先日、氷点下の中で約130kmのテンポライドを行いました。
練習のメインとなる周回中の気温は-3℃から0℃で、路面はきれいで砂利もなく、パンクの要素はほとんど見当たりませんでした。むしろ過去、もう100周以上は走っていますが、そのコース上でパンクをしたことはありませんでした。
しかしです。
どんな状況でもパンクは突然やってくるものです。
どんな状況でもパンクは突然やってくるものです。
今回は特に珍しいケースでチューブレス運用、シーラントの鮮度・量ともに十分、傷も1mm未満なのに封止できなかったという事でした。
この記事では、氷点下で実際に起きた地獄のパンクの様子と修理の内容、そして 「なぜ止まらなかったのか?」 を技術的な視点から整理していきます。
ということで今回は
-3℃で味わった地獄 真冬のパンク実録と考察【冬のチューブレス運用】
そんなお話しです。
ということで今回は
-3℃で味わった地獄 真冬のパンク実録と考察【冬のチューブレス運用】
そんなお話しです。

■ パンクの前兆!?
今思えば、この音が前兆だった可能性があります。
パンクの約1時間前に走行中、不意に後輪付近から「シャコッ、シャコッ、シャコッ」という異音を感じました。
速度に合わせて奏でられる定期的な異音はタイヤのトラブルの可能性が高いです。
速度に合わせて奏でられる定期的な異音はタイヤのトラブルの可能性が高いです。
ですが早朝、夜明け前だったため真っ暗でよく確認できず、シーラントも吹き出してなく空気圧も減圧を感じなかったので、そのまま走り続けること数百m、異音も収まり周回に入る前には夜も明けるだろうから、その明るくなってからのタイミングで確認するかと、後回しにしてしました。
今思えばこのとき何かが刺さり?傷がつき?ダメージを負っていた可能性もあります。
決して確証があるわけではありませんが、何かの前兆だったのかもしれません。
その後減圧がないことを確認し、そこまで気に求めることなく周回練習に入りました。
決して確証があるわけではありませんが、何かの前兆だったのかもしれません。
その後減圧がないことを確認し、そこまで気に求めることなく周回練習に入りました。
■ パンクは突然に・・・
パンクが起きたのは、メインとなる周回コースを走っていたとき、心拍もパワーも安定して周回を重ねている段階です。
そんな中で、それは突然やってきます。
「シュン、シュン、シュン……。」
聞き慣れた、あの嫌な音です。
今回は間違いありませんでした。
そう、実際のパンクのときは大きな音も、衝撃もなく、スッとパンクすることが多いです。
そう、実際のパンクのときは大きな音も、衝撃もなく、スッとパンクすることが多いです。
タイヤの回転に合わせて後輪からシーラントが一定のリズムで吹き出し、フレームにシーラントの飛沫が付着し始めました。
ただ、これまでの経験から考えれば、この程度の吹き方であればすぐに止まるはずと感じていました。
しかし、なにかおかしい。。。しばらく走っても一向に収まる気配がありません。
徐々に空気圧が落ち、走行できる安全ラインを大きく下回ってしまったため、安全な場所を探して停車することにしました。
このときは正直、
「一度空気を入れ直せば、そのままでもまた走れるだろう」
という経験上の安心感が頭にあったのですが、実際にタイヤを確認してみると状況は甘くありませんでした。
吹き出しは続き、シーラントが穴を塞ぐ気配がまったくありません。
傷自体は極小であるにもかかわらず、まるで作用しない状態でした。
ここで「これはシーラントでは止まらない」
と悲しい判断をせざるを得ない状況となり、チューブを入れる決断をしました。

■ パンク状況
今回使用していたタイヤは AGILEST Fast TLR 30C で、摩耗もそこまで進行しているわけではなく、残量は十分に残っており状態は良好でした。
走行していた路面はクリーンで砂利もなく、外的要因が見当たらない環境でした。
そんなときでもやってくるものです。。。
そんなときでもやってくるものです。。。
空気圧は走行前に 4.1bar に調整しており、普段どおりです。
実際に確認した傷は 1mm未満のごく小さな穿孔系のダメージでした。
こういったパンクはタイヤそのものの品質や状態が原因とは考えにくく、どんなタイヤであっても防ぎきることが難しいタイプの傷と言えるものでした。
シーラントの量も鮮度も十分に残っており、停止後も内部にはしっかりとシーラントが残っていました。
それにもかかわらず封止しなかった理由は、この時点でははっきりとは分かりませんでした。
ただし今回も、チューブレスの恩恵も強く感じました。
完全にゼロになる前に 150〜200mほど安全に移動でき、適切な場所を選んで停車できたからです。
これはパンク時のリスク管理として非常に大きなメリットで、従来のクリンチャーでは得られない安心感です。
■ 地獄の極寒修理:20分
正直なところ、今回のパンク修理作業は“作業そのもの”よりも、寒さとの戦いが圧倒的に過酷でした。
パンク対応中の気温は-2℃、氷点下の環境では手はかじかみ、指先が思うように動かせません。
冷えた指先での作業は力が入らずに、ビードを落とすだけでも満足に動かない指先では非常に苦労をする作業でした。

