ヒルクライム、超得意です!という方はあまり多くはないのではないかと思います。(山のほとんどない千葉県民だから?)
逆にヒルクライム苦手ですというお話は比較的よく聞くお話しです。ワタクシもヒルクライムは苦手意識が非常に強いです。
ではなぜヒルクライムに苦手意識があるのかというと、根本的な問題として単純に上っていないから、基本的に練習していないのに得意になることもなかなかもって難しいことだと思います。ダンシング等でも同じことです。
ですが単純に上っていないから、ではちょっとあれなので、もう少し深堀りしてみようと思います。
ということで今回はヒルクライムが苦手な理由を考えてみた、そんなお話しです。

▶パワーの使い方
本題に入る前にまずパワーの使い方に関して考えてみます。
パワーは限りある資源のようなものだと考えております。
使えば使うだけ減っていきますし、無限に取り出すことはできません。
パワーを取り出せる要因よりも、パワーを取り出せない・取り出しにくくなる要因の方多いということは明らかです。マイナス要因は単純に疲労だけではなく調子、気温、路面状況その他の条件等様々なことでパワーは出づらくなります。
パフォーマンスは本来の能力からこれらのマイナス条件を引いた結果です。
その中の1つとしてヒルクライム、という条件もあります。
では何がぶら下がって、ヒルクライム時にはパフォーマンスを落としてしまうのか、ということですが、少しだけ寄り道をしパワーの話です。
▶パワーの話
基本的なパワーの話ですが、パフォーマンスはグラフで表すこともできます。
そんなに単純な話ではないものもありますし、逆にものすごく単純な話でもあります。
まずは単純な方のパワーグラフです。
かなりざっくりですが、このようなイメージです。

強度と時間のパワーカーブです
超高強度は短時間しかもちませんし、強度が下がってくるに従って持続時間は長くなってきます。
※正確なパワーカーブを出すためには各時間に合わせて全力走行をするしかありません。
簡単にですが、この時間はこのパワー以上は出せない、というのがパワーカーブです。
ですのでこの時間の限界までパワーを使用してしまうと、その後は多かれ少なかれ絶対にたれます。ですのでこの超えられない限界を下回るように走る、逆に言えばこれは超えられない限界です。(超えられた場合は成長か限界まで追い込めていなかったかどちらかです。)
それとともに回数もそうです。インターバル耐性というものです。
我らがサイクリストバイブルではマッチで例えられたりもしますが、何本マッチを燃やせるのか、ということでどのぐらいの高強度であれば何回出せるのか、また休息との関係性もあります。
ということで難しく考えずに単純に考えます。このように高強度に入る回数が多ければ多いほど、時間が長ければ長いほどバテますしたれます。
ではなぜこのように(わかっていたとしても)ヒルクライムではパワーを出してしまうのか、というとパワーが出やすくもあり、出しやすくもあり、そして出さざるを得ない場合があるからです。
▶ヒルクライムでパワーが出やすい要因
基本的にヒルクライムのほうがパワーが出やすい人、逆にヒルクライムではパワーの出にくい人、双方がいると思います。一般的にはヒルクライムの方がパワーが出やすい傾向にあるようです。
平地の場合、高いパワーを出し続けることで速度がどんどん上がっていきます。
物理的に速い速度で走り続けられる良い条件のコースがない、ということもあると思います。
速度が上がれば上がるだけバイクコントロールも繊細になりますし、空気抵抗や機材抵抗も増えていきます。それとともに速度に対しての恐怖心、安全性の面も不安が出てきます。
環境と速度域への慣れ、ということが平地での苦手意識へつながる場合もあるようです。
それがヒルクライムの場合、高いパワーを維持しても速度が平地のようにどんどん上がっていくこともありません。またペダルも自然に重たくなりますので、平地ほど速度も上がりません。
重力に逆らうヒルクライムではパワーをペダルにかけやすい状況です。
また平地TTよりも上りのほうがセグメント等もあり、頑張る練習をしっかりとしている場合もあると思います。

▶ヒルクライムが苦手な理由を考える
