前回、SHIMANO FC-R9200-PとCyclePlus T3を比較しました。
そこで今回は、比較対象を4iiii両側パワーメーター に変えて再検証してみました。
目的は単純です。
前回見えた差がFC-R9200-P特有のものなのか、それとも別のパワーメーターでもT3と比べると差が出るのか。
その点を、もう一段深く確認するためです。
■ 前回のFC-R9200-Pで見えたこと
前回の比較での結果はというと、
FC-R9200-Pは、200〜300W前後でT3に対して低めの数値を示す傾向がありました。
そして重要なのは、その差が一度だけではなく、何度比較しても同じ方向に現れていたこと です。
つまり、
・FC-R9200-Pは低めに出る
・T3はそれより高めに出る
この関係が繰り返し確認されていました。
この結果から見えたのは、どちらかが不安定というよりも、両者がそれぞれの値として一貫していたということです。
つまり前回の結果は、FC-R9200-PとT3のどちらかが、明らかにおかしいという答えではありませんでした。
同じ機材で継続して使う限り、一貫性がある以上、トレーニング機材としては十分に成立します。
問題になるのは、他のパワーメーターと横並びで見た時に差が出ること です。
■ 今回4iiiiで再検証する理由
前回の結果だけを見ると、「FC-R9200-PはT3と比べて低い傾向」というだけで終わってしまいます。
ただ、それではまだ判断として不十分です。
本当に知りたいのは、T3と比較した場合FC-R9200-Pだけが低いのか、それとも他のパワーメーターでもT3と比べると差が出るのか です。
そこで今回は、比較対象を4iiiiの両側パワーメーターに変えて再検証してみました。
やることはシンプルで、4iiiiとT3を比べたらどうなるかを見るだけです。
もし4iiiiとT3で計測したパワーが同様であれば、前回の差はFC-R9200-P特有の可能性が高くなります。
逆にここでも差が出るなら、パワーメーター同士はそもそも一致しない可能性があるという話になります。
今回は、その切り分けを行うための比較です。

■ 今回の検証で見たいポイント
今回見ているのは、単純なパワー差だけではありません。
差がどう出るか に注目しています。
ポイントは3つです。
①ケイデンスと左右バランス
まず基本となるケイデンスと左右バランス です。
ここが正確に取れていないと、根本的に正確なパワーを算出するのは難しいと思います。
本題に入る前の基本項目ですが、非常に重要なポイントです。
②パワー値
そしてパワーの差そのもの です。
200〜300Wといった普段使う領域で、どの程度ズレるのかを見ます。
もし前回のFC-R9200-Pと同じ傾向であれば、どの出力帯でも一定の差が出るはずです。
③パワーの一貫性
最後は差が毎回同じように出るかどうか です。
前回のFC-R9200-Pのように、いつも同じ方向に差が出るのか。
それとも、比べるたびに差の出方が変わるのか。
つまり差の一貫性であり、パワーメーターとして非常に重要な部分です。
今回はこの3点を見ながら比較しています。

■ 検証結果①:左右バランスとケイデンス
まず最初に確認したのは、パワー値そのものではなく、前提となる測定条件の整合性です。
ここが揃っていなければ、出力差の議論自体が成立しません。
✓ 左右バランス
今回使用した4iiiiの両側パワーメーターでは、左右バランスは46/54という値でした。
これは過去に確認しているFC-R9200-Pの表示とも一致しています。
当初FC-R9200-Pの値を疑った理由のひとつは、左右バランスが45/55前後となることに違和感があったためでした。
しかし今回4iiiiを使用してみて、同様の結果だったということは、ワタクシ自身の左右差は事実である可能性が高く、FC-R9200-Pの数値は誤りではない可能性も高いということです。
当初FC-R9200-Pの値を疑った理由のひとつは、左右バランスが45/55前後となることに違和感があったためでした。
しかし今回4iiiiを使用してみて、同様の結果だったということは、ワタクシ自身の左右差は事実である可能性が高く、FC-R9200-Pの数値は誤りではない可能性も高いということです。
したがって、前回のFC-R9200-P比較で見えた差についても、
少なくとも左右バランスの異常が主な原因とは考えにくい と考えられます。
つまりここで一つ、パワーの差の原因候補は明確に除外されます。
✓ ケイデンス
次にケイデンスです。
今回の比較では、4iiiiとT3のケイデンスはほぼ一致しており、
代表的な区間では以下の通りです。
78.4rpm vs 78.6rpm(差 +0.25%)
このレベルであれば、実質的に同一値と見なして問題ありません。
また、過去のFC-R9200-P比較においても、ケイデンスは大きくズレていませんでした。
したがって今回も含めて、パワーを算出する基本となる一つの数値であるケイデンス由来の差である可能性は極めて低く、少なくともケイデンス以外の要素が差を生んでいる可能性が高いと考えられます。。
これらを含めて実際に4iiiiとT3の比較を見ていきたいと思います。■ 検証結果②:出力比較(200W〜300W帯)
ここからは、純粋に出力値の比較として見ていきます。
ここからは、純粋に出力値の比較として見ていきます。
① 200W前後
まずは日常的に最も使用頻度の高い200W帯です。
今回の比較では、
・4iiii:202.7W / T3:207.7W(+2.1%)
・4iiii:213.4W / T3:221.9W(+3.8%)
・4iiii:223W / T3:231W(+1.9%)
という結果になりました。

