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本記事は製品の提供を受けて作成した記事です。
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前回の記事、T3トレーナーに引き続き今回はCYCPLUS BC2 バーチャルシフターのご紹介です。
今回はCYCPLUS BC2 バーチャルシフターに関しての記事なのですが、記事を作成するにあたってインタラクティブトレーナーに関してのことを知る必要があり、色々と勉強をさせていただきましたが、非常にマニアックで個人的には面白い発見がたくさんありました。
是非バーチャルの世界にまだいったことがない方も、最近のインタラクティブトレーナーってこんな技術が!?という内容もあるかもしれません。
ということを踏まえてのお話、【次世代のバーチャルライド】CYCPLUS BC2 バーチャルシフターのご紹介です。

▶バーチャルシフトとは
まずはバーチャルシフトとはなんぞや?というところからです。
バーチャルシフトの前に外装変速機のシフトチェンジのお話からです。
実際に通常のシフトチェンジとはディレイラーが現在噛み合っているギアからチェーンを脱落(移動)させることで、隣のギアへとチェーンを移動させることです。メリットといえば変速時にギアが噛み合った瞬間にギア比(負荷)が変わります。(かなりシンプルに書いていますが)現在の外装変速機の仕組み的で物理的なシフトチェンジとはこういったことです。
では一方のバーチャルシフトはどういうものか、です。
ネット上のバーチャルの世界を走ることができるスマートトレーナーは、コースによって負荷が自動で変わるインタラクティブ(双方向)なトレーナーで常に相互通信をして負荷の調整をしています。(←この仕組みがものすごく複雑なのです。)
インタラクティブトレーナーにとって負荷の調整・変動自体は常に行われていることです。この自動で行われている負荷ではなく、このインタラクティブトレーナーの負荷を電子的に変動させギア比を変えるのが、バーチャルシフト(仮想シフト:バーチャルシフティング)です。
▶CYCPLUSのバーチャルシフター
今回ご紹介をさせていただくのがCYCPLUSのBC2 バーチャルシフターです。

取り付けは付属のゴムバンドで親指で操作する位置に、設定はアプリを使い行いますが、全然むずかしくないので割愛させていただきます。ワタクシは画像の位置で使用しております。
①バーチャルシフト時の動き
まず実際の動きですが、これが面白いのです。
バーチャルシフトは物理的なギアの変更ではありません。ですのでボタンを押しても何も反応がなくトレーナーの負荷だけが変わるような場合だと実際に信号が送られているのか、信号をキャッチされているのかが不安あります。
ですが、BC2なら大丈夫!(笑)ボタンを押した瞬間、ブルッ!と足に感覚が伝わってきます。
その後に数秒をかけてじわっと負荷が変わるイメージです。
ただしいくらバーチャルシフトと言っても足を回していない状態ではバーチャルシフト自体はできますが、この足に伝わるブルッ!とという感覚は足を回していない時は伝わりません。おそらく瞬間的な振動を再現する負荷変動を起こすことで動作を起こしているのだと考えられます。
②負荷変動の設定
また実際の設定は3段階あります。
・5%で負荷変動で60段階
・7%の負荷変動で40段階
・12%の負荷変動で25段階
つまり一度ボタンを操作で、設定したパーセンテージ分の負荷変動が起きる、というものです。
例えば、12%(ハイギア)に設定をしている場合です。
ケイデンス90rpmで200Wでていたとします。
この状態でプラスを一度押し(+1)同じくケイデンスを90rpmを保っていえば、理論的には出力は224W(+12%)になるということです。
という数字を実際に見てもよくわからないのです。(少なくともワタクシ自身はわかりませんでした。)こればかりは体感してみるしかありません。
▶どのぐらい負荷変動するのか?
公式のスペックでは20%~300%の負荷変動ということです。
パーセンテージで見てもなんだかよくわかりませんでした。
①10%勾配再現 + バーチャルシフト ±0(※バーチャルシフト未使用)+リア17T
ということで、ワタクシが公式アプリを使用し実際に負荷変動を体感してみました。
トレーナー側は10%の勾配再現で、フロントアウターでチェーンラインが真っ直ぐな位置、リアギアでは外側から6番目の17Tにセットします。

