トレーニングを継続していると、「休むべきか、軽く動くべきか」この判断に迷う場面は少なくないと思います。それは回復の仕方ひとつで、次の日の体調だけではなく、その後の成長にも影響があるからです。成長はトレーニング中ではなく、休息時に起こるものです。

特にSSTやテンポといった、それなりに負荷の高いメニューを行った翌日は、完全レストにするべきか、それともリカバリーライドを入れるべきか。この判断は、思っている以上に難しいことです。

先日時間がしっかり取れる日を狙って、朝練でSSTを行い、その次の日もある程度の強度のロング走の予定があったので、時間に任せてほぼ寝たきりに近い状態で半日以上を過ごしてみました。もちろん次の日の練習のために精一杯休んだつもりでした。
しかしです。
しっかり休んだはずなのに夜になると脚は重だるくなり、寝ているのも辛いような状態でした。
その日のSSTの強度を考えると、練習以上の疲労感で、少し違和感のある状態でした。

ところが、夜に起き上がって家事やなにやら、最低限に軽く体を動かしてみると、その後のほうが明らかに脚が楽になったのです。

この経験から改めて感じたのは、休息には「向き・不向き」があるということでした。

ということで今回は休めばそれだけで完璧!その限りではない?
完全レストか、軽く動くか?ロードバイクの正しい休息の考え方、そんなお話しです。
ロードバイクの休息判断に使われるリカバリー指標の表示

■「休めば回復する」という思い込みと、逆効果になるレスト
多くの人は、「疲れているなら、動かずに休んだほうが良い」と考えます。
これは半分正しく、半分は誤りということは身を持って体感したことでした。

確かに、完全な休養が必要な疲労も存在します。
しかし、すべての疲労が「何もしないことでスッと抜ける」わけではありません。

特にSSTやテンポといった、中〜やや高強度のトレーニング後では、筋肉そのものよりも循環や代謝の停滞が原因で、脚が重く感じているケースも少なくありません。

この状態では「とにかく休もう」と考えて、長時間ソファやベッドで動かずに過ごしたり、起き上がる回数が極端に少ない状態が続くと、かえって回復が遅れてしまうことがあります。

動かさずにじっとしていることで、筋ポンプがほとんど働かず、血流が滞り、老廃物の排出や代謝が進まなくなってしまうからです。

今回の体験もまさにこのパターンでした。
時間に任せてしっかり休んだつもりでも、夜になるにつれて脚は重だるくなり、「せっかく休んだのに?」という違和感が残りました。
ところが、その後に起き上がって軽く体を動かしてみると、明らかに脚が楽になったのです。

この経験から感じたのは、休息には「向き・不向き」があり、休み方を間違えると、それ自体が回復を妨げてしまう場合がある、ということでした。

ではこのように多少なりとも動いたほうよい疲労と、逆に動かに方が良い疲労にはどのように線引くのか、ということです。

休息の正解を決める判断基準(練習内容 × 主観)
完全レストにするか、軽く動くか。その判断を行う上で、最も重要なのは主観です。
・脚の感触はどうか。
・動き出しは重いのか、それとも徐々に軽くなるのか。
・ウォームアップをしたあと、状態は良くなるのか、変わらないのか。
これらの感覚が、判断の最優先になります。

ただしこの主観的な感覚は、その日の練習内容や強度と切り離して考えることはできません。

SSTやテンポのような中〜やや高強度の練習では、筋肉を大きく壊すというよりも、循環や代謝の停滞によって脚が重くなるケースが多く見られます。
この場合、完全レストよりも、強度をしっかり抑えた軽い動きによって血流を回したほうが、回復が進みやすいことがあります。

一方で、VO2maxインターバルや高強度の反復、あるいは長時間にわたる高負荷のライドのあとでは、
回復の主戦場は循環ではなく、組織の修復になります。この状態では、軽い運動であっても刺激になりやすく、完全レスト、もしくはそれに近い休養のほうが適している場合が多くなります。

このように、「今どんな感覚か」という主観と、「どんな負荷を入れたか」という練習内容をセットで振り返ることが、最も精度の高い判断につながります。

また心拍やHRVといった数値は、日々の変動がはっきり出る人にとっては、有効な補助指標になります。
ただし、ワタクシ自身のようにHRVがあまり振れない場合は、参考程度に留めるのが現実的です。
(そう、安静時心拍もHRVもトレーニング結果で振れることがほとんどないのです。。。)

