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30cを導入したのはつい最近のお話でした。

それから初の30cで約350㎞を使用してみてどうなったのかというと、、、

やはり28cに戻していました。

しかしです。

AIの検証によると、やはり30cのほうが有利なシーンが多い――
そう分かった以上、やはりもう少し入念な実走検証が必要だろうと思いました。

そして、再び30cを装着。
結論から言えば、いまのところ「全く悪くない」、むしろけっこう気に入っています。

ではなぜこのように完全に30cへのイメージが変わってきているのか?
それは、走り方もセッティングも、“28cの延長”ではなく、30cに合わせて最適化したからです。
というのが今回のお話。
「30c再び! 30cに戻してみて ― 30cの乗り方を考える」、そんなお話しです。

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▶再度30cを使った印象
1.30cに戻すにあたって
正直完全に迷走中でした。
AI検証で「実際には速い」と結果が出たからには、試さずにはいられません。
せっかくあるのに使わないのももったいない、という気持ちもゴニョゴニョ。。。(笑)

ただし前回の経験から、30cは瞬間的な軽快さでは28cに劣ることはこの身をもって体感済みです。
そこで今回は「速く走る日」ではなく、のんびり走る日・ベース強度の日にあえて導入して、慣らしていく作戦を取りました。

1日目はベース〜テンポ走中心、ケイデンス高め。
2日目は疲労を溜めない軽いスピン+8秒スプリントを4本。
3日目にVO₂maxでしっかり高強度、という流れです。

こうすることで、できるだけスムーズに移行しつつ、さまざまな強度で30cを試せると考えました。

2.実際に使ってみた感想
この「低強度+高ケイデンス慣らし」が功を奏しました。
気になっていた“重さ”はほとんど感じず、脚の回転もスムーズです。
ペダルを踏み込んだ瞬間の反応は少しマイルドですが、スピードが乗ってからの伸びと安定感は非常に良好です。

まだ長距離を走ったわけではありませんが、乗り心地の良さと路面追従性の高さは実感し、これからロングでも使用していくのが楽しみになっています。

30cに対して感じていた“重さ”という印象は、もしかすると走り方だけでなく、考え方やセッティングそのものを理解していなかったからかもしれません。

──そう、30cはただの“乗り心地が良い太いタイヤ”ではなく、
バイク全体のバランスを変える要素となっています。

踏み方、空気圧、ペダリングテンポ……それらをうまく合わせて“最適化”してあげると、
30cは一気に別物のような走りを見せてくれます。

このあと少し、そのあたりを深掘りしていきます。
「30cの走り方・考え方・セッティング」――そんなテーマで続きを見ていきます。

▶30cと28c
1.28cと同じ土俵に並べない
これはまず何よりも大切だと感じました。
当たり前のことですが、28cと30cを比べてしまえば、どうしても28cのほうが“踏み出しの軽さ”を感じます。

ただ、その一瞬の軽快さを基準に30cを評価してしまうのは、そもそも比較の軸が違うということです。
30cの良さは“走り出しの軽さ”ではなく、“スピードが乗ってからの安定感と伸び”等にあります。

つまり、28cと全く同じ感覚を30cに求めるのではなく、
「30cという別カテゴリの走り方」として見ることが大切だと感じました。

2.過度の期待をしない
そしてもう一つ感じたのは、「30c=フワフワ快適タイヤ」というイメージは少し誤解だということです。

もちろん、25cや28cに比べればエアボリュームが多く、乗り心地が良いのは間違いありません。
ただし、それは「多少マイルドになった」程度であって、
決して“高級車のような柔らかいサスペンション”を得られるわけではありません。

確かにお尻には優しくなりますが、
ボヨンボヨンとした柔らかさではなく、路面の衝撃をうまく“いなす””マイルドな”しなやかさ。
むしろ「走りながら安定してパワーを伝えられる感覚」に近いです。


▶30cのおすすめの使い方
1.ケイデンス

30cは接地面が広く、タイヤのたわみ量も多いため、トルクをかけるよりもケイデンスで回す走り方が向いています。
重いギアを踏むトルク型の走りだと、どうしても「もっさり」とした重さを感じやすくなります。

逆に、ケイデンスで90〜95rpmあたりを意識して軽く回していくと、タイヤのしなやかさが活きてスムーズに進みます。
体感的にも2時付近の抜けの重さを感じにくく、「重い→安定して伸びる」へと変わり、30c本来の“楽に速い”走りを感じられるはずです。


2.空気圧の設定
28cと比べると30cは確実に乗り心地が良くできますが、
前述のとおり「30c=高級ソファのような乗り心地」と期待するのはNGです。

過剰に空気圧を落とすと、逆にタイヤが潰れすぎて乗り心地が良くなるよりも、漕ぎ出しの重さというネガティブが増え、パワーロスも増えます。
前後バランスを意識しつつ、28cと比較して0.3〜0.5bar低いくらいが目安です。