漕ぎ出しは(保護機能と思しき機能の影響、詳細は後述)軽く回し始められるのですが、回し始めると負荷がかかり足が一気に回らなくなります。かなりきついです。
確かに実走でもフロントアウター+リア17T(外側から6番目)のギアで10%勾配で漕ぎ出し、速度数km/hとか、、、多分踏めないです。勾配の再現度はかなりリアルに感じました。
②10%勾配再現 + バーチャルシフト ー10 +リア17T
では同じく勾配10%再現のまま、バーチャルシフトを動かし一番軽いギア再現の”-10”までもってきます。(つまり10%勾配の負荷を再現した負荷とバーチャルシフトで最大限に軽いギアを再現した状態)そして回し始めると、、、回せるのです。
10%傾斜再現中ですが負荷は減り、足が回せるぐらいの負荷になっています。
これがバーチャルシフトの原理(ギア比変動であり負荷変動)であって、軽いギアを再現した負荷ということです。
③10%勾配再現 + バーチャルシフト ±0 +リア28T +フロントインナー
続いて10%勾配再現のままインナーローまで実際のギアを移動し、バーチャルシフト側を”±0”にします。
するとかなりアバウトではありますが、アウター+17Tで”‐10”負荷の場合(バーチャルで一番軽い状態)と同じぐらいのケイデンスで、同じぐらいの負荷になっているように感じました。
実際の負荷のかかり的には②のほうが負荷が自然に感じました。
このようにバーチャルシフトでもっとも軽くすることで、実際のギアでのもっとも軽いギアに近い再現ができているようにも感じました。当然実際のバイク側のローギアの大きさにもよるとは思いますが、やはりメーカーもこのあたり実際の負荷数値に近くなるように調整をしていると思われます。

※公式アプリの右上の自転車マークをタップで勾配等が変更できます。
ただし限界はあります。
トレーナー側の最大負荷は勾配27%再現までの負荷で、理論値的にこの負荷は超えることができません。ですので勾配27%再現中にバーチャルシフトで100%以上を加えることはできない、ということです。
▶インタラクティブトレーナー
ちょっと寄り道です。
インタラクティブトレーナー:双方向通信が行えるスマートトレーナーのことです。インタラクティブトレーナーはスマートトレーナーからの数値をPC側に送るだけではなく、PC側から負荷変動等のデータを受け取りスマートトレーナーの負荷を変動させます。つまり自動負荷機能がついているはインタラクティブトレーナーということです。
この一見とても便利なインタラクティブトレーナーですが、ただ単純にコンピューター側からの負荷信号を受けて、負荷の調整をしているだけではないのが難しいところです。
例えば足を止めて漕ぎ出した際、トレーナーは負荷が一時的に軽くなります。またスプリントで思いっきり踏んだ時は負荷が一時的に増えるような動きをするものもあります。(この動きはメーカー、モデルによっても差があります。)
これがなぜなのかというと、詳細は不明ですがどうにも負荷が重すぎて漕ぎ出せない状況の回避や、トレーナー側のユニットへの負担軽減等の目的があると考えられます。
またスマートトレーナー側の負荷変動をリアルな走行で考えるのであれば、速度が上がれば上がるほど空気抵抗等は増える傾向にあります。これをリアルに再現しようと思うのであれば、ケイデンス・パワーを一定としても速度が上がるごとに負荷が増える仕組みが必要になります。
このようにただコンピューター側の信号だけで負荷が変わるわけではなく、トレーナー側でも負荷の変動が起きる”何か”があるようです。おそらくこの”何か”、こそが各メーカーの味付けのようなものであり、企業秘密的な部分なのではないかと思います。
これに加えて、バーチャルシフトは半ば強制的に負荷を変えていくことですので、なかなかに単純に設定の%の変動通りの変動というのも難しい技術なのではないかと思います。
▶リアルな変速との違い
ということを踏まえた上での実際にバイク側で行うシフトチェンジとの違いです。
①変速タイミング
バイクでのシフトチェンジはギアが変わった瞬間に負荷が変わります。
一方のバーチャルシフトはというと、ボタンを押してから実際に負荷が変わるまで数秒程度のタイムラグがあります。物理的なシフトのように一気にガッと負荷が変わるのではなく、数秒でじわっと負荷が変わるイメージです。
実際のシフトではダンシングをする前にガチャッとギアを変えてダンシング、という動きをしたりもしますが、バーチャルシフトでは瞬間的に負荷が増える(減る)ものではありませんので、その違いは理解しておく必要があると思います。
ダンシングやスプリント等で瞬間的に変えたいときだけは実際のシフトを使用する等の併用がよいと思います。
ワタクシの場合、親指側で操作する位置に取り付けてありますが、付ける位置によっては操作になれるまで何も考えないと実際のシフターでの操作をしてしまう場合もありました。それでも問題はありません。
ではボタン操作でバーチャルシフトでの多段シフト、ボタン連打をした場合はどうかというと、負荷が変わるまで時間は変わらないようです。
またボタンの長押し、Di2であればボタンの長押しは多段変速が行われますが、BC2 バーチャルシフターは押しっぱなしても1段階分しか動きません。
②トラブルが少ない
実際のシフトチェンジでは調整次第で変速がもたついたり、調整がバッチリだったとしても変速にかかる時間が若干差が出ることがあります。また厳密に言えばギア位置によって駆動抵抗が変わる場合もあると思います。フロントのチェーン落ちも可能性的には0ではありません。
これらのトラブルはバーチャルシフトであれば、起こりません
基本的にリアギアの位置はチェーンのラインがまっすぐになるような位置で動かす必要はなく、バーチャルシフトの範囲で対応ができます。
チェーンラインがまっすぐになるような特定のギアで問題がなければ変速のトラブルはおきません。
ただしバーチャルならではの通信的なエラーであったり、バーチャルシフター充電切れ等のトラブルの可能性もないわけではありません。(BC2バーチャルシフターは2時間の充電で350時間、約半年使用が可能ということです。)
それらを考慮しても実際のシフトよりもトラブルが少ないのは間違いないと思われます。
③静音性
最近のスマートトレーナーはどれもものすごく静音性が高いです。
では実際の運用中に気になる音ななにかと言えば、シフトチェンジの音です。
ガンッ!ガンッ!チャッ!というようなシフトの音、持続的ではない瞬間的な音ではありますが、それでもかなり大きな音が出てしまい、おそらくスマートトレーナーを用いたトレーニングの音でも最も大きなはシフトチェンジの音です。(もしくは限界を近くの苦しい呼吸音。)
しかしこのバーチャルシフトであれば、このように実際にチェーンがギアを移動することはありませんので、この音が出ません。
ということで静音性という面でもバーチャルシフトは良いことです。
もちろん変速がないということでもメリットとしてはチェーンたすき掛けによるトラブルもおきません。しかし逆に特定のギアしか使いませんので、使用しているギアだけの偏摩耗が起こることは考えられます。とは言ってもSHIMANOのギアであれば単体で購入できるギアであれば、105は1枚で600円ぐらいです。(DURA-ACEでも1500円程度)ギアユニットとしての効果によりも遥かにコストは抑えられます。
▶実際の運用
実際に使用してみると、やはりバイク側のシフトチェンジとは感覚が違います。
バイク側のシフトチェンジの場合、足の力を抜きレバー操作、その後チェーンがギアを噛んだ瞬間に踏み込むという動きを無意識の内に行っています。
しかしバーチャルシフトの場合、原則必要がありません。とは言ってもなんとなく癖で動いてしまうのです。。。
ただし前述のように負荷は数秒をかけてじわっと変わるので、ボタンの瞬間に変動するわけではありません。
ワタクシが実際に使用してみた環境下では、ZwiftやRouvyではかならず傾斜が画面上に表示されると思います。その画面に表示された傾斜の変動に合わせてシフトチェンジをしていくとほぼ一定のケイデンスで回していけるように感じました。(負荷変動12%で使用)

