
ロードバイクは消耗品の塊です。
そしてメンテナンスも怠ることができません。
先日はヘッドパーツのグリスアップを行いましたが今回はクランク+BB部です。
BBも基本的には具合が悪くなるまで使って、だめになったら交換です。
もしくはWISHBONEはベアリングの打ち替えに対応しておりますが、すべてのBBが打ち替えができるわけではありません。というかむしろOKな製品のほうが少ないです。
過去にSUGINOからの案内が出たこともあります。
スギノ製BB取扱いについて
くれぐれもすべての製品が打ち替えが可能なわけではありませんので、ご注意下さい。
しかしクランクはというと、、、そうそう交換が必要になるパーツではありませんし、ましてやBBほどの頻度で交換するパーツでもありません。ではできるだけ長くきれいに使うためには?
ということも踏まえてのお話、クランク・BBを守る、BB部のグリスアップのポイントです。

▶BBが駄目になる原因
BBがだめになってしまう殆どの場合が、水分等(ディグリーザー類も含む)による悪影響です。
BBへの水の侵入は雨天やウエット時の走行だけではありません。
最近多いのは洗車によるものです。
基本的に洗車時に水のかけ方やかける場所によっては、BB部への水の侵入をさせてしまうことがありますので注意が必要です。
ワタクシの場合は完全に雨の走行時ですが、少なからず水が入ってしまうことがあります。
WISHBONEを例に見てみます。
WISHBONEのBBはベアリングがだめになってもお好みのベアリングに打ち替えられるので、ある意味かなりの長寿命で使えるとても良心的な構造のBBです。
そんなWISHBONEですがBBを外したときに、水が”ボタボタボタッ”と漏れ出てきたことがありました。数滴のポタポタではない、もう少し多い量です。
ではどこから水が出てきたのか、考えてみます。
該当車両、cervélo R3のBBシェルです。

※cervélo R3のBBシェル(BB-Right)
完全にカーボン製の筒が入る形状で、筒に穴等は一切ありません。
フレームの種類によってはシェルに穴があるものもあります。

※BH-G7 PROのBBシェル(BB386EVO)
このように穴があいていればフレーム・シェル内部からの水が入る可能性も考えられます。
しかしR3のBBシェルに穴一切なく、ある意味BBシェルが独立している空間に収まる構造です。
ではどこから入ったのか、ということを考えます。

①フレームとBBの隙間
②BBカップとベアリングの隙間
③クランク軸とBB(ベアリングシール)の隙間
この3種類しか構造的に水が入る経路はありません。
※厳密に言えばベアリングシール(WISHBONEアルミ製)とベアリングの隙間もあります。
①の場合はBBシェル内部に水がたまります。
②③の場合は、WISHBONE BBの内部に水がたまります。
このときはどちらに水が溜まっていたかは定かでは有りません。(もう少しちゃんと確認をしておけばよかったと後悔です。)というのも外した瞬間にボタボタボタッと出てきたので、どちらかが不明でした。
構造と自分の組み方を考えてみます。
①の隙間です。
こちらははっきり言ってかなり考えづらいです。
というのも、、、

BBとフレームの間は基本的にグリスがあふれるぐらいしっかりと塗っています。
(日本人の心”盛りこぼし”??(笑))
外す時のグリスの残り具合、さらにシェル内径とBB外径の差等を考慮してもココから入るのは非常に考えづらいです。

※洗車程度の水では負けません。
残るは②③です。
②と③の差を考えると②のほうが遥かに隙間が狭いです。
というのも②のBBカップにベアリングは圧入されておりそう簡単に外せるほどゆるくはありません。
しかし③のクランク軸とBBの隙間はというと、差し込むときは手でスパッと入るぐらいの隙間はあります。そのぐらいの交差がないとメンテナンス性が悪くなってしまうからです。
となるとやはり③の経路が一番怪しいです。
もちろんクランク軸にも必ずグリスを入れております。
それでもやはりある程度の侵入する可能性はあるということです。
クランクを外してみます。