前述のようにヒルクライム時には平地よりもパワーが出しやすい、出やすい傾向にあります。
また出しやすいだけではなく、出さざるを得ない場合もあります。
結果的に限界を超えてしまう、ということです。
特に初心者や不慣れな場合はその傾向が強いです。
ではなぜパワーを出し過ぎになってしまうのか、これらはヒルクライムがきつく感じる、苦手意識の原因になっている場合が多いです。
これらを元にヒルクライムが苦手な理由を考えてみます。
①タイムアタックにおける走り方
平地とヒルクライムの違いを考えてみます。
平地であれば極端に負荷が増えることもないと思います。ですので例えばこの区間を全力でできるだけ速く走るとするならば、常に95%でギリギリ垂れない強度でゴールを目指すという場合が多いと思います。
逆にこのタイムアタック中にいきなり高強度をバンバン織り交ぜながら走ることはあまりないと思います。思いっきり踏んで、また休んで、またちょっと回復したら思いっきり踏んで、、、これでは良いタイムが出ることは多分ありません。
頭の中で考えてもこれではめちゃくちゃ非効率だということがわかるかと思います。
ではこれがヒルクライムともなると、、、95%で走っていて100%を超えてはいけないとわかっていつつも、どうしても勾配の変化等で速度が落ちたりすることでついつい踏んでしまう。危険領域まで突っ込んでしまうということです。
平地のタイムアタックでは非効率ということはわかっていますので、絶対にやらないのにヒルクライムではなぜ?というものすごく単純なお話しです。
これはヒルクライムだけではなく強風や向かい風に苦手意識を持っている人でもありがちなことですが、向かい風が吹いたときに頑張りすぎてしまうことで後からたれてしまう、ということです。基本的には向かい風であっても変速をうまく利用してできるだけパワーの上がり下がりが小さくなるように走るほうが効率が良いです。
②足りないギアとダンシング
前述のようにパワーの上がり下がりを少なく、適切なギアを選択して走りたいのですが、単純にギアが足りなくなる問題もあります。
そんなときはどうするのかというと、普段は踏まないような重たいギアを踏まされたり、ダンシングをしたりもします。ではダンシングは得意かというとおそらくあまり得意ではなく、慣れないダンシングで更に心肺機能に負担をかけてしまうことにもなります。また急勾配区間をエイっ!とダンシングで乗り越えようと試みるものの、やっぱり先が長すぎて腰を下ろしてシフトダウンそして減速、これも決して効率的とは言えない状態です。
こういったときの見極めも経験的なこともありますので、やはり経験不足から苦手意識が出てしまうことはあると思います。
③休み所
そしてヒルクライムの場合、休みどころがない場合があります。
平地と違ってここで一息入れたい、少しだけ呼吸を整えて、という箇所がない場合も多いです。
前述のように勾配がきつくギアも足りなく、強度を上げさせられてしまっている状態が続くこともあります。
もちろん理想は前述のようにドボンをしないようにギリギリの強度で走りたいのですが、勾配の変化等で重いギアを踏まされることで思わぬ高強度を踏んでしまいます。
平地であれば、ギリギリのラインでドボンをしない強度で走りやすいですが、ヒルクライムの場合がほっとけばブレーキがかかるような状態ですし、何もしなければ下がってしまいます。
この休み所のなさ、これも不意に限界を超えるようなパワーを出させられてしまう要因にもなります。
④ポジション
傾斜によってバイクは傾きます。
当然全く同じポジションで同じように踏める、回せるわけではなく傾斜によっても重力があり重心、サドルとペダルの位置関係等が変わります。
よく言われるのでサドルの前の方に座って、ということですがこれも合う合わないがあります。また傾斜によっても変わりますし、それこそサドル形状にとよっても全然変わることです。
ちなみにワタクシの場合は、前の方に座ることを意識してしまうと、ツッコミすぎになって全然ダメです。完全に平地向けのポジション作りをしていますのでヒルクライム、特に激坂系となるとやはり慣れていないせいもあってパワーが出づらいです。
傾斜がきついときの踏み方、回し方も経験値が必要なことです。

▶初心に返ってみる
