インターバルトレーニングというものは、同じメニューであっても、人によって驚くほど反応が違うことがあります。

ワタクシ自身、かつてはゴルビーのようなVo2MAX域の高強度インターバルは
“まともに完遂できない側”でした。

しかし世の中には逆に、
「Vo2MAXインターバルのあともまだまだ元気!」
という方までいるようです。

SSTでもまったく同じ現象が起こります。
同じメニュー、同じ強度設定で行っているにもかかわらず、
ある人は「余裕」、ある人は「地獄」という差が平然と存在するのです。

「そんなに人によって差があるものなのか?
と思われるかもしれません。

しかし、この“差”こそが、インターバルトレーニングにおける重大な間違いを示している可能性があります。
「あの人は強いからVo2MAXが楽なんだ」
という考え方は、大きな誤解なのです。

もし強度設定が正しくないままインターバルを行っていれば、
どれだけ練習量を積んでも、残念ながら成長はきわめて難しくなってしまいます。

インターバルトレーニングというものは、
“正しい強度”でこそ最大の効果が発揮されるもの。
強度がズレてしまえば、同じメニューでもまったく別物となり、
本来得られる刺激にも届きません。

ということで今回は
間違ったインターバルトレーニング|効果が出ない・伸びない理由とは!?
そんなお話しです。
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▶第1章:なぜインターバルの強度はズレるのか?
インターバルトレーニングが「効く人」と「効かない人」が分かれる最大の理由。
それは、強度設定のズレです。

多くの方は「FTPが違うから」「自分は弱いから」と考えてしまいますが、
実際にはもっと複雑で、次のような要素が強度を簡単に狂わせます。

1. FTPの罠
FTPはあくまでも一つの指標にはなりますが、
逆に言えば「その時の調子によっても変動する事がある不正確な数値」でもあります。
たとえば
・2〜3ヶ月前に測ったFTP(もっと前か。。。)
・Zwift等の自動算出FTP(実走とFTPの差異は?)
・過大評価された短時間パワー(FTPの計測方法による差)

つまりインターバルトレーニングの強度という重要な数値を決めるのに、
その元となる数値の精度は?という問題があります。

このFTPの不正確さは結果的に
・実力以上のFTP → どのインターバルも地獄
・実力以下のFTP → 楽すぎる強度
どちらも 狙った刺激を得ることはできません。

2. 日々の疲労・コンディションで「実質FTP」は変動する
通常どのような人でもトレーニングだけをして生きているわけではないと思います。
少なからず体調には波があるということです。
・気温が暑い日、寒い日
・トレーニングの蓄積疲労
・睡眠不足
・自律神経の乱れ
等、
こうしたコンディション要因は、FTPで 5〜10%近い変動を引き起こすことがあります。

つまり…
「昨日できたSSTが今日は地獄」
「一昨日は回ったのに今日はゴルビーが無理」

という現象はむしろ“正常”であり、
強度設定を毎日固定する方が不自然なのことです。


3. パワーメーターの誤差でも強度は大きくズレる
パワーメーターは完璧な機械ではなく、使い方にも影響されます。
・左右バランスの偏り
・クランク型の誤差
・温度補正
・ゼロオフセットの不備
・ペダリング癖の変化
例えばですが、ゼロオフセットは前回いつしたのか、というようなことです。
また左右計測ではないパワーメーターは、日によって数十ワット変動することすらあります。

これらが“パワーのズレ”そのものにつながります。
その状態で「FTPピッタリのインターバル」を正確に行うのは難しいのです。


4. フォーム・気温・服装でもインターバルの強度は変わる
冬のグローブの記事と同じ話になりますが、
フォーム・服装・寒さは強度に直接影響します。
・厚着で動きづらい → パワーが出しにくい
・手が冷えて反応が鈍る → ペダル踏み込みが遅れる
・寒さで筋温が下がる → VO2MAX出力が落ちる

こういった要因も
「同じメニューなのに今日はできない」 を発生させます。


▶第2章:強度がズレたインターバル
インターバルトレーニングは、本来 “狙った刺激を正確に入れるための練習” であり、
正しい強度で行われたときにこそ最大の効果を発揮します。
しかし強度がズレたまま行われるインターバルは、
どれだけ頑張っても「練習したつもり」になるだけで、
同じメニューでも効果はまったく別物になってしまいます。

