今も昔に変わらずに大切にしていること、それはまずはこの身を持って体験することです。
このグリスは雨に強いの?弱いのか?それも含めても体験し今後のメンテナンスに活かすことはとても価値のあることだと考えているからです。
そんなこともありつつワタクシの場合は、基本的に雨でも止まることもなく(というかこの時期は止まったほうが寒くて辛いので(笑))、続行します。先日も気温1℃の雨とかかなり寒かったですが、走れないほどではなかったので真冬の雨ライドを堪能しました。

真冬の雨は辛いです。
そう言えばSLC3のシェイクダウンも雨だった気が(笑)

そんなこんなでSLC3に乗り始めて4ヶ月が経過しましたので、ヘッドパーツを一度開けてみることにしました。そのヘッドパーツのメンテナンスで見えてきたことがあります。
ということで今回は雨でもなんでも乗り回したSLC3も4ヶ月 ヘッドセットの状態から見えてきたこととは!?そんなお話しです。
▶雨のシェイクダウンから4ヶ月後

開けてみます。
まずは下部ベアリングから

汚れはついていますが、状態は悪くありません。
T1550のように下部ベアリング内側が錆びているということもありませんでした。
続いて上部ベアリングです。

状態は全く問題ありませんでした。
前回はT1550で半年間で下部ベアリングの内側にサビがしっかりと発生していました。
比べて今回、SLC3のヘッドパーツを同じように使用して4ヶ月後はというと、期間は約2ヶ月ぐらいは短いですがぼたぼた汗が垂れる夏から結構しっかり雨も経験しても、明らかに状態は良かったと感じました。
では同じくフル内装のT1550と何が違ったのかを考えてみようと思います。
▶SLC3のヘッドセット
なにもT1550のヘッドセットが極端に水分に対して弱いというわけではありません。
というのもT1550のヘッドパーツの各種構造は昨今のエアロ系のヘッドセットで非常によくある構造だからです。それは某超一流ブランドSのハイエンドモデルもそうですし、逆にコスパ系で人気ブランドの構造も基本的には似たような構造をしています。
一方のSLC3のヘッドセットはFSAのACRです。
同じくホース類フル内装の構造ですが、では最近よくあるフレーム専用設計のヘッドセットとSLC3に採用されているFSAのACRとの差はどこにあるのか、こんなことを考えてみようと思います。
こちらです。

T1550です。

こちらはANCHORです。

S-Worksです。
これらは非常によくある構造で、昨今のバイクでは一般的な構造のフル内装用のヘッドセットです。
比べてみます。
比較して水分に強いACRヘッドセットのSLC3です。

✓耐水性の高い理由①リップシール構造
ヘッドパーツの中でも、トップカバー(ダストカバー)を見てみます。

これは今回のACRのトップカバーではありませんが左がFSA製、右がよくある最近のトップカバーです。
このままでは差が分かりづらいので、ひっくり返してみます。

これです。
FSAのトップカバーにはいわゆるリップシール的(パッキン)なゴムのシール構造があります。

ACRのトップカバーを下から見てみても確かにこの構造があります。
たったのこれだけ、ですがされどこれだけ、です。
✓耐水性の高い理由②ヘッドチューブ形状
ACRは一見、楕円形状に見えますが真円形状なのです。

このあたりの寸法設計もとても良いです。

左がACRのトップカバーです。
新円形状のため、ハンドルを切ってもトップカバーのリップシールとヘッドチューブの位置関係に変化は起きません。これは従来の内装ではないヘッドセットと同様の構造です。
一方のエアロ形状のトップカバーは、ハンドルを切ることでヘッドチューブとの関係が変わります。

楕円のような形状のトップカバーはハンドルとともに回転します。
この位置関係が難しいのだと思います。
ちなみに某一流ブランドのトップカバーは経年劣化でひしゃげるものもあり、ヘッドチューブに擦ってしまう場合が多いというのも弱点的な部分です。
ではトップカバーのリップシールが防水の役割を果たすのであれば、、、先程の画像です。