さらに、手持ちのチューブは TPUチューブ1本。
ミスが許されない状況で、寒さでかじかみ他人の手のような感覚で慎重かつ確実な作業を進めなければならないという精神的なプレッシャーも大きかったですが、一番の不安は電動ポンプです。
もしも電動ポンプが止まったら、動かなかったら終わりだな、と不安がありました。
というのも極端な低温時にはエラーが出てしまうポンプがあったような気がしてたからです。
ちなみにこのとき携帯していたのは下の画像のELXEED-BL01で、あとから調べたら-10~45℃まで使用できるようでした。すごいぞ!
しかし何故か少しだけチューブをふくらませるときにちょっとだけ使用したら、ぶーーーーん!と爆音を奏でたまま、止まらなくなってしまって超焦りました。
このまま電池がなくなるまで止まらなかったら。。。_(꒪_꒪ )…チーン
数十秒でとまったので安心しましたが。。。誤作動だったのでしょうか??
もしも電動ポンプが止まったら、動かなかったら終わりだな、と不安がありました。
というのも極端な低温時にはエラーが出てしまうポンプがあったような気がしてたからです。
ちなみにこのとき携帯していたのは下の画像のELXEED-BL01で、あとから調べたら-10~45℃まで使用できるようでした。すごいぞ!
しかし何故か少しだけチューブをふくらませるときにちょっとだけ使用したら、ぶーーーーん!と爆音を奏でたまま、止まらなくなってしまって超焦りました。
このまま電池がなくなるまで止まらなかったら。。。_(꒪_꒪ )…チーン
数十秒でとまったので安心しましたが。。。誤作動だったのでしょうか??
たっぷりと入ったシーラントの処理にはペーパーウエスが役立ちました。
これは本当に持っていてよかった道具で、もし無ければ作業はかなり厳しかったと思います。
そして、改めて感じたのは ニトリル手袋の偉大さでした。
シーラントを素手で触らずに作業できたことは、精神的にも物理的にも大きな助けになりました。
シーラントは種類によっては油っぽいシーラントもあります。これは修理の際にタイヤが滑り、大きなデメリットになります。
シーラントは種類によっては油っぽいシーラントもあります。これは修理の際にタイヤが滑り、大きなデメリットになります。
弊店で使用してるものはすべて油っぽさのないものになります。
そんな極寒の中で行う作業の中で、不安の種でもあったものの、逆に救いともなったのが 電動ポンプです。
あの状況下、小型の携帯ポンプで不透明な空気圧まで上げるのは骨が折れる作業ですが。電動ポンプのおかげで安定し正確な空気圧まで上げることが短時間で行えました。
この日のMVPと言ってもよく、今年買ってよかったアイテムの中でも間違いなくトップクラスだと感じました。