ここでは、よくある“残念なインターバル”の典型例をご紹介いたします。

1. 設定強度が高すぎるインターバル
本来のインターバルは、
1本目から最後まで“ほぼ同じ質”で踏めるかどうか が最重要です。
↑超重要なので赤字にしました。

例えばインターバルでVo2MAX×4本をおこなうとして、
設定した強度(FTP)が高すぎると、
・1本目の最初だけ踏める(むしろ踏めないことも)
・2本目から急激にパワーが落ちる
・最後はL3〜テンポレベルの“残骸”になる
・もしくは途中で挫折して中断
ワタクシ自身、昔はこのパターンで
「もう無理ポ、パタッ…」と終了していたことがあります。

これはもう インターバルどころではなく、ただの苦行 です。
当然、本来の必要とした刺激は入りません。

重要なのは、最後まで踏める強度を設定することです。

2. 設定強度が低すぎるインターバル
逆にFTPが低すぎたり、強度を甘く設定しすぎると…
・VO2 → ただのL4〜SST
・SST → ただのL3
・L3 → “心地よい有酸素”

本人的には
「今日もインターバルやったぞ!」
という気にはなりますが、実際の刺激は まったく別物 なのです。

当然、身体はその刺激に適応しないため、
成長はどうしても停滞がちになってしまいます。

心拍が目的ゾーンに到達しているか が重要な判断材料です。

3. 「全力=良い練習」という誤解
インターバルトレーニングには強度ごとに明確な目的があります。
・VO2max → 最大酸素摂取能力(心肺)
・SST → LT付近の持久力(糖代謝能力)
・無酸素 → ニューロン動員・爆発力
・L3 → 長時間持続の筋持久力

しかし無理に頑張りすぎたり、強度がズレると……
“努力している感”だけが残るもっとも危険なパターンです。

目的のシステムに刺激が入らないまま終わる
という最悪の状態が起きます。

また、同じパワーでも
ケイデンス・フォームが変わるだけで効果は大きく変化いたします。
指定ケイデンスやフォーム保持が重要と言われる理由はここにあります。

「やってるのに伸びない」最大理由がこれです。

インターバルは 全力で踏む練習ではなく、正しい強度で刺激を入れる練習です。

気分が乗ったからと強度を上げすぎれば、
次の練習への悪影響、さらには蓄積疲労まで引き起こします。


4. 回復走(レスト)が回復じゃない(Z2超え)
インターバルトレーニングで非常に多い失敗が、
レスト区間の強度が高くなりすぎる というパターンです。

レストが適切に落とせないと、次のような流れが発生します。
・回復走がZ2を超えてしまう
・疲労が抜けず、心拍や脚が十分に戻らない
・次のインターバルの初動が鈍る
・本数が揃わず、後半が崩れる
・「毎回つらいのに伸びない」という悪循環が続く
完全に負のスパイラルです。

レスト中に強度を落とせない状態では、
インターバルそのものが成立しません。
どれだけ頑張っても効果は半減します。

レストは「低すぎるかも?」と思うほど落として正解です。
レストが適切なら、本数が揃い、刺激が正しく入ります。


▶第3章:正しいインターバル強度とは?
インターバルトレーニングのポイントは、
「設定パワーに合わせて踏むこと」ではなく、
“狙った生理学的刺激を正しく入れること”
が目的です。

しかし実際には、Zwiftのメニューや一般的な%FTP表記を“絶対値”として捉えています。
・VO2 = FTP × 120%
・SST = FTP × 92〜95%
・L4 = FTP × 100%
──これらはあくまで「目安」にすぎません。

実際に重要なのは、
“身体がその強度に正しく反応しているかどうか” です。

ここでは、
・正しいインターバル強度の判断基準
・正しい強度とは何か?
・どうやって見つけるのか?
ご紹介致します。

1. 1本目から最後まで“ほぼ同じ質”で踏めるか(最重要)
正しい強度を見極める最もシンプルで確かな基準。
✔ 1本目
✔ 中盤
✔ 最後の1本

この3つが大きく崩れず揃うこと。
逆に…
・1本目だけ強い
・中盤で息絶える
・最後がL3〜テンポの残骸
・ケイデンスがガクッと落ちる
これは 典型的な強度過大 です。

