五年前の記事です。
当時すでに「異次元の存在」として取り上げたタディ・ポガチャル。
昨今パワーメーターの普及により、ロードバイクにおける「パワー値」はもはや誰にでも計測できる身近な指標となりました。
2025年、ポガチャルが記録した出力──
当時すでに「異次元の存在」として取り上げたタディ・ポガチャル。
あれから5年──
彼はさらに強く、さらに“速く”なっていました。
昨今パワーメーターの普及により、ロードバイクにおける「パワー値」はもはや誰にでも計測できる身近な指標となりました。
そこで世界のトッププロがどれほどの出力を出しているのか?
その実際の数値を知ると、思わず息を呑むほどの現実が待っていました。
2025年、ポガチャルが記録した出力──
7.2W/kg。
もはや“人間離れ”という表現すら控えめに感じられるほどの数値です。
今回は、「Velo誌 公開データ」をもとに、
タディ・ポガチャルという怪物の“進化の中身”を覗いてみたいと思います。
ということで今回は、
7.2W/kgの怪物|タディ・ポガチャル、2025年も“成長中”だった【Velo公式データ】
そんなお話です。

▶ はじめに:止まらないポガチャルの進化
2025年10月、イタリアで開催された「イル・ロンバルディア」。
ちなみにコースは総距離241.5km、登坂距離4,639mです。
ちなみにコースは総距離241.5km、登坂距離4,639mです。
タディ・ポガチャル(UAEチーム・エミレーツ)は、ついに史上初の大会5連覇を達成しました。
🔗参考:世界王者ポガチャルがイル・ロンバルディアで史上初の5連覇達成 全モニュメントで表彰台に立つ
5連覇という大記録と共に、同一年でのモニュメント(5大クラシック)全てで表彰台に立つという史上初の偉業を成し遂げました。
しかも驚くべきは、レース中に記録された実際のパワーデータです。
Velo誌が公開した分析では──
「ポガチャルは依然として、しかも確実に“強くなっている”」
という衝撃的な事実が明らかになりました。
📈 公開データ:7.2W/kgの“人間離れした出力”
Veloによる最新解析では、ポガチャル選手の登坂区間での実測/推定出力は次の通りです。
| 区間 | 時間 | 平均出力 | W/kg(推定) |
|---|---|---|---|
| Passo di Ganda(イル・ロンバルディア) | 21分19秒 | 465W | 約7.2W/kg |
| Peyragudes TT(ツール・ド・フランス) | 17分19秒 | 475W | 約7.5W/kg |
| 終盤40km区間 | – | 約350〜400W | 約5.5〜6W/kg |
ちなみにイル・ロンバルディアは、一発だけのヒルクライムの記録ではなく、距離241.5km、登坂距離4,639mというレース中の数ある上りセクションの中での1つの記録です。恐ろしいです。
つまり、FTP換算でおよそ7.0W/kg超え。
この数値は、他のプロ選手のパワー(5.8〜6.2W/kg※)を軽く凌駕し、まさに“怪物”の領域です。
※最近ではパワーのインフレが激しいので諸説、です。
※ちなみに「プロ選手」とひとことで言っても、多くの選手がいます。
この数値は、他のプロ選手のパワー(5.8〜6.2W/kg※)を軽く凌駕し、まさに“怪物”の領域です。
※最近ではパワーのインフレが激しいので諸説、です。
※ちなみに「プロ選手」とひとことで言っても、多くの選手がいます。
ワールドツアー選手(UCIの最上位カテゴリー)になると、FTPでおよそ5.8〜6.2W/kg前後が目安。
つまり体重60kgの選手であれば348〜372Wが1時間維持できるという計算です。
このことからも、ポガチャル選手の「7.0W/kg超え」は、
ある意味”別次元”の数値です。
ある意味”別次元”の数値です。
🧬 2023年比で+9%の進化
同誌の解析によれば、Tadej Pogačar 選手の登坂区間
(例:Passo di Ganda)では、2023年 → 2025年で明確な進化が確認されています。
参考として、以下の推定値が報じられています(いずれも条件差のある推定値である点にご留意ください)。
・2021年:23分14秒・約6.40 W/kg(参考)
・2023年:23分08秒・約6.34 W/kg
・2025年:21分19秒・約7.2 W/kg
この変化は、*驚異的な伸びです。──これがどれほど異常な進化か、数字で見てみましょう。
✓通常のエリート選手の成長カーブ
トレーニング科学の研究によると、
・VO₂maxは年あたり1〜2%程度の向上が限界
・LT/FTP(乳酸閾値パワー)は年間3〜5%の改善が一般的
とされています。
つまり、9%の出力向上=おおよそ2〜3シーズン分の成長を、
ポガチャル選手はわずか1シーズン半ほどで実現している計算です。
✓ 何が伸びたのか
体重は公開情報ベースでほぼ一定(約63 kg前後)と仮定できます。
よって、単純な体重変動では説明できず、以下の複合要因が濃厚です。
・代謝効率の向上(同じ酸素摂取でより高い出力を発揮)
・ペダリング技術/再現性の向上(NPとAPの乖離が小さい=踏みムラが少ない)
・戦術・機材の最適化(空力・補給・ペーシング最適化)
結果として、筋出力・効率・持続力の総和が底上げされた、と読むのが妥当です。
トッププロの世界では“FTPが年+10Wでも驚異”と言われる中、
仮に体重63 kgを用いれば、+50 W前後に相当し得る伸び幅──
常識的な成長曲線を逸脱しています。