たとえばワタクシの場合は体重61kg前後で3.8〜4.0barぐらいです。
低すぎず、かつ“タイヤが路面を追従するように動く”感覚を目安にセッティングしてみてください。

このぐらいの空気圧でも明らかに28cよりもタイヤが良い動きをしてくれます。

3.適切なタイヤを選ぶ
30cの世界は、28c以上にタイヤごとの個性がはっきり出ます。

今回使用した AGILEST FAST(TLR) は転がり抵抗が非常に低く、剛性感が強めでシャキッとしたタイプです。
一方で、他に試した30cタイヤの中には、より柔らかく、しなやかさ重視の設計のものもありました。

つまり、単純に「30c=乗り心地重視」ではなく、
「自分がどんな走り方をしたいか」でタイヤを選ぶのがポイントです。

ロングライドや荒れた路面中心 → しなやか系(快適性重視)

高速巡航やレース寄り → 剛性高めのハイレスポンス系

ロードバイクのタイヤの面白いところは、
“見た目がレーシーでも、実際は驚くほどしなやかなモデル”も存在すること。
実際に試してみることで、その違いがはっきりと分かります。



▶おすすめできる30cの使い方
1.速さにこだわらず、のんびり走る場合

休日のリカバリーライドやポタリングなど、
「今日は速く走らなくていい日」には30cが最適です。

タイヤのしなやかさと安定感が際立ち、脚に余計なストレスをかけずに走れます。
ペダルを踏み込んだ瞬間の“反応の鋭さ”は28cに譲りますが、
そのぶん路面の小さなギャップを吸収してくれるので、
ゆっくり走っていても気持ちいいタイヤという印象です。

「今日はリラックスして走りたい」「景色を楽しみながら走りたい」
そんな日にこそ、30cの良さがじっくり味わえます。


2.ライド時間が長くなる場合
ロングライドや200kmを超えるような距離では、
30cの真価が一番発揮されるシーンです。

振動吸収性の高さによって、知らず知らずのうちに溜まる筋肉の微疲労を軽減が期待できます。
終盤でも脚が残りやすく、「最後までパフォーマンスが落ちにくい」傾向があります。

また、荒れた路面や舗装の粗い地方道を多く走る人にもおすすめです。
体への振動ストレスが減ることで、結果的に平均速度の維持もしやすくなります。

ロングライドで「後半のタレを防ぐ」――
この点で、30cは単なる“快適タイヤ”ではなく、
持久力を支えるパフォーマンス系タイヤ=速く走れるタイヤだと感じています。「


3.おまけ:お尻が痛い人にも優しい
もし「お尻が痛い」「サドルが合わない」と感じている人は、
柔らかめのコンパウンドを使ったしなやか系タイヤを選び、
30cもしくはそれ以上の太さ+やや低めの空気圧がおすすめです。

これだけで、路面からの振動・衝撃がマイルドになり、
お尻への負担がぐっと軽減されます。
セッティング次第では、サドルを替えずに快適性を改善できるケースもあります。

特に、体重が軽めの方・地方道の荒れた舗装を走る方は、
30cで空気圧を0.3〜0.5barほど落とすだけでも、
おしりの痛みの軽減にも繋がり、体感差が出やすいです。

30cのエアボリュームを活かして、
“脚にもお尻にも優しいセッティング”を目指してみてください。

▶ まとめ:30cを“使いこなす”という発想へ
これまでワタクシ自身、実際に使ってみた中で「30cは重い」「反応が鈍い」
と感じていた部分も、走り方・考え方・セッティングを合わせて最適化していくことで、
その印象はまったく変わってきます。

30cはただの“太いタイヤ”ではなく、
効率と安定性を両立させるためのツールです。

ペダリングを丁寧に、ケイデンスを高めに。まさに今風の乗り方です。
そして空気圧を適正に保ち、タイヤの路面追従性を高める、
それだけで、28cとは違う世界が見えてきます。

ロングライドや荒れた路面、アップダウンの多いコースでは特に、
30cの“しなやかで滑らかな走り”がじわりと効いてきます。
体力の消耗が少なく、最後まで力を出し切れる――
それが30cの最大の魅力だと感じます。

結局のところ、速さの本質は「軽さ」よりも「効率」だということ、
30cを使いこなすということは、
“エネルギーを無駄にしない走り”を身につけることなのかもしれません。

ということで今回は30c再び! 30cに戻してみて ― 30cの乗り方を考えてみたら、30cの本来持っている性能を引き出し、また今以上に速く走れる可能性を感じることが出来た。そんなお話でした。


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