今年も残すところあと1ヶ月を切っております。。。月日が流れるのは早いものです。
と年末年始の恒例といえば、、、オーバーホールです。
1年間寒い日も、暑い日も(特に今年も夏の暑さは異常でした。)ときには雨にうたれたり、、、少々疲れてきたロードバイクをリフレッシュするよい機会です。日頃きれいにできないところをきれいにするということは、思わぬトラブルの早期発見につながることもあります。またリフレッシュだけではありません。全体をバラすことで不具合や異常の早期発見に繋がる場合もあります。

年末年始のオーバーホールのご予約承っております。
例年年末年始、特に年明け1月はご予約を多くいただき込み合いますのでご予約はお早めにいただくことでご希望のお日にちでお取りできる場合が多いです。

ということで今回は年末年始のオーバーホールのお知らせを、先日お持ち込み頂いた車体を例にご紹介をさせていただきつつのお知らせとさせていただこうと思います。

今回お持ち込み頂いた車両はこちらです。
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※ちょっとバラし始めていました。。。
WINSPACEのT1550、超速いバイクです。
こちらは1年前に当店にて組み上げをさせて頂いた車体です。

今回はグレードアップも含めてのオーバーホールということで承りました。
こうしてグレードアップやメンテナンスで再びご利用いただけることは何よりも嬉しいことです。

ではまずはお持ち込み頂いた状態から確認をさせていただきます。
基本的にご来店頂く場合、普段の状態のままお持ち込みいただいて全く問題ございません。というのも普段の状態から、日常的なメンテナンスのアドバイスをさせていただいたりすることができるからです。
ということでまずは状態の確認からです。
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BB周りはしっかり汚れが乗っています。
このクランク部分はどうしても掃除がしにくい部分ですので、汚れが溜まりがちな部分です。

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ドライブトレインもしっかりと汚れています。
もちろんきれいにしていきますが、この汚れ、一筋縄ではいかなかったのです。

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今回グレードアップするパーツはこちらです。※すでに取り外しが始まっています。
現在は機会式のディスクキャリパーを使用しているのですが、やはり山や雨等で制動力に不安があるとのことで今回のメインは油圧ブレーキ化です。

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同じくリアも油圧化します。
ブレーキローターはSwiss stopのCatalyst、剛性もあり耐久性も抜群のディスクローターです。摩耗具合の判断はインジケーターがありますので一目瞭然、まだまだご使用いただけます。

バラしていきます。
SHIMANOの機会式ディスクブレーキで金属製の筒、いわゆるバナナを使う部分はフォークに干渉してしまう場所があります。
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組む際には養生しておいたのですが、保護テープを剥がしてみます。

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傷はテープのみでフォークは無傷、やはり養生が効いたようです。

1年間しっかりと乗ったヘッドベアリングはというと、、、
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ちょっと不穏な雰囲気です。

続いて下側です。
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だいぶサビが。。。
とは言っても実際に外してきれいにしてみると、ベアリングの動き自体は全く問題がありませんでした。ですのでヘッドベアリング外側のサビはできるだけ落として、グリスをモリモリに再び組みます。

では昨今のフル内装のヘッドセットを採用している車体の場合、どのぐらいの周期でヘッドパーツのメンテナンスをした方が良いのかといえば、よく乗る方や汗等の多い方で半年に一回です。
大切なのでもう一度書きます。
フル内装のヘッドパーツのメンテナンス周期は半年に一回です。(※よく乗る方)
特に今年のように夏の暑さが尋常ではない場合は油断大敵です。
またヘッド構造によって、弱い強いがあります。
少なくともハイエンドのロードバイクだから汗や雨に強い、ということはありません。
むしろハイエンドでも弱いものなんてごまんとありますのでご注意下さい。
フル内装使用のヘッドパーツは基本的に外部からの影響を受けやすいと覚えておいて損はありません。

パーツを外し終えると掃除はとってもしやすくなります。
BB周りです。
→BEFORE
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→AFTER
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このカラー、カーボン柄が本当に綺麗です。

ディスクブレーキのブレーキダストが掃除しにくい部分です。
→BEFORE
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→AFTER
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隙間がきれいになると気持ち良いです。

フロントフォークも同じくブレーキダストの汚れがしっかりです。
→BEFORE
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→AFTER
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ドライブトレインの近くは一筋縄ではいかない汚れがみっちりでした。
→BEFORE
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→AFTER
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気持ちが良いです。