インターバルは「根性勝負」でも「出し切る練習」でもありません。
狙った刺激を“最後まで維持できる強度”が正解です。


2. 心拍が“目的の領域”に到達しているか
パワーは日によって変動しますが、
心拍はその日の身体の反応を示すため、強度判断の有力な材料になります。
・VO2 → HRmaxの90〜95%
・SST → HRmaxの85〜90%
・L4 → HRmaxの88〜93%
例えば
→ VO2なのに心拍が上がらないなら“弱すぎる”
→ SSTなのに心拍が跳ね上がるなら“強すぎる”

心拍は その日の実効FTPを自動補正してくれる最強ツール です。
つまりFTPとパワーだけで強度を判断するのは、完璧ではないということです。

※ ただし心拍の“過信”には注意が必要です
気温・疲労・脱水などで心拍は大きくぶれるため、
心拍だけで強度を判断すると誤ることがあります。
パワー・呼吸・脚の感覚 と合わせて総合判断することが重要です。


3. 呼吸・ケイデンス・動きのリズムが一定であるか
パワーにも心拍にもそれぞれ弱点があるため、
どちらか一つだけで強度を判断することは難しい状況が多くあります。
そこで必要になるのが、呼吸やケイデンスといった “動きそのものの反応” です。

強度が合っている時は、
・呼吸が一定リズム
・心拍の立ち上がりと下がりが毎本似ている
・ケイデンスの落ち込みがない
・フォームが崩れない

これらがそろう時、
身体がその強度を適切に処理できているサイン になります。

逆に、
・呼吸の乱れが収まらない
・脚が途中で止まる
・ケイデンスがガクッと落ちる
・フォームが破綻する
このような反応が出る場合、
刺激に耐えきれておらず、強度が過大である可能性が高い と判断できます。

4. “固定%FTP” を盲信しない(%FTPは“目安”でしかない)
FTPの120%・95%といった固定%は便利ではありますが、
疲労や気温などの影響で実効FTPは日々5〜10%変動します。

そのため、
%FTPをそのまま使うと、強すぎたり弱すぎたりして目的の刺激に届きません。
調子の良い日は強め、脚が重い日は弱めに調整する必要があります。

5. インターバル後の回復速度で強度が正しいか判断
パワー・心拍・呼吸・ケイデンスの反応を確認しても、
最後の“仕上げの判断”として非常に有効なのが 回復の早さ です。

正しい強度で行えたインターバルでは、終了後2〜3分で次の状態に戻ります。
・呼吸がスッと落ち着く
・心拍がスムーズに下がる
・脚に“張り”が残る程度
このように、回復が自然に進む状態 が正しい強度のサインになります。

一方で、
・いつまでも呼吸が乱れる
・心拍が戻らない
・脚が重くて動かない
こうした反応がある場合は、
身体が処理しきれない強度だった=強度過大 と判断できます


▶第4章:強度をどう決めるか(実用ステップ)
インターバルトレーニングの強度は、
固定の%FTPではなく、“その日の身体の反応”で決めることが最も重要です。

ここでは、実際に走りながら強度を決めるための
具体的で再現性のある手順をまとめます。

STEP1:ウォームアップで“今日の身体”をチェックする
インターバル前の10〜15分は、今日の強度を決めるための最初の判定時間です。
チェックするのは3つだけ。
・脚の軽さ(ペダルの入り)
・心拍の立ち上がり方(いつもより遅い/早い)
・ケイデンスのスムーズさ
ここで違和感がある日は、
最初から −5〜10W で始めるのが正解です。
明らかに反応が悪い日は“その日はインターバルをやらない”という選択肢も正解となります。

STEP2:1本目で“今日の最適強度”を確定させる
最も重要な判定は1本目です。
以下が揃っていれば、強度は適正です。
・呼吸が許容範囲で整う
・ケイデンスが維持できる
・心拍が適切に上がっていく
・脚が止まりそうな感覚がない

逆に、
・ケイデンスが急に重くなる
・呼吸が乱れすぎる
・心拍がなぜか上がらない
・短時間でしんどすぎる
これは 強度過大または“実質FTPズレ”のサインです。

✓ただし、負荷域によって見るポイントが少し異なります
■ VO2max系(L5)
この領域は “キツいのが正解” のため、
心拍がVO2域(HRmax90〜95%)へ向かって上がっていくか、
ケイデンスが維持できるか を重視して判断します。

■ SST(L3〜L4)
SSTでは 心拍の立ち上がり方 が重要です。
正しいSSTは、
1本目から急上昇せず、後半にかけて緩やかにドリフトする のが特徴です。
序盤から心拍が跳ねる場合、強度が高すぎる可能性が高くなります。

