以前ご紹介をさせていただいたTOKENのアンカーナット TK299はSLC3の付属のヘッドパーツで、軽量でありつつもその構造は代えがたいメリットをもったよいパーツだと感じていました。
しかし現在では非常に良くない変更がされてしまっていたことが判明いたしました。
ではどの様になってしまって、なぜそれが悪いのか、TOKEN TK299が仕様変更により、とても残念な事になった理由そんなお話です。

ポジション調整のためにコラム上部にスペーサーを積んでいたわけですが、何かがおかしいのです。
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予想以上にコラムスペーサーが多いような。。。(・_・)......ン?
確かダストカバーの上にスペーサーが一枚乗る高さで、上部に5mmが残るぐらいでカットしたはずだったのです。
その当時からポジションを変えて、コラムを下げたのですが計算では15mmとちょっとのスペーサーのはずが、現在は上部には盛りに盛ったスペーサーが必要な状態となっております。

なぜかと言えば、引き代が非常に多く必要な状態になっているからです。
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こんなに引き代が必要なのはおかしいです。

こんな場合の多くトップキャップ(もしくはアンカーナット本体)に問題がある場合がほとんどです。
ということで見てみました。
原因は単純なお話しでした。
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左が過去のトップキャップ、右側が現在のトップキャップです。
トップキャップのスレッド部(ネジが切られた部分)が延長されています。

こんなちょっとの違いでどのような影響があるのか、といえば全然違うのです。

これです。
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スレッド部が延長されたことによりトップキャップが最後まで締まらなくなっています。(最後までというのも若干語弊がありますが、比べてみると一目瞭然です。)

ちなみに旧モデルはこちらです。
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きちんとトップキャップが最後まで締まっています。

これがどんな弊害があるのかというと、先程の画像に戻ります。
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アンカーナット部とトップキャップの関係性は、コラムの引き代に直接影響を与えます。
TK299はトップキャップ形状とアンカー本体の関係性が非常によく、メリットとしてコラムを少しでも長く残せる、引き代を極力少なくできるということがありました。

しかし今回の変更にともない、変更前と比べて引き代を約5mm程度大きくとならなければならないという非常に残念な事になっています。流石にこの長さで十分な引き代を取ってベタ切りのコラムカットはおすすめできることではありません。
コラムを短く切らなければならないことのメリットはというと、ほぼ有りません。

最近では各社、ベタ切りでもコラムをできるだけ長く残せるような構造のトップキャップであったり、ステムの形状も見るようになってきましたのも、短く切ることのメリットが大きくなからだと考えております。

このままでは不自由極まりないので、従来のように使用できるようスレッド部を短くなるように加工します。
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まだ長いです。

もっと詰めます。
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詰まりました。

トップキャップのスレッド部が短くなるように加工しました。
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スレッドが潰れたら終わりですし、ボトルと違い内部は空洞ですので潰れたらやはり終わりです。
スレッドを壊さないように、内部を潰さないように時間はかかりますが慎重に長さを詰める作業をおこない無事に従来通りに使用することができるようになりました。

▶まとめ
今回のように一見そこまで大きな影響はなさそうな変更ですが、実はかなり影響が大きい変更が知らず知らずのうちに加えられることがあります。
それでもメーカーとして今回のような変更が実際のコラムの長さ、引き代にどれだけ影響を与えるのか考えていないわけではないと思います。
それでも理由はあれども、なぜに単純にスレッド部を伸ばしてしまえというただ単純な変更の判断のみだったのか。むしろスレッドを伸ばしてもかかりが浅くなっては・・・謎は多く残ります。

ともあれひと手間かけることが必要なんてことはよくあることで、そこは腕の見せ所ヨ!というのがポジティブシンキングというものです。ということで今回はTOKEN TK299が仕様変更により残念な事になった理由はトップキャップ形状のみに変更でメリットが損なわれたから、しかしなんとか加工でカバーできる範囲だった。そんなお話でした。
ヘッドの構造に関してはこちらからご確認ください。


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