ある程度以上のパワーを持っている人、速く走ることができる人は基本的に練習好きです。好きこそものの上手なれとはよく言ったものです。こういった人たちは辛い練習に耐える精神力を持っているので、人よりも高いパフォーマンスを発揮することができます。

しかしです。
ただただ練習をすれば速くなれるというわけではありません。
それでもある一定まではがむしゃらに練習することで一気に記録が伸びる場合もあります。どの種目でも同じようなことを見聞きしますが、ロードバイク界隈では3ヶ月FTPを@@W伸ばした方法!とかです。もちろん嘘八百ではないと思います。
しかしそれが万人に当てはまるのかというと、多くの場合が残念ながら当てはまりません。

パフォーマンスが急速に伸びるのは、伸びしろがある場合だけです。
伸びしろとは例えば基礎体力、回復能力等です。
これらがあるからこそ伸びるわけであって、基本的にある程度の練習をこなしている人の場合、そんなに急激な変化はある意味悪いことをするしかありません。

ですのでこれらに当てはまる膨大な伸びしろを持った人以外はというと、地道に練習を積んでいくしかありません。

それでも必ずやってくるのが、停滞期であり伸び悩みです。
成長が停滞気味になるとやってしまいがちなことがあります。
もっとがむしゃらに練習をすることです。
パフォーマンスが伸びていかないのは練習不足だからだ。もっとキツイ練習。もっと高い強度、そうだVo2MAXだ!スプリントだ!
本当にそうでしょうか。
普段から時間を割いて一生懸命練習をしている人にとって、必要なのは練習ではない場合は少なくはありません。

ということで今回メインのお話、そう回復です。

練習は回復までを含めての練習です。
基本的なパフォーマンスは考え方です。

現在の能力 ー 疲労 = パフォーマンス 

そしてパフォーマンスは練習中で伸びていくわけではなく、休息中に伸びていく。ということです。
ではこの停滞したパフォーマンスをどう伸ばしていくのかというと、回復をしっかりと取り入れた練習を繰り返し行うことです。

単純に一言で書くならば、踏むときは死ぬほど踏んで、休むときは本気で休む。これです。
バランスです。
練習を本気でできる人は多くとも、回復を本気で行っている人はそう多くはないのではないかと思います。


▶期間ごとの回復
✓日単位の回復
毎日休むということではありません。
その日の練習が終わった直後からすでに回復が始まっています。
しかし一般的な人であれば仕事や家事等があり、ただ回復目的の休息をするだけの生活は厳しいです。
それでも明日の練習に備えて、できるだけの回復の助けになることを行うことです。
まずは少しでも睡眠時間を多く取ることです。歳を重ねるにつれて、疲労度に合わせて睡眠が浅くなったりもします。それでも少しでも質の高い睡眠を目指して、寝る前のディスプレイを避けたり快適な寝具を選んだりすることです。
食べることも大切です。どか食いが良いわけではありません。良質な栄養をを含んだ食事を適量摂ります。
温めのお湯にじっくりと温まるお風呂も効果があると感じています。
このように人としての生活を守りながらも、回復力を高める休息を1日の中で無理のない範囲で行っていくことはとても大切なことです。
練習日1日の中で練習と回復を考慮する、ということです。

✓週単位の回復
1週間の中での回復です。
例えば毎日練習をするとしても、強度が高い練習だけを続けることはできません。
もしもそれが長期間にわたってできているとするならば、それは本当に高い強度ではなくなっていることが考えられます。強度のメリハリが大切です。

どの程度の強度で1週間のうち何日を休むのか、というのは回復力は遺伝子によって変わることで個人差が大きいとのことでこの塩梅は難しいところです。指標としては経験的なことも必要にはなってきますが、要は質の高い練習で高強度時に狙った強度の練習ができるだけ良い状態でできるように、強度のバランスや休息を取り入れるという方法もあります。
つまり一週間の中での練習と回復のバランスを考える、ということです。
通常は週1~3回ぐらいの休息日を設け、強度や回復に応じて調整することが多いようです。

