残らなかった機能には、理由があります。
SHIMANO CONNECT Labのサービス終了が(2027年3月末)で案内されました。
フォースベクトルやペダリング効率といったデータを確認できたこのサービスは、少なくとも現行の形では役割を終えることになります。
これにより、フォースベクトルデータを用いた詳細な分析は、少なくとも従来の形では行えなくなります。
一見すると、単なるサービス終了の案内にも見えます。
しかし、ロードバイクの世界においては、「残る機能」と「消える機能」は決して偶然ではありません。
本当に必要とされているものは残り、そうでないものは静かに整理されていきます。
フォースベクトルは、ペダルに加えた力の向きを可視化し、ペダリングの質まで見ようとした試みでした。
理屈としては非常に魅力的で、「効率よく踏めているか」が分かれば、もっと速く走れるのではないか――そう考えた方も多いはずです。
しかし実際に使い込んでいくと、ある違和感に気づきます。
パワーが低いと効率は低く出やすく、パワーを上げると効率が良く見えやすい。
これは本当にペダリングの上手さを表しているのか、それとも単に出力の結果を別の形で見ているだけなのか。
そもそもロードバイクで重要なのは、
きれいに回せているかではなく、必要な出力を長く、安定して、崩れずに出せるかです。
その視点で見たとき、フォースベクトルやペダリング効率は、どこまで意味のある指標だったのでしょうか。
今回のCONNECT Lab終了は、その答えを直接語るものではありません。
しかし、「残らなかった」という事実は、ひとつの示唆にはなります。
この記事では、フォースベクトルの仕組みと限界、ペダリング効率という指標の立ち位置、そして今回のサービス終了から見えてくるものを整理していきます。
「効率が高いほど速くなる」と思っていた方ほど、一度立ち止まって見直す価値があるはずです。

■ パイオニアが開発したフォースベクトルとは?
フォースベクトルと聞いて、懐かしいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この機能を強く印象づけたのは、Pioneerのペダリングモニターでした。
当時のパイオニアのパワーメーターは、単にパワーを表示するだけではなく、ペダリング効率を可視化する「フォースベクトル」機能を備えていたことが大きな特徴でした。
ペダリングの中で、どの方向にどの程度の力をかけているのか、つまり力の方向を見られる、パイオニア独自の機能です。これは当時としてはかなり先進的な発想だったと思います。
フォースベクトルを見ることで、ペダリングの中にどれだけ回転方向へきれいに力をかけられているか、逆にどの方向へ無駄な力が逃げているのかを把握できるとされていました。
要するにフォースベクトルは、ただパワーを見るだけではなく、そのパワーがどれだけ進む力に使われているか、つまり効率を見ようとした技術だったわけです。
実際、見ていて面白い機能でしたし、うまく使えれば何か大きなヒントが得られそうにも見えます。
そしてこのフォースベクトルの根底にある考え方が、いわゆるペダリング効率です。
きれいに、無駄なく、回転方向へ力を伝えられていれば効率が高いはずだ。そう考える流れ自体は、非常に自然だったと思います。
ただし、ここから先が難しいところです。
見えることと、実際に役に立つことは同じではありません。
フォースベクトルは確かに面白い技術でした。
しかし、その先にある「では、そのデータをどう使うのか」という部分になると、話は少し変わってきます。
■ なぜSHIMANOはConnect Labを切ったのか?