初心者の頃、上り切ることが難しいようなヒルクライムや山があったとします。(根性坂とか)
上り切るためにはどうしますか?と言ったらできるだけ体力を残して残して、休めるところで休んで少しづつでも上っていくと思います。これしか足つきをしないで上り切る方法はないとも思います。
これはヒルクライムならではなのですが、なぜかと言えば平地で無理をしないことよりも、ヒルクライム時に無理をしないことのほうが難しいからです。重力に逆らい続ける必要があるからです。
では上りきれるようになると、上れるようになることは嬉しいことですが、余裕が出てくるとやはり無駄にパワーを使ってしまう場合があります。
なぜ初心者の頃、我慢して我慢して上り切れるようにパワーをセーブすることを覚えたのに、再びパワーをセーブせずに踏んでしまうのかということですが、余裕が出ることで上り切ることだけではなく、タイム等を気にしてしまうからです。もちろん悪いことではありません。
ではどうすればよいのか、というと上りきれるギリギリのパワーの使い方で上っていく、ということつまりパワーマネジメントの重要さ、ということだと考えております。
▶富士ヒルで考える対策
前述のように勾配がきついところで頑張りすぎてしまう。そして勾配がゆるくなって同じパワーで走ることで自然に加速していくはずなのですが、度重なる頑張りが尾を引いてしまい、その後の加速についていけないパターンはよくあることです。いわゆる平地区間踏めない病ですが単純なお話です。
3ヶ月を切った富士ヒルを例に考えます。
富士ヒルのようなヒルクライムで集団から落ちるパターンです。
富士ヒルのスバルラインは勾配のきつい箇所とゆるい箇所の繰り返しです。キツイところで離れてしまう場合もありますし、キツイところで頑張りすぎて平地で離れてしまうこともあります。
キツイところで離れてしまうのは、単純なパワー不足というかいわゆる足が合わない可能性が高いです。
では平地で離れてしまう場合ポイントとしては、勾配がきつい区間でもある程度余裕を残して、勾配のきつい区間だけで完結するわけではなく、勾配を超えたあとも休まないようにする、という意識をもつことです。
そして限界を超える前に早めに見切りをつけること、そもそも平地で離れてしまう場合もその前走者についていくことは難しい場合が多いです。その後30分以上続くのに、限界近くで走り続けるのはかなり厳しいことです。
逆に加速で離れなければ加速が落ち着く頃にはパワーは落ち着きなんとかついていくことができます。休める可能性があるとすれば、急勾配を超えたあとの加速を乗り越えた先です。しかしその後すぐに急勾配が来る可能性も十分にあるのが悲しいところです。
こういったことを頭に入れたペーシングは大切なことです。
ですのでポイントとしては頑張るのも良いのですが、ヒルクライムはそこで完結するわけではなく、上り終えた後ももう少し続く、というぐらいのイメージが良いです。
※これは集団の大きさや自分の位置にもよって変わりますので、ご注意ください。
集団は大きくなればなるほど、後方のほうが加速がきつくなります。

▶対策 全体を意識したペース配分
まずはペース配分ということは非常によく聞くお話ですが、ワタクシ自身も最も苦手とする分野です。
単純にこんぐらいけるっしょ!→いけなかった、ですorz
行けるところまで全力で踏んであとはひたすら我慢する。こんなことを経験不足でやっていては、結局我慢ができずに後半たれてしまう。という典型的なダメパターンです。
10分や20分ぐらいであればなんとかなるかもしれませんが、それ以上となるとやはりパワーマネージメントをしっかりしたほうが良いです。
実走の場合は極論、パワーは高かろうが低かろうがタイム次第です。レースでもパワーで結果を見るのではなく結果はタイム次第だからです。ですが実走ともなるとたとえヒルクライムだとしても、タイムに及ぼす影響(外的な要素)がものすごく大きいので、現在ではパワーを一つの指標として考える場合が多いです。パワーは使い方を間違えなければ、とても便利な数値です。
(これが難しいことで、パワーを意識するのですが最終的にはタイムを気にするという、ある意味ジレンマ的なお話なのです。)