左側です。エアロ形状でありつつもリップシール構造がしっかりついています。
これはFSAのトップカバーですが、すべてのトップカバーにこの構造があればよいのですが最近のヘッドセットではなぜこのリップシール構造を採用しないのか?ということを考えてみます。
▶現在のトップカバーにリップシール構造がない理由
これはあくまでも推測にはなりますが、まずヘッドチューブ寸法の許容範囲の問題が考えられます。
従来までのヘッドチューブはヘッドパーツとの多少の誤差は、シムを入れて調整をすることである程度は調整が可能でした。逆に言えば付属のヘッドパーツをポン付けするだけでは最高の状態にはならなかった、ということでどこのお店でも行っていた(はずの)必須作業でした。まぁ不足しているバイクも多々タタタ、、、
ですが昨今のフル内装ともなるとまずシムが構造的に入れらなかったり、それこそコラムが円形状ではなかったりもします。シムが使えないとなると、ヘッドパーツの関係性が悪くこういった誤差の調整をショップでできない場合は、前述のようにヘッドチューブとトップカバーの干渉が起きてしまうという、極めて残念な現象が起きてしまいます。
つまり現状のヘッドパーツ構造の多くはコラム等の構造の変化で、ヘッドチューブとトップカバーのリップシールはハンドルの動きの阻害にならないように、わずかに触れるか触れないぐらいのギリギリで調整する、減車合わせの調整が非常にしづらい構造になっています。このシムを使用した減車合わせでの微調整ができないとなると、トップカバーとヘッドチューブの交差を大きく取るしかなく、トップカバーにリップシール構造を入れられなくなってしまっている可能性が考えられます。
そこまで複雑に考えずとも空力最優先!定期的にメンテナンスをすればよいだけ、というメーカーの意図かもしれませんし、単純にコストカットかもしれません。各メーカーの思惑は不明です。
昨今のハイエンドモデルは特に定期的なプロによるメンテナンスをすることを大前提として作られていると感じることが、特に多くなりました。
▶まとめ
フロントフォークやヘッドチューブ付近の形状は空力性能に及ぼす影響は大きいと言うのは現在の主流となっている考え方です。そのため各メーカーはフロントフォーク、ヘッド周りは特に空力性能重視で設計がされていると思われます。
何故ならばハイエンドモデル等は特にレースで勝つことを目的として作られていますし、ヘッドパーツの防水性が高くなり利便性が上がりました!ということよりも空力が@%向上し100km走って何秒前に出れます!というのが重要視されていることだからだと思います。
昨今のホース類内装のための構造は、従来までのヘッドセットに加えてもかなり水分に対しての防御力が落ちているのは間違いのないことです。
しかしそのフル内装のヘッドセットでも、やはり新円形状のヘッドセット、今回のようにACRを採用しているヘッドパーツは比較的リップシール構造もしっかりとしており、フレーム専用設計のエアロタイプのヘッドパーツよりも防水性・耐水性が高いです。
正確に言うならば新円形状のヘッドカバーが強いわけではなく、FSAのACRがかなり優秀なのだと感じました。さすがFSAという感じです。コンポーネントはパッとしない雰囲気が、、、
逆にエアロ系のフレーム専用設計系のフル内装のヘッドセットはやはり水に対しては弱いです。やはりよく乗る方の場合は、少なくとも半年に一回のヘッドパーツのメンテナンスをおすすめ致します。
ちなみにヘッドパーツのクリーニングだけであれば1万円以内で収まることが多いですが、
ヘッドベアリングがだめになってしまった場合、ヘッドベアリング交換のためにホースを外し、ホース交換のためにBBを外し、、、ということで工賃だけでも倍以上かかるなんてことも非常によくあることです。
ただ費用的な問題だけでは有りませんが、ヘッドパーツは定期的なメンテナンスを強くおすすめ致します。
ということで今回は雨でもなんでも乗り回したSLC3も4ヶ月 ヘッドセットの状態から見えてきたこととは!?FSAのACRはフル内装の中でもかなり優秀だった、そんなACRを採用しているSLC3はとても乗りやすいですし良いバイク!ヒルクライムだけではなく、平地を走っても超速いですゾ!そんなお話でした。
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FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
当店の特徴・詳細ははこちらから
このグリスは雨に強いの?弱いのか?それも含めても体験し今後のメンテナンスに活かすことはとても価値のあることだと考えているからです。
そんなこともありつつワタクシの場合は、基本的に雨でも止まることもなく(というかこの時期は止まったほうが寒くて辛いので(笑))、続行します。先日も気温1℃の雨とかかなり寒かったですが、走れないほどではなかったので真冬の雨ライドを堪能しました。