では実際にバーチャルシフトを使用していて、現在バーチャルシフトがどの位置にあるのか、これは現状アプリ上で確認する方法しかアリません。

ちょっと不自由に思えることもあるかと思いますが、実際に使ってみると変速はギアの位置を知ることよりも実際の負荷に対しての操作となりますですので、そこまで不自由はないかと思います。
実際の走行中もギアの位置を逐一確認しつつ走ることも少ないかと思います。
またもしも実走でギアの位置を確認するタイミングがあるとすれば、例えば上りや激坂です。あと何枚ギアが残って、、、ということを確認したりもする場合があるようですが、バーチャルシフトの場合はではできません。
ですが実際の運用でバーチャルが激坂でボタン操作でシフトが動いていない状態になった場合(一番軽くしてもギアが足りない状態)、コントロールレバーの現実のシフトを使うことでもっとギアを軽くすることもできます。
ということは本来の目的ではありませんが、単純にギアを増やすという目的でも使用することができます。これも応用的な使い方ですが、ちょっと便利な使い方だと思いました。
▶まとめ
今回のご紹介させていただいたBC2バーチャルシフターですが、Zwiftの公式のバーチャルシフトとは違うものです。おそらくWahoo KICKR BIKEなどもそうです。
しかし今回ご紹介をさせていただいたBC2バーチャルシフターは、スマートトレーナー側で負荷変動を起こすことによるバーチャルシフトです。ですのでZwiftだけではなく、Rouvyであっても、それこそ公式のアプリ等のもっとシンプルなトレーニング時でもバーチャルシフトを使うことができます。
ただしスマートトレーナーは同社CYCPLUSの製品で、T2とT3 のみの対応ということです。
そして今回バーチャルシフターを実際に使ってみた感想としてですが、バーチャルシフトの原理は理解ができることですが、やはり学べば学ぶほど技術的には難しいことだと感じましたし技術力の進歩を感じました。
そんなBC2バーチャルシフターは現在公式ページで現在29ドル(為替変動はありますが4500円位)です。
音の問題で室内トレーニングが難しいという方もいらっしゃるかと思います。そういった方にもかなりおすすめできる製品です。
CYCPLUSのBC2対応トレーナーのT2が現在499ドル(約7.6万円)ぐらいですので、双方購入したとしても8万円ぐらい、ネット上のクーポンを使えばかなり安く手に入れられるかもしれません。
またすでにCYCPLUSのT2やT3をお持ちの方にも比較的安価で手に入れることができる面白いアイテムだと思いました。
ということで今回は【次世代のバーチャルライド】CYCPLUS BC2 バーチャルシフターのご紹介でした。
公式ページはこちらからどうぞ。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
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