当店でも取り扱いをさせていただいておりますCHAPTER2のバイク、RIRAです。
CHAPTER2との出会いは数年前の富士ヒルの会場でした。当時カーボン柄が透ける仕上げがとても美し印象を残したメーカーです。

CHAPTER2のRIRAはマオリ語で「パワー、力強さ」を意味する、軽量オールラウンダーです。
感情が爆発するほど力いっぱい峠を登り、頂上では雄大な景色を眺める。まるでタイムトラベルしているかのように気持ちが高揚するダウンヒル。長く続く道をどこまでも走り続けていく。ロードバイクの美しさを体現するために造り上げられたのが『RIRA』です。
 
CHAPTER2開発チームが最も重要視したのは節約ワット数でも、軽量性でもなく、サイクリング本来の魅力を愉しめる「ライドフィール」です。素材は東レのT1100カーボンを使用し剛性対重量比はもちろん、BBドロップをサイズごとに変化させるなど緻密に調整する事で、「敏捷性に富んだ軽快さ」と「パワーを余すことなく伝える」バランスのよさで、ライダーの心に響く走りを目指しました。
 
各種の規格は現在の標準規格に合わせており、T47(85.5㎜)BBに最大タイヤ幅32㎜と、ハイスピードからコンフォートまで対応できる懐の深さも備えています。
公式HPより
フレームの説明は公式にお任せいたしますm(_ _)m

CHAPTER2の組み上げは大人の事情で(笑)しばらくぶりの作業です。
今回はいつもとは少し変えて、組み上げではなくCHAPTER2のRIRAを組んでみての、 良いポイントと注意点をご紹介をさせていただこうと思います。
ということで今回はCHAPTER2 RIRA を組みつつ、良いポイントと注意点をご紹介、そんなお話しです。


早速こちらです。
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こちらはBLUE + UD DIGITALというカラーです。
CHAPTER2は基本的にカラーが限定品のようなイメージです。特定のカラーは限定数量があり、何本塗り終えたらこのカラーは終了、というものです。(以前そんなお話を伺いました。)
ですのでほしいカラーがある場合は、限定数に至る前に注文することをおすすめ致します。

ニョキッと生えているのは同社のTUMUシートポストです。
早速作業を進めていきたいと思います。

✓ポイント① コンプレッションリング

まずはこちらです。
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ヘッドパーツのコンプレッションリング、これが地味ですが非常に良いです。
ホースを通すには十分なスペースが有るということはさることながら、このコンプレッションリングは樹脂製です。
昨今の特に軽量フレームはコンプレッションリングとカーボンコラムの相性があまり良くありません。
というのもコンプレッションリングは金属製、コラムはカーボン製です。カーボンと金属の場合、金属のほうが硬くコンプレッションリングによるカーボンコラムの摩耗、これが起きてしまう場合があります。
そのための対策をとっているメーカーは親切な設計です。
例えばSPECIALIZEDはコラムに幅の広い金属のスリーブを被せて保護する構造で、先日ご紹介をしたFactorはコンプレッションリング自体がかなり幅が広く当たり面が広くれるようになっています。逆にTIME等はコラム側を強くするためにケブラー繊維で補強をしています。

ではCHAPTER2はというと前述のように樹脂製です。
カーボンよりも柔らかいと思しき素材で組むことで、コラムへの当たりを優しくするというものです。
こういった細かいことですが、長く使えるためのちょっとした気遣いが良いと思います。

✓ポイント② ダストカバーのシール構造
こちらです。
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このゴムのパッキンのようなパーツ、これが良いのです。
これは何かというと、、、
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ヘッドセットのダストカバーのパッキン的なシール的な存在です。
昨今のフル内装のヘッドセットはダストカバーにはシール構造がないものが増えています。というかむしろシール構造がある方が珍しいぐらいです。
しかし経験上のお話ですが、シール構造がないヘッドセットは本当に水分や汚れに弱いです。

更に画像ではありませんが、コンプレッションリングの上に位置するC型のシムスペーサーまで付属しています。シール構造にはシムスペーサーが必要な場合もありますので、こういったものの付属は非常に良いところだと思います。

✓ポイント③ ダイレクトマウントディレイラーハンガー
絶対にあったほうが良いです。
新品のフレームに付属するのはノーマルタイプのハンガーですが、付属でダイレクトマウントタイプが付属してきます。ダイレクトマウントは変速性能や利便性等を考慮しても、もう必須にしても良い装備です。
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また万が一ハンガーが破損してしまったときでも、ノーマルのハンガーでも予備としても手元にあることは心強いことです。

更にフロントは空力を重視した非貫通タイプのエンドを採用していますが、リアに至っては利便性を重視したのか、通常のエンドでハンガーパーツにねじ切りがしてあります。
これも狙ってかは不明ですが、結果的には親切な設計だと思います。