これらのデータは、「練習量の増加」だけでは説明がつかない質的進化を示します。
だからこそ、専門家の
“Pogačarのピークは、まだ来ていない。”
という見解は、感覚ではなく数字に裏づけられた結論なのです。
▶なぜ彼だけが伸び続けるのか
専門家たちは、ポガチャル選手の強さを単なる“出力の高さ”ではなく、
「出力 × 持続時間 × 再現性」の3要素で説明しています。
彼のパワーデータを分析すると、どの登坂でも踏み出しから頂上までの変動幅が極めて小さい。
つまり──
「どんな勾配・風向・タイミングでも、最適パワーを正確に維持できる能力」
を持っているのです。
これを裏づけるのが、Normalized Power(NP)とAverage Power(AP)の乖離が非常に小さいという点。
多くの選手がNPとAPの差が5〜10%あるのに対し、ポガチャルは3%前後とされています。
これは“踏みムラがない=筋肉のエネルギー効率が極限まで高い”ことを意味します。
✓AIベースのトレーニング最適化
UAEチームでは近年、AI解析と生体センサーを統合したトレーニング管理システムを導入。
GarminやCORE(体温センサー)、Supersapiens(血糖モニター)などのデータをリアルタイム解析し、
以下の3つを自動的に最適化しています。
・疲労マネジメント:心拍変動(HRV)と睡眠スコアを組み合わせて、翌日の強度を調整。
・ペースコントロール:レース中の風向・勾配・体温変化に応じて、出力上限をAIが提示。
・再現性の追跡:同一条件での出力変動を分析し、「同じ努力でどれだけ出せるか」を数値化。
こうした技術により、“無理に上げないこと”が最も速いという理論が現場レベルで徹底されており、
彼はレース後半でもパフォーマンスを落とさずにフィニッシュできるのです。
✓「人間的回復力」の異常値
さらに驚くべきは、ポガチャル選手の回復スピード。
トレーニング解析によると、
・VO₂maxインターバル翌日の疲労指数(HRV低下率)が一般選手の約1/2
・睡眠時のRHR(安静時心拍数)回復が12時間以内
というデータが報告されています。
これは筋損傷の修復速度、ホルモン応答、栄養吸収効率などが極めて高いことを意味し、
「疲労を溜めないことで“継続的に高負荷を積める”」というサイクルを作り出しています。
また、UAEチームが導入しているAIベースのトレーニング解析システムも進化しており、
「疲労管理」「ペースコントロール」「出力再現性」をリアルタイムで最適化しているとも言われています。
むしろこのシュミレーションがすごいわ(笑)
47分台だそうです。。。(;・`д・́)...ゴクリ
⛰️ 一般ライダーとの比較
一般的なホビー/市民レーサーのFTP分布(2025年データ)を見ると、
平均で3.0〜4.0 W/kg、上位層でも4.5 W/kg前後が標準的なレンジです。
これに対し、ポガチャル選手の7.2 W/kgはおよそ1.8倍の差。
たとえば体重60 kgのライダーで換算すると、
・一般上位層:270 W
・ポガチャル:430 W超
──この差は、同じ坂を登っても1分で10秒以上のタイム差が開くほど。
勾配や風の影響を考慮しても、ほぼ“別レース”といえるレベルです。
ちなみに、富士ヒルでシミュレーションするとこのようになります。
| FTP (W/kg) | FTP (W) | 速度 (km/h) | タイム (分) | 目安タイム |
|---|---|---|---|---|
| 3.0 | 180 | 15.3 | 94.1 | 94:05 |
| 3.5 | 210 | 17.45 | 82.5 | 82:31 |
| 4.0 | 240 | 19.47 | 73.9 | 73:56 |
| 4.5 | 270 | 21.38 | 67.3 | 67:20 |
| 5.0 | 300 | 23.18 | 62.1 | 62:06 |
| 5.5 | 330 | 24.89 | 57.9 | 57:51 |
| 6.0 | 360 | 26.50 | 54.3 | 54:19 |
| 6.5 | 390 | 28.04 | 51.4 | 51:21 |
| 7.0 | 420 | 29.50 | 48.8 | 48:48 |
| 7.2 | 432 | 30.07 | 47.9 | 47:53 |
※計測区間:約24km(平均勾配5.2%)・気象条件:無風/CdA 0.32・体重60kg+機材9kgで試算。
47分台だそうです。。。(;・`д・́)...ゴクリ
▶ まとめ:まだ“ピーク”ではない
Veloの記事の締めくくりには、こんな印象的な一文がありました。“He’s not slowing down — he’s still getting stronger.”
(彼はまだ減速していない。むしろ今なお強くなり続けている。)
タディ・ポガチャル、27歳、彼はいまだ「上昇曲線の途中」にいます。
データが示すのは、才能や努力の話ではなく、”進化を止めないシステム”そのもの。
つまり、ポガチャルは「最強」ではなく「最適化の極致」。
この若さで“成長中”という事実こそ、
まさに世界最強を証明する最大のデータなのです。
ということで今回は7.2W/kgの怪物|タディ・ポガチャル、2025年も“成長中”だった【Velo公式データ】 そんなお話でした。
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参考リンク
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