真冬の雨は辛いです。
そう言えばSLC3のシェイクダウンも雨だった気が(笑)

そんなこんなでSLC3に乗り始めて4ヶ月が経過しましたので、ヘッドパーツを一度開けてみることにしました。そのヘッドパーツのメンテナンスで見えてきたことがあります。
ということで今回は雨でもなんでも乗り回したSLC3も4ヶ月 ヘッドセットの状態から見えてきたこととは!?そんなお話しです。
▶雨のシェイクダウンから4ヶ月後

開けてみます。
まずは下部ベアリングから

汚れはついていますが、状態は悪くありません。
T1550のように下部ベアリング内側が錆びているということもありませんでした。
続いて上部ベアリングです。

状態は全く問題ありませんでした。
前回はT1550で半年間で下部ベアリングの内側にサビがしっかりと発生していました。
比べて今回、SLC3のヘッドパーツを同じように使用して4ヶ月後はというと、期間は約2ヶ月ぐらいは短いですがぼたぼた汗が垂れる夏から結構しっかり雨も経験しても、明らかに状態は良かったと感じました。
では同じくフル内装のT1550と何が違ったのかを考えてみようと思います。
▶SLC3のヘッドセット
なにもT1550のヘッドセットが極端に水分に対して弱いというわけではありません。
というのもT1550のヘッドパーツの各種構造は昨今のエアロ系のヘッドセットで非常によくある構造だからです。それは某超一流ブランドSのハイエンドモデルもそうですし、逆にコスパ系で人気ブランドの構造も基本的には似たような構造をしています。
一方のSLC3のヘッドセットはFSAのACRです。
同じくホース類フル内装の構造ですが、では最近よくあるフレーム専用設計のヘッドセットとSLC3に採用されているFSAのACRとの差はどこにあるのか、こんなことを考えてみようと思います。
こちらです。

T1550です。

こちらはANCHORです。

S-Worksです。
これらは非常によくある構造で、昨今のバイクでは一般的な構造のフル内装用のヘッドセットです。
比べてみます。
比較して水分に強いACRヘッドセットのSLC3です。

✓耐水性の高い理由①リップシール構造
ヘッドパーツの中でも、トップカバー(ダストカバー)を見てみます。

これは今回のACRのトップカバーではありませんが左がFSA製、右がよくある最近のトップカバーです。
このままでは差が分かりづらいので、ひっくり返してみます。

これです。
FSAのトップカバーにはいわゆるリップシール的(パッキン)なゴムのシール構造があります。

ACRのトップカバーを下から見てみても確かにこの構造があります。
たったのこれだけ、ですがされどこれだけ、です。
✓耐水性の高い理由②ヘッドチューブ形状
ACRは一見、楕円形状に見えますが真円形状なのです。

このあたりの寸法設計もとても良いです。

左がACRのトップカバーです。
新円形状のため、ハンドルを切ってもトップカバーのリップシールとヘッドチューブの位置関係に変化は起きません。これは従来の内装ではないヘッドセットと同様の構造です。
一方のエアロ形状のトップカバーは、ハンドルを切ることでヘッドチューブとの関係が変わります。

楕円のような形状のトップカバーはハンドルとともに回転します。
この位置関係が難しいのだと思います。
ちなみに某一流ブランドのトップカバーは経年劣化でひしゃげるものもあり、ヘッドチューブに擦ってしまう場合が多いというのも弱点的な部分です。
ではトップカバーのリップシールが防水の役割を果たすのであれば、、、先程の画像です。