SHIMANO CONNECT Labの終了が案内されました。
理由は明示されていませんが、この流れをどう見るかは少し考える余地があります。
利用者の少なさなども要因としてあったのかもしれません。
しかし、フォースベクトルという機能を含めて考えると、もう少し踏み込んで見てみる必要があります。
フォースベクトルは確かに面白い機能でした。
ただし、実際に使い続けていくと、次第に見えてくる問題もありました。
① 見えても、どう直せばいいか分かりにくい
フォースベクトルは、踏み方を可視化するという点では優れていました。
しかし、そのデータを見て「ではどう改善するのか」という部分になると、判断が難しくなります。
グラフの形が良いのか悪いのか。
どこをどう直せばよいのか。
その基準が明確とは言いにくく、結果として見て終わりになりやすい側面がありました。
② 本当に速さにつながるのかが曖昧だった
フォースベクトルがきれいだからといって、必ずしも速く走れるとは限りません。
逆に、多少理想的でなくても、しっかりパワーを出せている人は普通に速く走れます。
つまりフォースベクトルは、
“見た目の良さ”は分かっても、“速さとの直結性”がはっきりしない指標でした。
③ 主役の指標にはなれなかった
プロの現場やコーチングの中で、フォースベクトルが中心的に使われているという話は、少なくとも広くは見かけません。
アマチュアでも同様で、実際に重視されているのは、
・パワー
・心拍
・持続時間
・再現性
といった、より直接的な指標です。
現在のトレーニングでは、ペダリング技術そのものよりも、有酸素能力、デュラビリティ、インターバル耐性といった要素をどう高めるかの方が重視されている面もあると思います。
フォースベクトルは話題性はありましたが、
トレーニングや実走の中心に置かれる指標にはなりませんでした。
これらを踏まえると、「見えることと、役に立つことは違う」
という点がはっきりしてきます。
SHIMANOがConnect Labを終了した理由を公式に断定することはできません。
しかし少なくとも、フォースベクトルのような機能が、ユーザーにとって不可欠な中核機能になれなかった可能性は十分に考えられます。
多くのライダーにとっては「毎回見るべき必須データ」ではなく、「見られれば面白いデータ」にとどまっていたように思います。
多くのライダーにとっては「毎回見るべき必須データ」ではなく、「見られれば面白いデータ」にとどまっていたように思います。
■ Connect Lab終了から見えること
SHIMANO CONNECT Labの終了が案内されました。
理由は明示されていませんが、この流れをどう見るかは少し考える余地があります。
今回の終了は、単なるサービス終了として受け取ることもできます。
実際、それ以上のことは公式には語られていません。
ただ、それでもひとつ言えるのは、本当に必要とされている中核機能であれば、そう簡単には終わらないということです。
フォースベクトルは確かに先進的で、見ていて面白い機能でした。
しかし一方で、それが多くのユーザーにとって日常的に使う必須機能だったかというと、そこはかなり怪しいところがあります。
パワーメーターを使う現在のトレーニングでは、本当に多くの人が見ているのは、
・パワー
・心拍
・ケイデンス
・持続時間
・再現性
このあたりです。
フォースベクトルは話題にはなっても、そこに並ぶ“外せない指標”にはなりきれませんでした。
だからこそ今回のConnect Lab終了は、
フォースベクトルが主流の評価軸にはなれなかった
ことを示しているようにも見えます。
もちろん、これはSHIMANOが公式にそう言ったわけではありません。
ただ、残ったものと残らなかったものを見れば、ある程度の方向性は見えてきます。
そしてもうひとつ気になるのが、今後のSHIMANO純正パワーメーターです。
現時点で、次のモデルにフォースベクトル機能が入らないと断定できる材料はありません。
しかし、Connect Labの終了によって活用の場がなくなること、市場全体でもこの種の機能が主役になっていないことを考えると、次のSHIMANO純正パワーメーターでフォースベクトルを前面に出してくる可能性は高くないように思えます。
少なくとも、これまでのように「特徴的な分析機能」として強く押し出していく流れではなさそうです。
残らなかった機能には、やはり理由があります。
そしてその事実は、今後の製品の方向性にもつながっていくはずです。

■ まとめ
パイオニアから発売された当時のフォースベクトルは、単にパワーの数値を見るだけではなく、ペダリングを可視化し、効率まで見ようとした技術でした。
当時としてはかなり先進的で、注目を集めたのも自然だったと思います。
ただ、そのデータが実際の速さやトレーニング改善にどこまで直結するのかという点では、最後まではっきりした主役にはなれなかった印象です。
見ていて面白い機能ではあっても、多くのライダーにとって欠かせない指標にはならなかった、ということなのだと思います。
ワタクシ自身も、ペダリング効率を確認することはあります。
しかし実際のトレーニングでは、ベクトルの形そのものよりも、どのパワーを何分維持できたのか、心拍がどう推移したのかといった数値の方を重視してきました。
少なくとも、実走の中で結果につながっていたのは、フォースベクトルの見た目よりも、そうした直接的な指標の方でした。
もちろん、これはワタクシ自身がフォースベクトルという機能を十分に使いこなせていなかった可能性もあります。
ただ、今回のConnect Lab終了の流れを見る限り、その立ち位置を象徴しているようにも見えます。
そしてこの流れを踏まえると、今後のSHIMANO純正パワーメーターでも、フォースベクトルが前面に出てくる可能性は高くなさそうです。
面白い技術でした。
しかし、最後まで中心にはならなかった。
それがフォースベクトルだったのだと思います。
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