これは時期にもよって変わってくるということです。
例えば春頃からシーズンが始まるとすると、冬場は低強度~中強度が多く、暖かくなるなるにつれて強度が上がってきて高強度が増えてくるにしたがって中強度が減り、低強度と高強度がメインになってくる。そんな方法もあるようです。


✓月単位の回復
3、4週間毎に休息する期間を設けます。
運動負荷を下げる期間は3~7日間です。
※年齢が高くなれるほどに頻繁な回復期間が必要になります。
前週の練習のハードさ、パフォーマンスの向上具合い等を総合的に見て判断する必要があります。
2~3週間負荷を高める練習を行うことで、疲労が蓄積しパフォーマンスが下がります。疲労で下がったパフォーマンスを上げるために、疲労を抜きます。

月単位の休息は、3~4週間毎に(マスターズ以降はより頻回)積極的に強度を落とす期間を作り、体だけではなく心の回復にも当てるということです。



▶休息後
よく聞くお話としてこんなことがあります。
1~2日休んでもパフォーマンス上がらないし、むしろ休息後は落ちるから休みづらい、です。
よくわかります。
なぜならばワタクシ自身でも経験があるからです。

確かに毎月2000~2500km以上乗っていた時期は特にこの傾向が強かったです。
はっきりといって無茶です。
疲労は困憊しすぎていて1日や2日休んだってパフォーマンスが上がることはありませんでした。
休んでもパフォーマンスが上がらない、むしろ休息後は心臓がドキドキしてしまったり、休めないループにハマっていました。
しかしそんなことをやっていてはパフォーマンスが向上することは有りませんでした。
良い言い方をするならば疲労が溜まっていても乗れる、走れる体、悪い言い方をすれば常に疲労があり走れるけれども強度が上げられない体になっていました。

これは冬場等の乗り込みの時期ならまだしも、これがシーズン・インしてもこれだったので目も当てられません。

定期的にしっかりと休み、疲労を抜く習慣がついていれば、1日2日休んだとしてもパフォーマンスが落ちることはなくなります。


▶経験的なお話
ワタクシの場合の経験的なお話しです。

例えばです。3日間連続で練習の例でみてみます。
高、中、高であったり、高、高、中です。
調子が良いときであれば、高、最強、中です。
しかし3日間連続となると、これ以上の強度の練習はできませんでした。
※最強:記録に挑戦するぐらいの最強強度

これはやりすぎだと感じています。
というのも2~3週間ぐらい、もう少し長い期間の場合は最大で4週間位、こんな練習を続けるとピタッと伸びなくなります。
本当に面白いぐらい記録の伸びが止まりますし、場合によっては下がります。
こうなっては練習をしている意味がありません。

成長することが目的のはずなのに、練習することが目的となってしまっている状態です。

ですので最大でも3週間にしておいて、その後はしっかりと休息、そしてまたパフォーマンスを伸ばしていくことを目的として練習が必要だと感じてます。
ただしこの例はワタクシの経験に基づく例であり、万人向けであるかと言われれば多分その限りではありません。


▶まとめ
近頃つくづく思いますが、次週には42歳になりますが休息は自分が思っている以上にしっかりと取り入れないといけないということです。回復力も明らかに若い頃に比べて落ちてきています。
それでも数年前よりもパワーは上昇傾向にあります。
このままの流れで富士ヒルまでにはあと20W位向上して、5.3倍ぐらいまで持っていきたいと考えております。高地に弱いので経験的に当日は12%以上は落ちると思います。
数値的な目標を持つことも大切だと思います。
そのためには何をしたら良いのかということですが、練習したことに満足するのではなく、数値をしっかりと見てあくまでもパフォーマンスを伸ばすことを目的とした練習を積み重ねていきたいと思います。

そして冒頭にも書きましたが、練習は回復・休息まで含めての練習です。
練習だけではなく回復や休息を本気でできないと、パフォーマンスの向上は見込めないです。

正確にはある程度のところまでは休息等は適当でも成長します。
しかし”ツケ”のように確実に自分に返ってきます。
このいわゆる”ツケ”である疲労こそが最大の天敵です。

休息・回復を最大限にとりつつ地道に積み上げていくこと、これこそがパフォーマンスを向上させる唯一の方法なのではないかと感じています。
ということで今回はパフォーマンスのための休息・回復でした。



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