一定以上のレベルを目指すなら、やはり練習を習慣にすることは欠か せません。

思いついた時だけ頑張るのではなく、日々の中で生活の一部になるような習慣づけ、それが結局はいちばん大切なのだと思います。

ただ、現実には時間の問題があります。
仕事もあれば、予定もある。
風を引くときだってあるかもしれませんし、
天候だって思い通りにはなりません。

そうなると、限られた時間の中で「今日やらなければ」と無理をしてしまうことがあります。
少し疲れていても、調子が悪くても、とりあえずやる。
真面目に練習している人ほど、そうなりやすい傾向にあります。

でも、その練習は本当に強くなるためのものなのでしょうか。

今回は、そんな話です。
ワタクシ自身の経験をもとに、「私がインターバルトレーニングを止める日」について書いてみようと思います。

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■ やればやるほど強くはならない
以前のワタクシは、やればやるほど強くなると思っていました。

練習量を積めば積むほど、きついことをやればやるほど、他の人より強くなれる。
調子が悪い日でも、とにかくやれば何かしらの積み上げにはなる。
そんなふうに考えていました。

実際、ある程度まではそれでも伸びる時期があります。
だからこそ厄介です。
その成功体験が、「とにかくやれば強くなる」という考えを強くしてしまうからです。

ずっとそれで通用するわけではありません。

そうした練習を続けていると、やがて伸びが鈍り、さらにひどくなると落ちていきます。
疲労が残ったまま無理に踏んだ日。
調子が悪いのに、予定していたメニューを崩したくなくて意地で続けた日。
そのツケは、少しずつ自分に返ってきます。

回復は遅れ、練習の質は落ちていきます。
そうなると、一回頑張ったことが一回分の上積みになるどころか、その後の流れ全体を崩す原因になります。

当時のワタクシ自身がが見ていたのは、その日の達成感でした。

メニューを完遂したこと。
苦しいのに最後までやり切ったこと。
予定通り練習できたこと。
そういう分かりやすい満足感を、成長そのものだと思っていたのだと思います。

でも今は、そうは考えていません。

練習は、その日1日だけで完結するものではないからです。
本当に大事なのは、その一本をやったかどうかではなく、その練習が次につながるかどうかです。

■ 正しい判断能力
以前のワタクシは、予定している練習メニューを途中で止めること、こなせないことにどこか敗北感のようなものがありました。

・予定していた本数をこなせなかった。
・最後までやり切れなかった。
・パワーが足りなかった
そういう結果だけを見ると、どうしても「弱い」「甘え」と感じてしまいやすいからです。

でも今は、そうは思っていません。
むしろ、状態が悪い日にきちんと止めることは、弱さではなく正しい判断だと思っています。

大切なのは、その日のメニューを完遂したかどうかではありません。
その練習を続けることに意味があるのかどうかです。

たとえば、
・疲労が強く残っている日
・明らかに体の反応が悪い日
・やっても狙った質にならず、ただ消耗だけが大きくなる日

そういう日は、無理に続けても得られるものが少なく、むしろ崩れる原因になることがあります。

以前は、止めることに対してネガティブな印象がありました。
でも今は、途中で止めることの見え方が変わりました。

止めるというのは、逃げることではありません。
諦めることでもありません。
その日の達成感よりも、その先の成長を優先するということです。

今日は踏むべき日なのか。
それとも、踏まない方が強くなれる日なのか。
その判断をきちんとできることこそ、継続して伸びていくために必要な力だと考えています。


 ■ 実際にやめる判断
では、実際にどんな日に止めるのか、ということです。

これは、ただ「少しでもきつかったらやめる」という話ではありません。
インターバルトレーニングは、そもそも楽なものではありませんし、ある程度きついのは当然です。
やる前に気が重い日もあります。
だから、ただ苦しいというだけでは止める理由にはなりません。

ワタクシが止めるのは、狙っている練習の質になっていないと判断した時です。
その判断基準を、少しだけ紹介してみようと思います。

① 筋肉の反応が明らかに悪い時
たとえば、筋肉の疲労感がはっきり残っている日です。

脚が重いというより、踏んだ時の反応そのものが鈍い日があります。
数字だけ見れば一応踏めていても、力がうまく乗らず、いつものような動きにならない。
そういう日は、無理に続けても良いインターバルになりにくいです。