左側です。エアロ形状でありつつもリップシール構造がしっかりついています。
これはFSAのトップカバーですが、すべてのトップカバーにこの構造があればよいのですが最近のヘッドセットではなぜこのリップシール構造を採用しないのか?ということを考えてみます。
▶現在のトップカバーにリップシール構造がない理由
これはあくまでも推測にはなりますが、まずヘッドチューブ寸法の許容範囲の問題が考えられます。
従来までのヘッドチューブはヘッドパーツとの多少の誤差は、シムを入れて調整をすることである程度は調整が可能でした。逆に言えば付属のヘッドパーツをポン付けするだけでは最高の状態にはならなかった、ということでどこのお店でも行っていた(はずの)必須作業でした。
ですが昨今のフル内装ともなるとまずシムが構造的に入れらなかったり、それこそコラムが円形状ではなかったりもします。シムが使えないとなると、ヘッドパーツの関係性が悪くこういった誤差の調整をショップでできない場合は、前述のようにヘッドチューブとトップカバーの干渉が起きてしまうという、極めて残念な現象が起きてしまいます。
つまり現状のヘッドパーツ構造の多くはコラム等の構造の変化で、ヘッドチューブとトップカバーのリップシールはハンドルの動きの阻害にならないように、わずかに触れるか触れないぐらいのギリギリで調整する、減車合わせの調整が非常にしづらい構造になっています。このシムを使用した減車合わせでの微調整ができないとなると、トップカバーとヘッドチューブの交差を大きく取るしかなく、トップカバーにリップシール構造を入れられなくなってしまっている可能性が考えられます。
そこまで複雑に考えずとも空力最優先!定期的にメンテナンスをすればよいだけ、というメーカーの意図かもしれませんし、単純にコストカットかもしれません。各メーカーの思惑は不明です。
昨今のハイエンドモデルは特に定期的なプロによるメンテナンスをすることを大前提として作られていると感じることが、特に多くなりました。
▶まとめ
フロントフォークやヘッドチューブ付近の形状は空力性能に及ぼす影響は大きいと言うのは現在の主流となっている考え方です。そのため各メーカーはフロントフォーク、ヘッド周りは特に空力性能重視で設計がされていると思われます。
何故ならばハイエンドモデル等は特にレースで勝つことを目的として作られていますし、ヘッドパーツの防水性が高くなり利便性が上がりました!ということよりも空力が@%向上し100km走って何秒前に出れます!というのが重要視されていることだからだと思います。
昨今のホース類内装のための構造は、従来までのヘッドセットに加えてもかなり水分に対しての防御力が落ちているのは間違いのないことです。
しかしそのフル内装のヘッドセットでも、やはり新円形状のヘッドセット、今回のようにACRを採用しているヘッドパーツは比較的リップシール構造もしっかりとしており、フレーム専用設計のエアロタイプのヘッドパーツよりも防水性・耐水性が高いです。
正確に言うならば新円形状のヘッドカバーが強いわけではなく、FSAのACRがかなり優秀なのだと感じました。さすがFSAという感じです。
逆にエアロ系のフレーム専用設計系のフル内装のヘッドセットはやはり水に対しては弱いです。やはりよく乗る方の場合は、少なくとも半年に一回のヘッドパーツのメンテナンスをおすすめ致します。
ちなみにヘッドパーツのクリーニングだけであれば1万円以内で収まることが多いですが、
ヘッドベアリングがだめになってしまった場合、ヘッドベアリング交換のためにホースを外し、ホース交換のためにBBを外し、、、ということで工賃だけでも倍以上かかるなんてことも非常によくあることです。
ただ費用的な問題だけでは有りませんが、ヘッドパーツは定期的なメンテナンスを強くおすすめ致します。
ということで今回は雨でもなんでも乗り回したSLC3も4ヶ月 ヘッドセットの状態から見えてきたこととは!?FSAのACRはフル内装の中でもかなり優秀だった、そんなACRを採用しているSLC3はとても乗りやすいですし良いバイク!ヒルクライムだけではなく、平地を走っても超速いですゾ!そんなお話でした。
+++++++++++++++++++++++++++
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作業は18:00以降も行います。
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また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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