ですのでパワーを指標として考え、理想は30分のヒルクライムであれば30分を踏んで最大の平均パワーを出すこと、パワーの上げ下げなく平均的にです。逆にパワーの上がり下がりが多い場合、インターバルトレーニングの様になり、きつくなってしまうことが多いです。
ということが教科書的なお話かと思うのですが、多少なりとも上げ下げは出てきてしまいます。だって人間だもの、、、ではなくて勾配の変化や風、路面状況その他諸々の外的な要因が複雑に絡み合うのが実走ならではのお話しです。
それでもできるだけ極端なインターバルは避け、適切なギアを選択するための変速・スキル等の経験値的なところは、重要なポイントだと思います。
特に長いヒルクライムのTTでは意外と全開の全開で走ったときと、ちょっともう一息残すペースで上ったときの差、そこまで大きくない場合が多いです。
▶まとめと対策
単純な話ヒルクライムが苦手な場合、例えばですがシンプルに言うならば、
✓周りに流されずに自分のペースを保つ(ある程度は頑張る必要も)
✓自分の限界を見定める
✓変速をしっかりと使う
✓ギア比を考える
そして大切なのは経験です。
できればしっかりと上りの経験値を積みたいところですが、お住まいや諸々事情もあると思います。
大きな山が近くにほしいと思いつつ、結局のところ教科書通りのお話でまとまりましたが、今回は平地とヒルクライム、ヒルクライムが苦手な理由から対策を考えてみた、そんなお話でした。
パワーメーターは練習のお供です。
ない場合は、心拍計でも良いと思いますがなにか指標があれば、やはり練習はやりやすいです。
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
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(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
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逆にヒルクライム苦手ですというお話は比較的よく聞くお話しです。ワタクシもヒルクライムは苦手意識が非常に強いです。
ではなぜヒルクライムに苦手意識があるのかというと、根本的な問題として単純に上っていないから、基本的に練習していないのに得意になることもなかなかもって難しいことだと思います。ダンシング等でも同じことです。
ですが単純に上っていないから、ではちょっとあれなので、もう少し深堀りしてみようと思います。
ということで今回はヒルクライムが苦手な理由を考えてみた、そんなお話しです。

▶パワーの使い方
本題に入る前にまずパワーの使い方に関して考えてみます。
パワーは限りある資源のようなものだと考えております。
使えば使うだけ減っていきますし、無限に取り出すことはできません。
パワーを取り出せる要因よりも、パワーを取り出せない・取り出しにくくなる要因の方多いということは明らかです。マイナス要因は単純に疲労だけではなく調子、気温、路面状況その他の条件等様々なことでパワーは出づらくなります。
パフォーマンスは本来の能力からこれらのマイナス条件を引いた結果です。
その中の1つとしてヒルクライム、という条件もあります。
では何がぶら下がって、ヒルクライム時にはパフォーマンスを落としてしまうのか、ということですが、少しだけ寄り道をしパワーの話です。
▶パワーの話
基本的なパワーの話ですが、パフォーマンスはグラフで表すこともできます。
そんなに単純な話ではないものもありますし、逆にものすごく単純な話でもあります。
まずは単純な方のパワーグラフです。
かなりざっくりですが、このようなイメージです。

強度と時間のパワーカーブです
超高強度は短時間しかもちませんし、強度が下がってくるに従って持続時間は長くなってきます。
※正確なパワーカーブを出すためには各時間に合わせて全力走行をするしかありません。
簡単にですが、この時間はこのパワー以上は出せない、というのがパワーカーブです。
ですのでこの時間の限界までパワーを使用してしまうと、その後は多かれ少なかれ絶対にたれます。ですのでこの超えられない限界を下回るように走る、逆に言えばこれは超えられない限界です。(超えられた場合は成長か限界まで追い込めていなかったかどちらかです。)