クランク軸のベアリングの少し奥あたりに、薄っすらとサビが出ております。
それでも組付けの際にしっかりとグリスを入れてあり、長期間このまま使用をしていることがなければ、きれいにすることは可能な場合が多いです。
抜いたベアリングを見てもこう言ったサビはほぼありません。

※少々見づらいですが、ベアリングに錆はありません。
あくまでも結果論とはなりますが、水分は③の経路、ベアリングとクランク軸の隙間からBB内部へと侵入した。と考えるのが素直なことだと思います。(水分の侵入の100%が③のみということは言い切れません。)BBシェル内であればクランク軸は錆びません。クランク軸が錆びるということはBBの内部に水が侵入したということです。
これは社外製のBBの多くはクランク軸と、BBの接触面が金属であることが多いです。ベアリングに直でクランク軸を指すタイプ、TOKENやKCNC、プラクシス等内径24mmの特殊なサイズのベアリングを使用している場合と、WISHBONEのようにベアリングに厚み0.5mm程度のカバーを付けてクランク軸を通すタイプ(シマノのBBはこの構造)の2種類があります。
シマノのBBはBB側の接触面は樹脂製でできております。
シマノのBBを使用している方が水分の侵入が少なく感じます。というのも特に最近のシマノの樹脂製のBBはクランク軸を入れる際にかたい(入れづらい)ものが多いです。おそらく樹脂製で作られているので、多少きつくても水分が入りにくくなるように多少なりとも狭め、きつめに作られていると考えられます。水が侵入してクランク軸が錆びる、ということは長期的に見れば安全性にも関わることです。シマノの思想に沿っている感じがします。
と思って実測してみたところ、DURAでおよそ23.8mmm,72で23.6~23.8mmぐらいでやはり狭めの構造でした。
どちらの構造が絶対、ということではないと思います。
パーツ点数は少ないほうがダイレクト感は出ますし音対策になる場合もありますが、耐久性や利便性等を考慮するとカバーは多いほうが良い場合もあります。あとはカバーの寸法です。シマノのカバー狭いから悪いのではなくて、メーカーとしての思想の結果、ということだと考えられます。
では内部に侵入してしまったものはどうするのか、、、開けて抜くしか有りません。
クランク軸を外した際に確認をしたり、BBベアリングは消耗品ですので、その際に水の侵入があるかいなか、そして水の侵入があったときはどのように対策を取るべきなのか、それは十分に考慮する必要があります。
▶グリスアップ
ではこれらを踏まえてグリスアップしている場合です。
見てみます。
ちなみにかなりの豪雨にやられ、洗車をしたあとです。

開けてみます。
パワーメータークランクですがさすがのSHIMANO製です。

コネクター部には水分の侵入は有りませんでした。これがSHIMANOのすごいところです。

どんどんバラしていきます。

クランク軸に錆はありませんでしたし、水分の侵入の痕跡もありませんでした。

ベアリング部の外側のシール構造です。
これが超重要です。

ベアリングも問題なしです。
グリスをしっかりと入れて組み直します。


組み上げの際はSHIMANOの指定のグリス塗布のポイント(右クランクアームユニットの軸部)があります。

左のクランクアームは超重要なパーツも潰れがちなので確認をしておきます。

取り付け後は校正も忘れずに行います。

これで完了です。
▶まとめ
フレーム内部もそうですが、組み付け時にどんなに気をつけていても、どうしても水が入ってしまう構造があります。そんな場合はどうするのか、ということですが定期的にメンテナンスをするしかありません。※定期的なメンテナンスの必要性はBBに限ったことではありません。
ちなみに最もひどい場合は、クランクの軸が錆びすぎてベアリングが外れなくなってしまっているぐらい状態の物がありました。そこまで行くと、BBどころかクランクも交換する必要が出てきてしまいます。
そうはならないためのメンテナンス、超重要です。
ということで今回はクランク・BBを守る、BB部のグリスアップのポイント、そんなお話でした。
関連記事
+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。当店の特徴・詳細ははこちらから
コメント