② 心拍の反応や苦しさが不自然な時
あるいは、1本目から心拍の上がり方や苦しさが不自然な日です。

気温や風など外的条件で多少きつくなることはありますが、それを差し引いても明らかに反応が悪い日があります。
パワーだけ見れば一応こなせていても、体の反応が普段と違う。
そういう日は、続けるほどズレが大きくなっていく印象があります。

③ 続けても良くなる感触がない時
そして、続けても良くなる感触がない日です。

1本目が悪くても、2本目で少し調子が上がってくる日もあります。
アップ不足だっただけ、体が起きていなかっただけ、ということもあります。
そういう日は続ける意味があります。

しかし、2本目に入っても状況が変わらない。
むしろ苦しさだけが増していく。
脚も心肺も噛み合わず、ただ踏んでいるだけになる。
そうなった時は、そこで止めます。

なぜなら、その先にあるのが成長ではなく、ただの消耗であることが多いからです。

④ 無理に続けても得るものが少ないと感じた時
例えば、疲労や何らかのマイナス要因で、明らかにパワーが落ちている日があります。
あるいは、心拍の反応がおかしい日もあります。

そういう日に無理に練習をすることで、本当に鍛えられる部分があるのか。
ワタクシは、そこを考えるようにしています。

もしそこで得られるものが少ないのであれば、無理に踏むよりも、次の練習でしっかりベストを出せるように整えることの方が大切です。
次のポイント練習の質を最大限に高めるために何をするべきか。
そう考える方がずっと生産的だと思っています。

判断基準は「完遂できるか」ではない
実際に見ているのは、「可能かどうか」だけではありません。
その練習が、”狙った刺激として成立しているかどうか”を見ています。

実際に数字だけを見れば、無理をすれば何とかなる日もあります。
でも、無理をして成立させた練習が、次につながるとは限りません。
むしろ、そういう日の無理な練習は回復を遅らせて、その後の流れを崩すことが多いと思っています。

続ける意味があるかどうか、そこが判断基準です。


■ まとめ
大切なことは、今日踏めるかどうかではないと思っています。

今日、踏んだほうが強くなれるのか。
それとも今日踏むことで、明日以降の練習の質を落とすことにつながるのか。
言い換えれば、今日は踏んだほうが強くなるのか、それとも踏まないほうが強くなるのか。
そこをしっかりと考えるようにしています。

踏まない。
休む。
キャンセルする。
こう聞くと、強くなることとは反対のように感じるかもしれません。

でも実際には、その一回を止める判断をすることで弱くなることはほぼありません。
しかし逆にその一回、無理をして弱くなることは決して少なくありません。

その日だけ見れば「練習をやめた日」でも、全体で見れば「崩れるのを防いだ日」であることがあります。
その一本を無理にやることよりも、その後の流れを守ることのほうが大切な日があるからです。

だからこそ、必要なのは根性だけではなく冷静かつ適切な判断です。

その練習が本当に積み上がるのか。
それとも、ただの消耗になってしまうのか。
トータルで見て、その練習がどう影響するのかを考えて選ぶこと。
そこにとても大きな意味があると思っています。

無理をして踏み切ることだけが強さではありません。
時には止めること、引くこと、やめること。
そうした戦略的撤退もまた、強くなるために必要な技術のひとつだと考えています。

そしてそれはポイント練習の日に、その練習をできる限り高い質で行えるよう、できるだけ良い状態で臨むことを意識しています。

極端な話、目的としていたインターバルが終わった瞬間、ラップを切った瞬間から、もう次の練習のことを考えています。

少し無理をして踏み続けてみる。
無駄なダッシュをする。
こういったことは、基本的にしません。

なぜなら、その場で頑張った感覚を増やすことよりも、次の練習の質を守ることの方が大切だと考えているからです。

その日の達成感を取りにいくのではなく、次につながる形で終えること。
止める判断も、終わった後に無駄をしないことも、ワタクシにとっては同じ意味を持っています。

インターバルは、完遂すること自体が目的ではありません。
目的は、成長することです。
完遂することや、練習したという事実そのものが目的になってしまっては、本末転倒です。

ワタクシは、そこを見失わないようにしたいと思っています。
それこそが、強くなるための最短ルートだと考えています。


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