それとともに回数もそうです。インターバル耐性というものです。
我らがサイクリストバイブルではマッチで例えられたりもしますが、何本マッチを燃やせるのか、ということでどのぐらいの高強度であれば何回出せるのか、また休息との関係性もあります。
ということで難しく考えずに単純に考えます。このように高強度に入る回数が多ければ多いほど、時間が長ければ長いほどバテますしたれます。
ではなぜこのように(わかっていたとしても)ヒルクライムではパワーを出してしまうのか、というとパワーが出やすくもあり、出しやすくもあり、そして出さざるを得ない場合があるからです。
▶ヒルクライムでパワーが出やすい要因
基本的にヒルクライムのほうがパワーが出やすい人、逆にヒルクライムではパワーの出にくい人、双方がいると思います。一般的にはヒルクライムの方がパワーが出やすい傾向にあるようです。
平地の場合、高いパワーを出し続けることで速度がどんどん上がっていきます。
物理的に速い速度で走り続けられる良い条件のコースがない、ということもあると思います。
速度が上がれば上がるだけバイクコントロールも繊細になりますし、空気抵抗や機材抵抗も増えていきます。それとともに速度に対しての恐怖心、安全性の面も不安が出てきます。
環境と速度域への慣れ、ということが平地での苦手意識へつながる場合もあるようです。
それがヒルクライムの場合、高いパワーを維持しても速度が平地のようにどんどん上がっていくこともありません。またペダルも自然に重たくなりますので、平地ほど速度も上がりません。
重力に逆らうヒルクライムではパワーをペダルにかけやすい状況です。
また平地TTよりも上りのほうがセグメント等もあり、頑張る練習をしっかりとしている場合もあると思います。

▶ヒルクライムが苦手な理由を考える
前述のようにヒルクライム時には平地よりもパワーが出しやすい、出やすい傾向にあります。
また出しやすいだけではなく、出さざるを得ない場合もあります。
結果的に限界を超えてしまう、ということです。
特に初心者や不慣れな場合はその傾向が強いです。
ではなぜパワーを出し過ぎになってしまうのか、これらはヒルクライムがきつく感じる、苦手意識の原因になっている場合が多いです。
これらを元にヒルクライムが苦手な理由を考えてみます。
①タイムアタックにおける走り方
平地とヒルクライムの違いを考えてみます。
平地であれば極端に負荷が増えることもないと思います。ですので例えばこの区間を全力でできるだけ速く走るとするならば、常に95%でギリギリ垂れない強度でゴールを目指すという場合が多いと思います。
逆にこのタイムアタック中にいきなり高強度をバンバン織り交ぜながら走ることはあまりないと思います。思いっきり踏んで、また休んで、またちょっと回復したら思いっきり踏んで、、、これでは良いタイムが出ることは多分ありません。
頭の中で考えてもこれではめちゃくちゃ非効率だということがわかるかと思います。
ではこれがヒルクライムともなると、、、95%で走っていて100%を超えてはいけないとわかっていつつも、どうしても勾配の変化等で速度が落ちたりすることでついつい踏んでしまう。危険領域まで突っ込んでしまうということです。
平地のタイムアタックでは非効率ということはわかっていますので、絶対にやらないのにヒルクライムではなぜ?というものすごく単純なお話しです。
これはヒルクライムだけではなく強風や向かい風に苦手意識を持っている人でもありがちなことですが、向かい風が吹いたときに頑張りすぎてしまうことで後からたれてしまう、ということです。基本的には向かい風であっても変速をうまく利用してできるだけパワーの上がり下がりが小さくなるように走るほうが効率が良いです。
②足りないギアとダンシング
前述のようにパワーの上がり下がりを少なく、適切なギアを選択して走りたいのですが、単純にギアが足りなくなる問題もあります。
そんなときはどうするのかというと、普段は踏まないような重たいギアを踏まされたり、ダンシングをしたりもします。ではダンシングは得意かというとおそらくあまり得意ではなく、慣れないダンシングで更に心肺機能に負担をかけてしまうことにもなります。また急勾配区間をエイっ!とダンシングで乗り越えようと試みるものの、やっぱり先が長すぎて腰を下ろしてシフトダウンそして減速、これも決して効率的とは言えない状態です。