✓ポイント④ ホースクッション付属
これはもうフル内装構造であれば、必須なのではないかと思います。
フレーム内部でのホースが暴れることによる音鳴りを防止するためのクッション材です。
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昨今では付属するメーカーが多くなってきている印象です。
もうこれはどこのメーカーも必須で付属してほしいものです。

✓ポイント⑤ 27.2mmシートポスト
昨今シートポストも専用設計品が増えてきている中、新円形状の27.2mmのシートポストが使える構造です。純正品ではありませんが、CHAPTER2のTUMUというシートポストもラインナップにはありますが、それ以外でも使用することはできます。

専用設計のシートポストは空力やフレームとの剛性バランスを整えられる一方、シートポストは専用品以外使用することはできません。逆に真円形状の場合、汎用品が使えるので非常に利便性としては高いです。
どちらが絶対、ということではありませんが選択肢が広いのは汎用品を使える構造です。


✓注意点① 純正ハンドルの内部
CHAPTER2は汎用のハンドルも使用できる構造ですが、専用のハンドルもラインナップとしてあります。MANAという一体型ハンドルです。
このMANAハンドルは剛性もかなり高く、そのデザインがめちゃくちゃかっこいいのです。
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透けてみえるカーボン柄とデザインの入り方、個人的にどストライクでした。そしてSupacazのバーテープ、純正品のようなベストマッチです。
CHAPTER2のバイクはカーボン柄を活かした、いわゆるヌードカーボン的な塗装がものすごく印象的なメーカーです。実車を始めてみたのは数年前の富士ヒルの展示車でしたが、かなり欲しくなったのを覚えております。

そんなMANA一体型ハンドルですが、、、

内部のカーボンがちょっと乱れておりました。
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鋭い部分は滑らかになるように落としました。
これは構造的に出口入口付近がこうなりやすいですが、万が一内部で起きていた場合、特殊なカメラを使用しないと確認ができませんし、確認ができたとしても場所によっては対処ができない場所もあります。
昨今のハンドルバーは内部がものすごくきれいな製品が増えてきています。というか昨今ではWINSPACEやYOELEO等の製品は本当に綺麗です。逆に一流メーカーでもあまりきれいでない場合もよくあることです。
特に一体型ハンドルバーは内装することを前提としている構造であれば、内部の処理・状態もしっかりときれいであることは必須だと思うので、ここは要注意点として上げさせていただきました。

実際に通す作業、ホースの通りやすさは通りやすくも、通りづらくなくど真ん中ぐらいの印象でした。
※MANAはマウントが付属していないのも注意点としてあります。


✓注意点② 純正シートポストの構造
同じく別売りですが、純正のシートポストであるTUMUがあります。
27.2mm真円形状で超軽量です。
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軽いのは良いのですが、注意点があります。
まずそのヤグラの構造上、カーボンのシートレールのサドルの場合、使えない製品があります。
上下のレールクランプが面でレールを支えるというよりかは、レールを支える部分が非常に狭い構造です。ですので使えるサドルを選ぶ構造、ということになります。

そしてもう一つの注意点ですが、ポジション的な問題です。
この構造はオフセット0mmどころではなく、若干オフセットがマイナス方向になります。
このままでは見づらいので線を入れてみます。
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オフセットとはシートポストの芯からヤグラまでの位置関係のことです。
赤の点線がシートポストの芯です。
芯上にヤグラセンターが来る場合、オフセットが0mmということなります。
緑色の丸の部分、シートポストの芯から少し後方にヤグラセンターが来る場合、(数値は様々ですが)オフセットが20mm等になります。(10mmや15mm、25mm等様々なオフセットがあります。)

ですがこのTUMUシートポストは一見オフセットが0mmのように見えますが、実はヤグラセンターは芯よりも前に出ている構造になります。この構造はやはりオフセットがマイナス方向(前方)に出ていることになります。

また実際にレールをクランプする部分が構造的にかなり広いです。そのためサドルの前後の調整幅がかなり狭い構造となっています。

つまりポジションは構造的な問題で調整幅が狭く、かなり前乗りよりの調整が前提となってしまうということです。トラディショナルな乗り方を目指す場合は、ポジションが出づらいかもしれません。

▶まとめ
今回は久しぶりにCHAPTER2のバイクを組み上げさせていただきましたが、やはりユーザーのことをしっかりと考慮し、利便性が高い設計となっているように感じました。
1Wを節約するようなカリカリのレースバイクも良いと思いますが、RIRAはサイクリング本来の魅力を愉しめる「ライドフィール」を重視したバイクです。昨今ではこういったコンセプトはそこまで多いことではありませんが、個人的には何よりも乗って楽しいバイクが好きですので良いと思います。

ということで今回はCHAPTER2 RIRA を組みつつ、良いポイントと注意点をご紹介でした。

当店でも絶賛お取扱中の、CHAPTER2です。
ご不明点等お気軽にご相談をいただければと思います。


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