数値はあくまで判断材料のひとつであり、主役は常に自分の感覚にあります。
この自分の状態を冷静に判断する能力、これも強くなるための重要な要素だと思います。


■ 軽く動いたほうが回復する疲労
前述のように、すべての疲労が完全レストによって回復しやすいわけではありません。
強い筋肉痛はなく、脚は重いものの痛みや違和感はなく、動き出しは鈍くてもウォームアップをすると少し楽になる。
心肺的には余裕があるのに、脚だけが鈍い感覚が残っている。
こうした状態では、何もしないで休むよりも、軽く体を動かしたほうが回復が進むことがあります。

このような場合、疲労の主な原因は筋損傷ではなく、循環や代謝の停滞にある可能性が高い状態です。
完全に動かない時間が続くことで筋ポンプがほとんど働かず、血流が滞ってしまうと、老廃物の排出や回復に必要な循環が進みにくくなります。

そこで、強度を抑えた軽い動きを入れることで血流が促され、代謝が回り始めます。
その結果として、「休んだはずなのに重い」状態から抜け出し、脚が徐々に軽く感じられるようになることがあります。

これはトレーニングではなく、あくまで回復を目的とした動きです。
強度や時間を欲張らず、回復を邪魔しない範囲に留めることが重要になります。


■ 完全レストが向く疲労
一方で、軽く動くことで回復が進むケースとは逆に、
完全レスト、もしくはそれに近い休養が必要な疲労も確実に存在します。

起床時から脚全体に明確な重さや痛みがあり、動き出しても軽くなる気配がなく、むしろ違和感や張りが強まる。筋肉痛がはっきりと残っていたり、関節や腱に引っかかるような感覚がある。あるいは、脚だけでなく全身がだるく、睡眠の質も明らかに落ちている。
こうした状態では、回復の主戦場は循環ではなく、組織の修復そのものにあります。

この段階で無理に体を動かしてしまうと、回復途中の筋線維や結合組織に余計な刺激が入り、回復を早めるどころか、かえって長引かせてしまうことがあります。
軽い運動ですら「刺激」として働いてしまう状態では、動くこと自体がリスクになり得ます。

また、主観的に「今日は乗りたくない」「考えただけで気が重い」と強く感じる場合も、重要なサインです。
この感覚は単なる気分の問題ではなく、神経系や中枢の疲労が表に出ているケースも少なくありません。

こうした疲労に対しては、完全レスト、もしくは日常生活レベルの最低限の動きに留め、回復に専念するほうが結果的に近道になります。
このとき大切なのは、「何もしないことをサボりだと思わない」ことです。

完全レストは逃げではなく、次のトレーニングの質を守るための、積極的な選択です。


■ まとめ
正しい休息とは、「何もしないこと」でも「必ず動くこと」でもありません。
疲労の種類を見極め、今の自分に必要なのが完全レストなのか、それとも軽い活動なのかを選ぶことが重要です。この判断ができるようになると、トレーニングの質も回復の質も確実に一段上がります。休むことも、立派なトレーニングの一部です。

その象徴的な例がリカバリーライドです。

リカバリーライドは「走れば回復する魔法のメニュー」ではありません。強度を間違えれば、単なる「もう一回練習した」状態になります。
目安としては、会話が普通にできる強度で、心拍はZ1〜低Z2に収まり、脚に張りを残さず、時間も短めで十分です。これらを外れてしまうと、回復ではなく疲労の上乗せになります。リカバリーライドは侮ってはいけません。

インターバルでは強度を厳守するのに、なぜか低強度のリカバリーではパワーを守らなくなる人がいます。正直に言えば、過去のワタクシがそうでした。「ついつい」「気持ちよくて」と言っている時点で、強くなるための選択はできていません。それが、ワタクシ自身があと一歩強くなれなかった理由でもあります。  

強度を守るのは強い日だけではなく、リカバリーの日も大切なことです。

適切な休息をとることの重要さはワタクシ自身。この身に染みていることです。
・成長したいから練習する
・練習したら休息をとる
・休息をとるから成長する
この流れは、よほどの才能に恵まれた人を除けば、誰にとっても絶対に外せないものです。

ということで今回は、「休息って、ただ休めばいいの?」
完全レストか、軽く動くか?ロードバイクの正しい休息の考え方、そんなお話でした。。

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