ペダルの話です。
DURA-ACE PD-R9100 を使い始めたのは、2020年2月のことでした。
あれから6年以上。
走行距離にして10万km。
地球を2周半以上回った計算になります。
特別な実験をしたわけでもありません。
酷使したわけでもありません。
ただ、日々のライドを積み重ねただけです。
使用していて不満が出たわけでもありません。
異音が出たわけでも、突然ガタが出たわけでもありません。
それでも、ついに交換する日が来ました。
ではなぜここまで使い交換に至ったのか、DURA-ACEのペダル、PD-R9100の限界を見る話、
DURA-ACEペダルの異常な耐久性。それでも交換した理由 ― 10万kmの記録です。

■交換に至った理由
ビンディングペダルにおいて、最も重要なのはビンディング部です。
使用を重ねるうちに、バネの保持力が徐々に低下していることは感じていました。
その都度、クリート固定力調整ネジでテンション調整を強めることで対応してきました。
対応しきれないほど保持力が破綻することはありませんでした。
実用上、大きな不満はなかったのです。
最大の理由はビンディング部の摩耗です。

ライド中の停車時、外すのはほぼ左側のみですので、体感では右の20〜30倍以上の頻度でクリップイン/アウトを繰り返しています。
その結果、左側のビンディング部は明らかに摩耗しました。
ロゴが消えている、というレベルではありません。
新品と比較すると一目瞭然で、厚みが減り、全体的に短く痩せています。

しかし。
これだけ摩耗していても、
・ガタはほぼ無し
・大きな回転異常も無し
・通常使用では問題無し
普通に使えてしまっていたのです。
ペダルには単純な踏力だけでなく、引き方向やねじれ方向への力も加わります。
摩耗によって薄く短くなったビンディング部に、想定外の入力が入った場合どうなるか。
可能性の話ではありますが、そのリスクを抱えたまま使い続ける合理性はないと判断しました。
明らかな破損や不具合がみられたわけではありません。
それでも摩耗が安全側の限界に近づいたと判断したことこそ、交換の決定理由です。
それでも摩耗が安全側の限界に近づいたと判断したことこそ、交換の決定理由です。
■ 回転性能
このDURA-ACE のペダル PD-R9100は10万km以上使用してまいりました。
正直に言うとです。
正直に言うとです。
交換しても、走りはほとんど変わりませんでした(笑)。
意識を極端にペダルへ集中すれば、
「少し滑らかになった気がするかもしれない」程度です。
・強度を上げても
・ダンシングしても
・巡航しても
正直なところ走りに影響が出るほどの差は、体感できませんでした。
これは本当に驚きです。
10万km使ってもパワーに影響は出ない、回転抵抗の差も分からない、性能面に限れば、ほぼ劣化を感じなかったと言ってよいでしょう。
■ 高耐久の理由
昨今、他社製ペダルの中には
1年も経たずに、ガタが出てしまうモデルも存在します。
この構造は定期的なグリスアップを前提としていますが、実際の頻度はそこまで多くありません。
ハブのように外界に近い構造ではなく、ペダル軸は比較的密閉性の高い構造になっているためです。
ただし注意点があります。
ガタだけは絶対に放置しないことです。
ガタが出た状態で使い続けると、カップやコーンの当たり面を傷め、虫食いを誘発します。
カップアンドコーンは単なる“古い構造”ではありません。
・回転が渋くなれば調整できる
・ガタが出ればプリロードを追い込める
・虫食いが出れば軸交換も可能
つまり調整しつつ使い続ける前提、で設計されています。
ガタが出ても調整不能な、設計予圧構造とは思想とは異なります。
とは言っても、限界はあります。
回転部が健全であっても、ビンディング部が大きく摩耗していれば話は別です。
ペダルは回る部品であると同時に、足を支える“保持部品”でもあります。
回転が良くても、保持部が痩せてしまえば、それは寿命として考えざるを得ません。
今回の交換は、回転性能の問題ではありません。
物理的摩耗の限界に達した、という判断です。
■ 長持ちささせる秘訣
実際にワタクシ自身が、ペダルを長持ちさせたいならまずはこれです。
”クリートをケチらないこと”、これはマストです。
摩耗したクリートは
・クリップインが渋くなる
・ペダル側の接触部に余計な負荷をかける
・摩耗を加速させる
ペダルの寿命は、回転部よりも先にビンディング部の摩耗で決まることが多いです。
であれば、その摩耗をいかに抑えるかが重要になります。
答えは単純です。
できるだけ良好な状態のクリートを使うこと。
では実際には何キロぐらいで?ということなのですが、これは一概に距離では示せません。
なぜなら、
・どれだけ歩いたか
・どんな場所を歩いたか
・泥や砂が詰まった状態で使っていないか
これらの影響が非常に大きいからです。
泥や土が詰まった状態でのクリップイン/アウトは、ビンディング部を確実に傷め摩耗を促進させます。
岩場や砂利道を歩き、角が削れたクリートでの着脱も同様です。
重要なのは距離ではなく状態です。
摩耗限界まで使い切るのではなく、「怪しい」と感じた段階で交換することで、結果的に、ペダル本体の寿命を延ばします。
■ まとめ
大げさな話ではなくDURA-ACEのペダル PD-R9100は、10万km使っても走りは変わりませんでした。
回転性能に体感できる差はなく、パワー伝達に不満もありませんでした。
耐久性という一点において、これは異常と言ってよいレベルです。
それでも交換したのはビンディング部が痩せ、保持部としての限界に近づいた、つまり物理的摩耗には勝てないから。
性能ではなく、安全側の判断です。
そして改めて思います。
やはりDURA-ACEは凄い。
昨今、さまざまなコンポーネントで不具合の話を耳にすることもあります。
その中で、これだけ長く、安定して使い続けられたという事実。
まさに、日本のものづくりを象徴するようなパーツだと感じています。
なお、他グレード、特に105以下では
・ビンディング部の保持感が早期に低下する
・軸部のガタが出やすい個体もある
という経験もあります。
もちろん使用状況によりますが、やはりDURA-ACEは別格です。
SHIMANOの中でも最高峰として設計されているだけのことはある。
品質と耐久性。その両立という意味で、やはり素晴らしいと感じました。
ということで今回は
DURA-ACEペダルの異常な耐久性。それでも交換した理由 ― 10万kmの記録
そんなお話しでした。
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