こういったときの見極めも経験的なこともありますので、やはり経験不足から苦手意識が出てしまうことはあると思います。
③休み所
そしてヒルクライムの場合、休みどころがない場合があります。
平地と違ってここで一息入れたい、少しだけ呼吸を整えて、という箇所がない場合も多いです。
前述のように勾配がきつくギアも足りなく、強度を上げさせられてしまっている状態が続くこともあります。
もちろん理想は前述のようにドボンをしないようにギリギリの強度で走りたいのですが、勾配の変化等で重いギアを踏まされることで思わぬ高強度を踏んでしまいます。
平地であれば、ギリギリのラインでドボンをしない強度で走りやすいですが、ヒルクライムの場合がほっとけばブレーキがかかるような状態ですし、何もしなければ下がってしまいます。
この休み所のなさ、これも不意に限界を超えるようなパワーを出させられてしまう要因にもなります。
④ポジション
傾斜によってバイクは傾きます。
当然全く同じポジションで同じように踏める、回せるわけではなく傾斜によっても重力があり重心、サドルとペダルの位置関係等が変わります。
よく言われるのでサドルの前の方に座って、ということですがこれも合う合わないがあります。また傾斜によっても変わりますし、それこそサドル形状にとよっても全然変わることです。
ちなみにワタクシの場合は、前の方に座ることを意識してしまうと、ツッコミすぎになって全然ダメです。完全に平地向けのポジション作りをしていますのでヒルクライム、特に激坂系となるとやはり慣れていないせいもあってパワーが出づらいです。
傾斜がきついときの踏み方、回し方も経験値が必要なことです。

▶初心に返ってみる
初心者の頃、上り切ることが難しいようなヒルクライムや山があったとします。(根性坂とか)
上り切るためにはどうしますか?と言ったらできるだけ体力を残して残して、休めるところで休んで少しづつでも上っていくと思います。これしか足つきをしないで上り切る方法はないとも思います。
これはヒルクライムならではなのですが、なぜかと言えば平地で無理をしないことよりも、ヒルクライム時に無理をしないことのほうが難しいからです。重力に逆らい続ける必要があるからです。
では上りきれるようになると、上れるようになることは嬉しいことですが、余裕が出てくるとやはり無駄にパワーを使ってしまう場合があります。
なぜ初心者の頃、我慢して我慢して上り切れるようにパワーをセーブすることを覚えたのに、再びパワーをセーブせずに踏んでしまうのかということですが、余裕が出ることで上り切ることだけではなく、タイム等を気にしてしまうからです。もちろん悪いことではありません。
ではどうすればよいのか、というと上りきれるギリギリのパワーの使い方で上っていく、ということつまりパワーマネジメントの重要さ、ということだと考えております。
▶富士ヒルで考える対策
前述のように勾配がきついところで頑張りすぎてしまう。そして勾配がゆるくなって同じパワーで走ることで自然に加速していくはずなのですが、度重なる頑張りが尾を引いてしまい、その後の加速についていけないパターンはよくあることです。いわゆる平地区間踏めない病ですが単純なお話です。
3ヶ月を切った富士ヒルを例に考えます。
富士ヒルのようなヒルクライムで集団から落ちるパターンです。
富士ヒルのスバルラインは勾配のきつい箇所とゆるい箇所の繰り返しです。キツイところで離れてしまう場合もありますし、キツイところで頑張りすぎて平地で離れてしまうこともあります。
キツイところで離れてしまうのは、単純なパワー不足というかいわゆる足が合わない可能性が高いです。
では平地で離れてしまう場合ポイントとしては、勾配がきつい区間でもある程度余裕を残して、勾配のきつい区間だけで完結するわけではなく、勾配を超えたあとも休まないようにする、という意識をもつことです。
そして限界を超える前に早めに見切りをつけること、そもそも平地で離れてしまう場合もその前走者についていくことは難しい場合が多いです。その後30分以上続くのに、限界近くで走り続けるのはかなり厳しいことです。