この領域では、
T3が4iiiiよりやや高めに出る傾向は確認できます。
その差は約2~4%、FC-R9200-PとT3の比較と比べて差は少ないですが、やはり差が出ていることは確認できます。
② 250〜260W前後
・4iiii:256.9W / T3:267.5W(+4.0%)
・4iiii:259.7W / T3:264.6W(+1.9%)
この領域でも、T3が4iiiiより高めに出る傾向は続いています。差は約2〜4%で、一定方向ではあるものの幅にはばらつきがあります。
③ 300W前後
続いて300W付近です。

4iiii:308.8W / T3:325W(+5.0%)
4iiii:306W / T3:318 W(+3.77%)
4iiii:306W / T3:318 W(+3.77%)
この領域では、差は拡大し、約5%に達するケース が確認されました。
5%というとそこまで大きくはないと思うかもしれませんが、パワーにして16.2Wです。
10W以上の差が出てしまうと、トレーニングとしては見過ごせないぐらいのパワー差です。
10W以上の差が出てしまうと、トレーニングとしては見過ごせないぐらいのパワー差です。
✓ 一部データの扱いについて
このようなデータは平均値やNPを大きく歪めるため、傾向判断には使用していません。
今回の比較では、あくまで正常に計測されている区間のみを対象 としています。
✓ 出力比較から見える傾向
ここまでを整理すると、次のようになります。
・全体として T3の方が高めに出る傾向 はある
・4iiiiもFC-R9200-Pほどではないものの、T3に対して低め方向の差を示している
・差は200W帯より300W帯のほうがやや大きくなる傾向がある
・差は200W帯より300W帯のほうがやや大きくなる傾向がある
■ 検証結果から:前回のFC-R9200-P比較との違い
前回のFC-R9200-Pは、200〜300W帯で概ね5%前後の差 が続いており、低め方向のズレがより分かりやすく現れていました。
一方、4iiiiとの比較では、200W帯では約2〜4%、300W帯では約4〜5%と、出力が上がるにつれて差がやや大きくなる傾向 が見られました。
ケイデンスがほぼ一致している以上、今回見えている差は回転数の問題では説明しにくいと考えられます。
さらに、4iiiiとの比較では200W帯より300W帯のほうが差が広がる傾向も見られました。
この結果から見ると、差の要因は、トルク計測そのもの、あるいはその補正・演算処理を含む領域にある可能性が高いと考えられます。
■ まとめ
今回の検証から見えてきたのは、パワーメーターごとに差が存在する ということです。
各製品ごとに構造やロジックが異なる以上、差が出ること自体は不自然ではないと思います。
それを踏まえたうえで、今回あらためて比較してみて、FC-R9200-Pが明らかに的外れな数値を出しているという印象はありませんでした。
常用帯ではやや低めに出る傾向は見られたものの、その差はある程度一貫しており、少なくともトレーニング機材として使いにくいという話ではない と考えています。
むしろ重要なのは、この一貫性です。
同じ条件で同じような傾向が繰り返し現れるのであれば、それはトレーニングにおいて十分に意味を持ちます。
パワーメーターに求められるのは、他機材と完全に一致することだけではなく、同じ基準で継続して積み上げられること でもあるはずです。
また、何を「正」とするかは簡単ではなく、異なるパワーメーター同士を完全な共通基準として扱うのは、現時点ではまだ難しい部分があるように思います。
だからこそ、パワーメーターは他機材との単純な比較だけで見るのではなく、自分の中で一貫した基準として使うこと が大切なのではないでしょうか。
今回の検証を通して、そのことをあらためて感じました。
■ あとがき
最後に、ここからは主観的な内容になります。
今回の検証を通して、これまで気になっていたFC-R9200-Pの左右バランスについては、4iiiiでの比較によって少なくとも異常ではないと判断できた結果となりました。
また、日常的に使用している中でも、出力の挙動に違和感を覚えたことはありません。
気温が大きく変化した場合や、強度を上げて踏み込んだ場合でも、前後でパワーの出方が不自然に変わるようなことはなく、測定として破綻している印象はありません。
もちろん、同じ出力でもきつく感じる日と余裕のある日は存在します。
しかしその差は、機材の問題というよりも、コンディションや疲労といった人間側の変動の影響の方が大きいと感じています。
その意味でも、日常的なトレーニング機材としては十分に信頼できる挙動です。
さらに、実用面での強みも明確です。
FC-R9200-Pは使用開始から約3年、雨天走行や洗車も含めてそれなりの使用環境に置いてきましたが、
・故障
・通信断
・データ欠落
といったトラブルは一度も発生していません。
この安定性の高さは非常に大きな価値であり、単なる数値の精度とは別軸で評価すべきポイントです。
今回の検証ではパワー値の差に焦点を当てましたが、
こうした実用面での信頼性も含めて考えると、FC-R9200-Pがプロ選手を含めて広く使われている理由の一つであることは、十分に理解できる部分でもあります。
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