リアディレイラーがなにかおかしいです。
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おわかりでしょうか。。。
観察してみて下さい。





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答えはもう少しスクロールして下さい。




答えはこちらです。
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ストッパーピンがなくなっています。
ストッパーピンがないとディレイラーのプレート部はバネの力で戻りすぎてしまいます。
オーナー様は全く気が付かれておりませんでしたが、こういった細かいパーツの不具合を見つけることで完全に壊れたり、もしものときのトラブル防止になることこそがプロが見ることの意義であり、大切さだと考えております。

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無事に何かが起きる前に対処できたことこそ、幸いなことです。


スプロケットです。
→BEFORE
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かなりギトギトでした。

→AFTER
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すっきりいたしました。

✓オイルの選択に関して
スッキリと一言で書いていますが、これがまた大変な作業でした。というのもご使用いただいているのは某有名メーカーの超高級オイルとのことでした。これがまたどんなディグリーザーを使用しても、全然落ちきらないのです。この感覚は定着性の極めて高い添加剤とワックス系の成分の配合だと思われます。
これらを落とすためには、、、物理的な攻撃しかないのです。
ディグリーザーで分解できない以上、落とすには擦る、削るしかないのです。細かい歯先に傷をつけないようにブラシの素材や硬さを変えひたすら擦るのです。

全天候対応の超高耐久のオイルということですが、この定着力はまさにその名のとおりだと感じました。しかし実際の普段使いともなると、やはりこの定着力が仇となり手軽にメンテナンスを、と一筋縄ではいかないようです。オーナー様からも全然日頃メンテナンスでも全然落ちないというお話でした。何を求めて何を選択するのか、これはとても大切なことだと感じました。

✓12速用のスプロケットの注意点
と、スプロケットですが12速用です。
12速用のすべてのスプロケットに当てはまり注意が必要なのは、最もロー側に極薄のシムのようなものが入っています。この極薄のシムのようなスペーサーですが、パーツリスト上はAdhesive ringという名前がついています。Adhesive(アドヒーシブ)とは粘着性の、ということで新品の状態では一番ロー側のカセットユニットの内側に張り付いています。しかしこれが使用するに従って結構簡単に剥がれてしまうものなのです。
12速のスプロケットの交換時の注意ですが、このシムリングが剥がれてフリーボディに残ったまま交換すると、新品のスプロケットを取り付けた際に位置が変わってしまいますので変速がずれることになります。
12速用のスプロケットの交換時の注意でした。


ともあれ汚れを落としきれば後は組付け作業です。
Winspaceの一体型ハンドル ZEROはハンドルバーの内装作業は極めて難易度が低いです。
リードも何もなしでも簡単に内装作業が一発で終えられます。
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ここまでくればもう一息。

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完成です。
バーテープを巻く際は絶対に事故のないように、と願掛けしつつ巻きます。
これでまたしっかりと様々なところへオーナー様を連れて行ってね。と仕上げます。

そして最後もとても大切なことでお返しの際には必ず、今回バイクを実際にバラしオーバーホールをしてみてのこと、また日常的なメンテナンスのアドバイス、そして今後のお話などをさせていただきます。

▶オーバーホールのお知らせ
ロードバイクは基本的に走れば走るだけ具合が悪いところがでてくる乗り物です。ロードバイクは原則一般的な自転車とは違い、無駄なものはネジ一本なく、適切かつ定期的なメンテナンスを行うことを前提としたパーツ類で構成されています。
実は不調だと思っていなくても、それは不調に気がついていないだけの場合もあります。
日頃のメンテナンスは自分で行っているけれども年に一回ぐらいはプロに、また少なくとも年に一回、よく乗られる方はもう少し頻回のオーバーホールをおすすめ致します。

また当店の場合はオーバーホールの特定のメニューは定めてはおりません。それは1台1台全く同じ使い方、使用距離ということはなく、もちろん日々のメンテナンス等にもものすごく差があります。ですので実際に見させていただいた上でご提案をさせていただき、ご相談の上実施をさせていただいております。

年末年始は多くのお客様にご依頼をいただくこともあり、お時間頂いてしまう場合もございます。ご予約やご相談はお早めにご連絡をお願い致します。
またご予算や納期、また車体のお引き上げ、お届け等もご相談に乗らせていただきます。
お気軽にご連絡お待ちしております m(_ _)m
よろしくお願い致します。



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また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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