。

現行型ではフリーストローク調整のほうが調整しづらい位置に調整ボルトがあります。(ブラケットカバーをめくってアクセス)

イメージ的なお話ですが、リムブレーキのブレーキ本体についているクイックレリーズレバー(ホイールを外すときのあれです。)あのクイックレバーのような調整がフリーストロークの調整です。開放している時はいっぱい握らないとブレーキが効きません。
※リムブレーキキャリパーのブレーキ本体のクイックレリーズレバーを開放しても、レバーの初期位置は変わりません。

✓調整
では実際の調整です。
手が小さかったりして、下ハンのときにブレーキレバーに届きにくい場合、はどうするかというと、、、この場合はまずリーチアジャストです。(フリーストロークでも)
なぜならば、物理的に届かないのでまずはブレーキレバーを近づけてあげる必要があるからです。
そもそもブレーキレバーに手が届かなければ遊びを調整しても意味がありません。

そしてエア抜きをがっつりしたり、極端にローターやパットが減っているわけではない、ピストンが正しく動いているけれども、どうしても遊びが多い(少ない)、もっとブレーキレバーの遊び(握ってから効き始めるまでの距離)を減らしたい、増やしたい場合の調整がフリーストローク調整です。
※遊びを減らしすぎるととても危険なブレーキになりますので要注意です。

モデルによってはフリーストローク調整機能がないモデルもあります。
その場合にどうしても遊びを減らしたい(フリーストロークを減らしたい)場合は、、、方法がないわけではありません。完全に非公式の方法なので大きな声ではあれですが、ホイールを外して、ちょっとニギ。。。(´=ω=。)ホボソッ...
しかしこの方法はパッドのクリアランスを減らしてしまうことになるので、ディスクローターが擦りやすくなってしまうという欠点があります。
その前に消耗品の残量をきちんと確認したりすることは必須です。


✓注意点
どちらのネジも緩めすぎたり、締めすぎると外れたり壊れることがあります。
回転が固くなってきり、回しても変わらない場合は無理に回さず、優しくゆっくりと調整をするのが良いです。

また前述のように、これらの調整をするのは確実に整備ができていることを前提とした調整です。
油圧のエア抜き、ディスクローターやパッドの残量、ピストンの動きの確認等の整備ができている状態で行う必要があります。
例えばピストンが必要以上に出てしまっている状態で調整したりするのは間違ったことです。
正しい状態にしてから適正な範囲内での調整をします。

油圧ブレーキのご不明な点、調整等お気軽にご相談ください。
ということで今回は油圧コントロールレバーの調整 握り幅とフリーストローク調整、そんなお話でした。


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