2025年一回目の記事は実験です。
というのもちょっと面白い動画を見つけました。
慣性モーメントに関しての動画です。
ワタクシ自身全く物理には詳しくはありませんが、とてもわかりやすいです。
そこで疑問に思いました。
現在のTLRシステムでは切っても切れない存在がチューブレスシーラントです。タイヤ内に流動体であるシーラントが存在することでどれだけ回転が悪くなるのか、疑問に思いました。
というのもワタクシ自身、パンクの一件からやはり安全性のためにもTLRシーラントを使いたいと考えているのです。速度が出ているときのパンクは本当に怖いので、せめてフロントだけでも、です。
ですがそんなにシーラントが走りに悪い影響を及ぼすのであれば、やはり、、、という思いもあります。
自分の中でも納得してシーラントをしっかりと使うべく自分への証明のためにも実験をしてみようと思いました。
ということで今回は【実験】TLRのシーラントが入るとどれだけ回転が悪くなるのか?そんなお話です。
実験は2つに分けて行いました。
条件
①速度はスピードセンサー+サイクルコンピューターにて確認
速度はリアハブにスピードセンサーを取付け、回転から速度をサイクルコンピューターに表示させました。実際のサイクルコンピューターに表示される数値を目視して計測しました。
②シーラントに関して
今回は2つの状態で測定しました。
a.シーラントを入れない状態(タイヤ内は空気のみの状態)
b.シーラントを40ml入れた状態
※シーラントは多くのシーラントの中から、ごく平均的な粘度のVittoriaのユニバーサルシーラントを使用しました。
単純に流動体がタイヤ内部に入ること、そしてタイヤ内部の重量として約40gの増量があります。

実験①低速域の慣性
2kgの重り、とは言っても2lの水を入れたペットボトルです。
これをペダル軸に付け、0時で後輪方向にクランクが回るように手を離し、自然落下させます。ペットボトルは床にドスンと着地後、クランクの回転が止まり、リアホイールは回転を続けます。この状態からホイールが止まるまでの時間を計測いたしました。

大体どのぐらいかというと、速度的には瞬間的に11km/h位を記録しておりました。
結果はこちらです。
結果的にいわゆる超低速域、例えば激坂で10km/h以下ような速度域の場合は、明らかにシーラントがない方がよく回るということがわかりました。
しかし前述のようにこの超低速域ですが、実際に使うとしたら激坂のような場面で決して多くはない状況だと思いました。
実験②実用域の慣性
では実用域ではどのぐらいの差が出るのか、ということです。
実用域として、平地だけではなく下りや上りを想定しての速度域で50km/h~15km/hまでの減速時間を計測してみました。
50km/hまで加速、サイコン表示で50km/hを超えたのを確認しペダルを止めます。サイコンに表示されるまでのタイムラグでペダルを止めてからも若干速度が上がりますので最高速も記載致しました。
50km/h表示からペダルを止め、止めた瞬間に計測開始→その後空転をさせ15km/hを下回った時点で計測を止めるという実験です。
結果はこちらです。
最高速度はシーラントありのほうが高いですが、シーラント有りのほうが若干長く回る、という結果でした。
▶結果から
このようになった結果を想像してみると、
まずホイール外周部の重量の差です。
重量が重いほうが慣性が働きやすいという事があると思います。
それと今回の主役のシーラント(流動体)です。
超低速時はシーラントが遠心力でタイヤに押し付けられていないことで、タイヤ内でシーラントがうまく回っていない事が考えられます。これにより低速時の回転の悪さを起こしている可能性があります。
しかし速度が上がってくる、つまりホイール自体の回転数が上がってくるにしたがって、流動体であるシーラントは遠心力でタイヤにある程度は均一な状態になり、タイヤ内で低速時ほどの収まりの悪さが起きづらいのではないかと考えられます。
▶まとめ
今回は比較的粘度の低いシーラントを使いました。
ワタクシ自身様々なシーラントを触ってきた中で、最も多いと思しき粘度のシーラントを選びました。これがまたもっと硬いシーラント、粘度の高いシーラントの場合は結果が変わってくることも考えられます。
これらの結果からも超低速域まで使用する激坂ヒルクライムでもない限りは、適切なシーラントを使うことによるデメリット、ホイールの回転に及ぼす悪影響はそこまで多くないと思われる、という結果でした。
しかし今回はあくまでもただの実験の結果です。
これまた実走ともなると振動が加わったり、急加速急減速時のシーラントの動き、シーラントの状態等々様々な影響があるとも考えられます。そこまで単純なお話ではないとも考えております。
ということで今回は【実験】TLRのシーラントが入るとどれだけ回転が悪くなるのか、ということですが超低速時は回転が悪くなるが、実用域では実験上は影響が少なかった。ということでした。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
というのもちょっと面白い動画を見つけました。
慣性モーメントに関しての動画です。
ワタクシ自身全く物理には詳しくはありませんが、とてもわかりやすいです。
そこで疑問に思いました。
現在のTLRシステムでは切っても切れない存在がチューブレスシーラントです。タイヤ内に流動体であるシーラントが存在することでどれだけ回転が悪くなるのか、疑問に思いました。
というのもワタクシ自身、パンクの一件からやはり安全性のためにもTLRシーラントを使いたいと考えているのです。速度が出ているときのパンクは本当に怖いので、せめてフロントだけでも、です。
ですがそんなにシーラントが走りに悪い影響を及ぼすのであれば、やはり、、、という思いもあります。
自分の中でも納得してシーラントをしっかりと使うべく自分への証明のためにも実験をしてみようと思いました。
ということで今回は【実験】TLRのシーラントが入るとどれだけ回転が悪くなるのか?そんなお話です。
実験は2つに分けて行いました。
条件
①速度はスピードセンサー+サイクルコンピューターにて確認
速度はリアハブにスピードセンサーを取付け、回転から速度をサイクルコンピューターに表示させました。実際のサイクルコンピューターに表示される数値を目視して計測しました。
②シーラントに関して
今回は2つの状態で測定しました。
a.シーラントを入れない状態(タイヤ内は空気のみの状態)
b.シーラントを40ml入れた状態
※シーラントは多くのシーラントの中から、ごく平均的な粘度のVittoriaのユニバーサルシーラントを使用しました。
単純に流動体がタイヤ内部に入ること、そしてタイヤ内部の重量として約40gの増量があります。