➡ それでも噛み合わないと感じたら、その場で −5W(場合により −10W)調整するのが正解です。


STEP3:本数の揃い方で“強度の正否”をチェックする
インターバルの強度が正しい場合、本数ごとの反応が揃います。
・パワーの落ち込みが少ない
・最大値の“伸び幅”が大きく乱れない
・ケイデンスが最後まで維持できる
・フォームが乱れない
ただし、パワーを維持している限り心拍が少しずつ上がる(ドリフトする)のは正常です。
問題なのは “心拍の上がり方が急すぎる/本数ごとにバラつく” 場合です。

逆に以下はNG。
・1本目だけ強い
・2〜3本目でガタ落ち
・最後はL3〜テンポの残骸
・ケイデンスがガクッと落ちる

➡ これは典型的な強度過大です。


STEP4:“できなかった時”の正しい対処方法(超重要)
ここが本当に大事で、多くの人が間違えやすいポイントです。

✔ ① 途中で挫折してしまった
→ 次回は −5〜10W が正解
精神力ではなく“設定が合っていなかった”というだけです。

✔ ② 4本中3本ギリギリ揃う
→ その強度が今日の“上限”
翌週は同じ強度から再スタートするのが最適です。

③ 1本目から違和感がある
→ 当日中に強度を −5〜10W 下げるべき
無理に続ければタレて刺激が入らず、練習は崩壊します。

④ 最後の1本だけ崩れた
→ 翌回は −3〜5W の微調整
最後の1本だけ落ちる場合、強度はわずかに高いだけです。
このケースでは大幅調整は不要で、−3〜5W の“微調整”が最も効果的です。


STEP5:インターバル後の回復速度で最終判断
仕上げとして、インターバル直後の反応を確認します。
SSTやL4などの持久系インターバルでは、正しい強度であれば 2〜3分ほどで次の状態に戻ります。
・呼吸がスッと落ち着く
・心拍が自然に下がる
・脚に“適度な張り”だけ残る

逆に、
・心拍が下がらない
・呼吸が乱れ続ける
・脚が重すぎて回らない
これは“強度過大”。
次回の設定に必ず反映します。

※ VO2MAX系だけは例外です。
短時間で追い込む性質上、呼吸・心拍ともに回復が遅めになるのが普通で、
「2〜3分で戻らない=失敗」ではありません。

もし本数を終えて“まだ余裕がある”“もう何本かいけそう”と感じるなら、それは強度不足のサインです。
VO2MAXはそもそも “できてギリギリ” を狙う領域であり、
余力が残る=VO2に到達していない(心拍・換気の追い込み不足) という可能性が高くなります。

➡ 次回は+3〜5W、またはケイデンス上げで刺激量を調整するのが正解です。


結論まとめ:インターバルトレーニングは“強度で決まる”
インターバルトレーニングはどれだけメニューをこなしたかでも、設定パワーがいくつかでもなく──
その日の身体に“正しく合った強度”で行えたかどうか。
ここにすべてが集約されます。

そしてその適切なインターバルの強度は、パワーの数字だけの判断ではなく、身体の反応をみて決めていくものです。
その他の判断基準として心拍やケイデンス、回復速度等も重要な指標となっています。

こういったことが揃って初めて、
狙った生理学的刺激に“正確に”入ることができます。

インターバルトレーニングは、「根性」でも「パワー勝負」でもありません。
ですのでパワーが高ければ良い、心拍は低ければ良い、ということでもありません。
狙った刺激をできるだけ正確に入れる、繊細で精密なトレーニングです。

強度が合えば必ず伸びます。

だからこそパワーだけではなく、身体の様々な反応をよく見て、
“適切な強度”を見つけることこそ、インターバルトレーニングで最大の効果を出す方法です。

個人的な経験談からですが、
パワーだけではなく、心拍、ケイデンス、回復等を意識した適切な量と、適切な強度のインターバルを取り入れるようになってから、数年間停滞していたパワー(FTP)はわずか1ヶ月半で5〜10Wは上昇をしております。

もちろん永遠とパワーは上昇し続けるわけではありませんが、
“正しく行うインターバルは結果が出る”と強く実感しております。

ということで今回は
間違ったインターバルトレーニング|効果が出ない・伸びない理由とは!?
そんなお話しでした。


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