逆に加速で離れなければ加速が落ち着く頃にはパワーは落ち着きなんとかついていくことができます。休める可能性があるとすれば、急勾配を超えたあとの加速を乗り越えた先です。しかしその後すぐに急勾配が来る可能性も十分にあるのが悲しいところです。
こういったことを頭に入れたペーシングは大切なことです。
ですのでポイントとしては頑張るのも良いのですが、ヒルクライムはそこで完結するわけではなく、上り終えた後ももう少し続く、というぐらいのイメージが良いです。
※これは集団の大きさや自分の位置にもよって変わりますので、ご注意ください。
集団は大きくなればなるほど、後方のほうが加速がきつくなります。

▶対策 全体を意識したペース配分
まずはペース配分ということは非常によく聞くお話ですが、ワタクシ自身も最も苦手とする分野です。
単純にこんぐらいけるっしょ!→いけなかった、ですorz
行けるところまで全力で踏んであとはひたすら我慢する。こんなことを経験不足でやっていては、結局我慢ができずに後半たれてしまう。という典型的なダメパターンです。
10分や20分ぐらいであればなんとかなるかもしれませんが、それ以上となるとやはりパワーマネージメントをしっかりしたほうが良いです。
実走の場合は極論、パワーは高かろうが低かろうがタイム次第です。レースでもパワーで結果を見るのではなく結果はタイム次第だからです。ですが実走ともなるとたとえヒルクライムだとしても、タイムに及ぼす影響(外的な要素)がものすごく大きいので、現在ではパワーを一つの指標として考える場合が多いです。パワーは使い方を間違えなければ、とても便利な数値です。
(これが難しいことで、パワーを意識するのですが最終的にはタイムを気にするという、ある意味ジレンマ的なお話なのです。)
ですのでパワーを指標として考え、理想は30分のヒルクライムであれば30分を踏んで最大の平均パワーを出すこと、パワーの上げ下げなく平均的にです。逆にパワーの上がり下がりが多い場合、インターバルトレーニングの様になり、きつくなってしまうことが多いです。
ということが教科書的なお話かと思うのですが、多少なりとも上げ下げは出てきてしまいます。だって人間だもの、、、ではなくて勾配の変化や風、路面状況その他諸々の外的な要因が複雑に絡み合うのが実走ならではのお話しです。
それでもできるだけ極端なインターバルは避け、適切なギアを選択するための変速・スキル等の経験値的なところは、重要なポイントだと思います。
特に長いヒルクライムのTTでは意外と全開の全開で走ったときと、ちょっともう一息残すペースで上ったときの差、そこまで大きくない場合が多いです。
▶まとめと対策
単純な話ヒルクライムが苦手な場合、例えばですがシンプルに言うならば、
✓周りに流されずに自分のペースを保つ(ある程度は頑張る必要も)
✓自分の限界を見定める
✓変速をしっかりと使う
✓ギア比を考える
そして大切なのは経験です。
できればしっかりと上りの経験値を積みたいところですが、お住まいや諸々事情もあると思います。
大きな山が近くにほしいと思いつつ、結局のところ教科書通りのお話でまとまりましたが、今回は平地とヒルクライム、ヒルクライムが苦手な理由から対策を考えてみた、そんなお話でした。
パワーメーターは練習のお供です。
ない場合は、心拍計でも良いと思いますがなにか指標があれば、やはり練習はやりやすいです。
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※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
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コメント
コメント一覧 (2)
パワーメーター導入して今までいかに坂で踏み過ぎていたかが分かりました、、、
それと坂では上体を起こして〜と言う意見もよく見かけますが、個人的には逆に勾配に応じて前傾を深くした方が上りやすいです。
短い上りはゴリ押しでもいけますが(笑)長くなってくるとペーシングは本当に大切だと感じています。忍耐力が試されるヒルクライム、やはり苦手です^^;