最終的には再発防止を優先し、4.5barまでしっかり入れ走り出しました。
リム打ちによる二次パンクだけは絶対に避けたい状況だったため、この判断は自分の中では必須でした。
■ 走り出し後の“真の地獄”
修理中も十分に寒かったのですが、最大の試練はその後に待っていました。
再スタートは、よりによって一番長い下り坂でした。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
氷点下の冷たい風が体に叩きつけられ、
・震えが止まらない
・表情筋が痙攣するほどの寒さ
・震えと寒さで顔がつりそうになる10分ほど、まさに地獄のような時間を味わいました。
パンク前は体が温まり、足先以外は寒さを感じていませんでしたが、一度冷えてしまった体はなかなか戻らず、冬のライドの厳しさを痛感しました。
修理後は久しぶりに 4.5barのTPUチューブ運用 になりましたが、これがとにかく硬く跳ねるように感じました。。
路面からの突き上げがはっきり伝わり、乗り味は強い反発を感じるほどでした。
一方で、こぎ出しだけは軽く感じられ、「これが高圧運用の特徴だな」と改めて実感しました。
しかし驚いたのは、乗り味がこれだけ変わっても、タイムは全然変わらなかったことです。
体感としては漕ぎ出し、加速が速くなっているのに、実際の走行データにはほとんど差が出ませんでした。
この経験を踏まえると、必要以上に高圧にするメリットは小さく、適切な空気圧で“しなやかに走れる”
速さを損なわず、乗り心地やグリップも確保できる——
これも普段チューブレスを使っているメリットだと感じます。
そんなこんなで、再スタート後はめちゃくちゃに寒かったですが、その後はトラブルなく周回練習を再開しメニューを予定どおりこなして無事に帰宅することができました。
■ シーラントが止まらなかった理由
● ① 氷点下ではラテックス系は固まりにくい
今回使用していたシーラントはカフェラテックスです。
カフェラテックスはラテックス系シーラントで、通常の気温であれば過去にも複数回、確実にパンクを封止してきた優秀な実績を持っています。
しかしラテックスという性質上、反応温度が下がると封止性能が低下しやすいという特性があります。←※ここが重要です
メーカー表記で低温対応とされていても、封止反応そのものは気温が下がるほど鈍くなる という性質は変わらないのかもしれません。
今回のように0℃を下回った状況では、固まる速度が極端に遅くなり、穴に留まる前に流れ出しやすい状態になっていたことが考えられます。
● ② ゴムが冷えて硬化し、傷が塞がりにくい
チューブレスタイヤは、ゴムが柔らかく傷が閉じることでシーラントが作用しますが、氷点下ではゴム自体が硬化します。
そのため 傷が閉じず、シーラントが穴にとどまりません。
● ③ 貫通時にケーシングが内側に押し出されるような傷だった
写真を見る限り、今回の傷は単なる“点傷”ではなく、
ケーシングが裏側に向かってわずかに盛り上がるほど強く突き刺された貫通タイプ でした。
表面の穴は小さくても、内部の損傷形状が複雑で、シーラントが引っ掛かりにくいタイプです。
こうした貫通系の傷は、チューブレスでも封止しにくいことがあり、結果としてシーラントがうまく定着しなかった可能性があります。

以上の条件が重なり、
「シーラントが止まらない最悪の組み合わせ」 が成立してしまったため、シーラントでは塞ぎきれなかったと考えられます。
■ まとめ
今回のケースでは氷点下という特殊な状況下で様々な要因が重なり、シーラントが十分に働かずパンクを封止できずにチューブを入れることを余儀なくされた、ということでした。
とはいえ、これは“チューブレスだから弱い”という話ではなく、冬の環境に合わせた対策を取ることで安定した運用が十分に可能になる、冬のチューブレスの注意点ということで学びにつながりました。
まず大前提として、氷点下ではラテックス系シーラントの反応速度が落ちるということで、低温対応のシーラントを選ぶことが大きな安心材料になります。
たとえば Vittoria Universal Tubeless Tire Sealant は –15℃まで使用可能 とされており、冬場の実走をする方にとっては有力な選択肢になります。
さらに、実際にチューブレスでパンクが起き、チューブ入れる作業の際に役立つ装備も重要です。
✓ニトリルグローブ:シーラントや素手で触らずに済む、周りを汚さない
✓ペーパーウエス:シーラント処理や作業性が大きく向上する必須アイテム
✓電動ポンプ:極寒の中での加圧作業を格段に楽にする。しかし日常的な充電確認はマスト
最低でもこの3つがあったとしても、やはり氷点下での作業は辛いものですが、なかったらもっと最悪な状況になっていたと考えられます。そして今回、改めて強く感じたのは、
「今回のような状況下でも、停車まで空気圧が完全にゼロにならずに持ちこたえられた」
というのはチューブレスならではの安全性です。
また下りでスピードが乗りきっていたとしても 安全に停車できる猶予が確保できるのも非常に大きな利点です。
今回の氷点下パンク、そしてパンク修理は貴重な経験となりましたが、対策を講じておくことで、冬でもチューブレスを安心して運用、またお客様への冬のチューブレス運用のご提案をできる再確認できました。
これからも季節や環境に合わせた運用を工夫しながら、実走を楽しんでいきたいと思います。
ということで今回は
-3℃で味わった地獄 真冬のパンク実録と考察【冬のチューブレス運用の注意点】
そんなお話しでした。
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