最近立て続けに前期型(Rのつかない型番)の11速コンポーネントで具合が悪くなったり、摩耗が進んでしまったりしているパーツを見ています。当然摩耗や劣化が進んでいればリペアパーツで交換をすれば使えるようになるのですが、そこには大きな問題があるのです。

終売であり、いわゆるディスコンです。
それはユーザー様に取ってももちろんのことショップ側としても恐ろしいことなのです。

そう、11速のDURA-ACEが発売されたのは遡ること2012年の6月のことでした。
それから月日が流れることは早いもので、12年以上が経過しています。
下位グレードの5800系105は今でも多くの自転車に搭載されているコンポーネントですが、その5800系も2014年の発売でした。
ということは少なくとも前期型11速の場合、発売から10年以上も経過をしているということです。
発売以降10年以上経った今、リペアパーツのラインナップはまだあるのでしょうか。

ですがフロントディレイラーやリアディレイラー等の後期のRがつくようになった11速モデルでも、互換性があるモデルはそこまで焦ることでは有りません。
原則リペアパーツ類がなくなったとしても、パーツ自体を交換することで使用することができることの多いパターンもあります。
では逆に互換性がまったくなく、リペアパーツの供給が消えてしまった製品、少なくはないのです。

ということで今回は11速パーツの終盤情報を見て震える・・・そんなお話しです。

58001005

▶終売した11速用リペアパーツ
✓105クランク FC-5800のチェーンリング
チェーンリングはかなり想像のしやすい消耗品ですが、すでに終売となっているようです。(※現在流通している分がなくなり次第終了ということです。)
供給がなくなってしまうのは105グレードのみで、ULTEGRA以上はまだあるようです。
ちなみにULTEGRA FC-6800とFC-9000はいわゆるB互換、完全互換ではないが使えるということです。
105の場合、アウター:8,358円+インナー:1,714円 =合計10,072円
ULTEGRA FC-6800の場合、アウター14,419円+インナー1,829円=16,248円
105、R7000クランクの場合、21,758円

ですので5800のクランクをお使いの場合、チェーンリングが摩耗してしまった場合、ULTEGRA以上のチェーンリングを選択するか、クランクごとの交換となってしまいます。

ただしクランクを交換する場合は注意が必要です。後継モデルは105でFC-R7000となりますが、R番台のクランクはフロントディレイラーも形状が変わったRのつくモデル(もしくはFC-5801)への交換が必要になります。
※後期型11速用クランクと前期型フロントディレイラーは互換性が有りません。

✓コントロールレバー
①ブラケット部

下記の製品です。
105、ST-5800
ULTEGRA、ST-6800
DURA-ACE、ST-9001(ST-9000)
これらのブラケット部のリペアパーツが軒並み終売となっております。

どんなときに必要になるかというと、コントロールレバーの動きが悪くなってしまったときです。
コントロールレバーで動きが悪くなってしまう原因は内部ギアの劣化、固着、摩耗等の影響です。
こういった症状が出てきてしまっている場合、ブラケット部を交換することが根本的な解決となります。
逆に内部の洗浄、グリスアップ等を行うことである程度の動きを回復することはできますが、原因は前述のように1つだけではない場合が多いです。単純に内部洗浄・グリスアップをしても、一時的に機能が回復する場合はありますが、摩耗していたりヘタっている部分がもとに戻ることはありません。

原則この症状がで始めてしまった場合、ブラケット部の寿命が近づいてきていると考えると良いです。

②レバー部
レバー部も同様にほんの一部のモデルを除き終売となっています。
現在入手が可能なモデルはST-9001の右側のみです。
Di2のレバーも9070の右側はまだありましたが、その他は終売となっています。

レバー部の故障はそこまで多いことでは有りませんが、レバー部は落車で折れたりする場合があります。Di2のレバーは機械式に比べても折れやすいです。(もちろんブラケット部も落車で折れることもあります。)

ということはです。
現実的な問題として、基本的に11速の前期モデルの場合、コントロールレバーはこわれたらもう後期型の11速へ交換のみの対応しかできないということになります。


▶まとめ
今回ご紹介をさせていただいたリペアパーツ以外にも、もちろん同世代品のリアディレイラーのパーツ類等でも終売が増えてきております。
しかしSHIMANOも企業として何を残して、何を切っていくのか、この生き残りの厳しい世の中ではある意味致し方がないことなのかもしれません。
良いものを長く使うことは全く持って悪いことではありません。しかし逆に長く使いすぎることで、想定外の不具合が起きる可能性もないわけではありません。

こんなジレンマを抱えながらもできるだけ長く販売をしてほしいと思う反面、そういったリペアパーツの在庫を持ち続けることのコストも値上げ幅に乗ってくるのかと考えると、、、難しいところです。

ということで今回は、11速パーツの終盤情報を見て震える・・・前期型の11速をお使いの方は要注意な時期になってきました。そんなお話でした。

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