実験①低速域の慣性
2kgの重り、とは言っても2lの水を入れたペットボトルです。
これをペダル軸に付け、0時で後輪方向にクランクが回るように手を離し、自然落下させます。ペットボトルは床にドスンと着地後、クランクの回転が止まり、リアホイールは回転を続けます。この状態からホイールが止まるまでの時間を計測いたしました。

大体どのぐらいかというと、速度的には瞬間的に11km/h位を記録しておりました。
結果はこちらです。
シーラントなし | シーラントあり | |
1回目 | 21.93秒 | 16.19秒 |
2回目 | 21.20秒 | 15.03秒 |
3回目 | 19.34秒 | 15.08秒 |
4回目 | 20.91秒 | 16.21秒 |
平均 | 20.85秒 | 15.63秒 |
結果的にいわゆる超低速域、例えば激坂で10km/h以下ような速度域の場合は、明らかにシーラントがない方がよく回るということがわかりました。
しかし前述のようにこの超低速域ですが、実際に使うとしたら激坂のような場面で決して多くはない状況だと思いました。
実験②実用域の慣性
では実用域ではどのぐらいの差が出るのか、ということです。
実用域として、平地だけではなく下りや上りを想定しての速度域で50km/h~15km/hまでの減速時間を計測してみました。
50km/hまで加速、サイコン表示で50km/hを超えたのを確認しペダルを止めます。サイコンに表示されるまでのタイムラグでペダルを止めてからも若干速度が上がりますので最高速も記載致しました。
50km/h表示からペダルを止め、止めた瞬間に計測開始→その後空転をさせ15km/hを下回った時点で計測を止めるという実験です。
結果はこちらです。
シーラントなし | 最高速度 | シーラントあり | 最高速度 | |
1回目 | 36.24秒 | 54.4km/h | 37.61秒 | 54.4km/h |
2回目 | 34.12秒 | 52.9km/h | 36.21秒 | 52.6km/h |
3回目 | 35.04秒 | 53.3km/h | 36.97秒 | 54.0km/h |
4回目 | 35.34秒 | 55.1km/h | 36.40秒 | 53.3km/h |
平均 | 35.19秒 | 53.9km/h | 36.80秒 | 53.6km/h |
最高速度はシーラントありのほうが高いですが、シーラント有りのほうが若干長く回る、という結果でした。
▶結果から
このようになった結果を想像してみると、
まずホイール外周部の重量の差です。
重量が重いほうが慣性が働きやすいという事があると思います。
それと今回の主役のシーラント(流動体)です。
超低速時はシーラントが遠心力でタイヤに押し付けられていないことで、タイヤ内でシーラントがうまく回っていない事が考えられます。これにより低速時の回転の悪さを起こしている可能性があります。
しかし速度が上がってくる、つまりホイール自体の回転数が上がってくるにしたがって、流動体であるシーラントは遠心力でタイヤにある程度は均一な状態になり、タイヤ内で低速時ほどの収まりの悪さが起きづらいのではないかと考えられます。
▶まとめ
今回は比較的粘度の低いシーラントを使いました。
ワタクシ自身様々なシーラントを触ってきた中で、最も多いと思しき粘度のシーラントを選びました。これがまたもっと硬いシーラント、粘度の高いシーラントの場合は結果が変わってくることも考えられます。
これらの結果からも超低速域まで使用する激坂ヒルクライムでもない限りは、適切なシーラントを使うことによるデメリット、ホイールの回転に及ぼす悪影響はそこまで多くないと思われる、という結果でした。
しかし今回はあくまでもただの実験の結果です。
これまた実走ともなると振動が加わったり、急加速急減速時のシーラントの動き、シーラントの状態等々様々な影響があるとも考えられます。そこまで単純なお話ではないとも考えております。
ということで今回は【実験】TLRのシーラントが入るとどれだけ回転が悪くなるのか、ということですが超低速時は回転が悪くなるが、実用域では実験上は影響が少なかった。ということでした。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。当店の特徴・詳細ははこちらから
コメント