富士ヒルの戦略の一つに、補給があります。
富士ヒルは、ゴールドペースで約65分、シルバーペースで約75分、ブロンズペースで約90分です。
つまり、ブロンズ狙いまでであれば、少なくとも2時間以内にはゴールする計算になります。
では、その2時間弱のレースに補給は必要ないのでしょうか。
富士ヒルに向けて、ドリンクの量を重量面から緻密に考える方は多いと思います。
では、補給食に関してはどうでしょうか。
個人的には、65分前後のゴールド狙いであっても、補給があったほうが良い場合もあると考えています。
特に、4合目付近や大沢駐車場付近からペースがガクッと落ちてしまう、
これは富士ヒルではよく聞く話です。
もちろん、標高による影響もあると思います。
しかし、本当にそれだけでしょうか。
後半のパワー低下には、糖質不足や補給タイミングの遅れが関係している可能性もあります。
そして、補給の内容やタイミングを見直すことで、後半の失速を抑えられる可能性もあります。
走り方やペース配分については、富士ヒル対策としてよく語られます。
しかし今回は、少しマニアックではありますが、実はかなり重要な「補給」について考えてみようと思います。

■ ゴールド狙いの補給
ゴールド狙いの場合は、教科書的な話では「1時間前後であれば途中補給は必須ではない」という情報が多いかもしれません。
完全な個人TTのように、一定ペースで淡々と登れるのであれば、スタート前の補給とボトル内の糖質だけで押し切れる可能性は高いと思います。
しかし実際には、状況によってレース中の補給があったほうが良い場合もあります。
なぜでしょうか。
まず、これはどのカテゴリーでも共通することですが、
・いつもと違う環境で、満足に朝食が取れない場合
・ホテルを出てから、受付、整列等実際にレースがスタートするまでの時間が長い場合
・緊張や高揚感で、普段よりも消耗しやすい場合
このような要因があります。
しかし、それだけではありません。
富士ヒル本番の走り方に関することです。
レース本番ともなると、必ずしも理想的な個人TTになるとは限りません。
周囲のペースに合わせたり、ローテーションが入ったり、前走者を抜くために少し踏んだり、集団内で細かな強弱が出たりする場面もあります。
そうなると、練習で想定していた以上に糖質を消費してしまうこともあります。
そうなると、練習で想定していた以上に糖質を消費してしまうこともあります。
基本的に、高い強度の運動では糖質の使用量が増えます。
・練習では問題なかったのに、本番では後半に力が入りづらくなってくる。
・レース後半にジェルを摂ったら、少し回復したように感じた。
このような経験をしたことがある方もいるかもしれません。
もちろん、ジェルを摂った瞬間に、すべての糖質がすぐ筋肉まで届くわけではありません。
しかし、甘さを口腔内で感じることによって、脳側のブレーキが少し緩むような感覚が出ることはあります。
また、「補給した」という安心感によって、もう一度踏める感覚が戻ることもあります。
これは、いわゆる「マウスリンス効果」に近いもので、糖質が完全に吸収される前でも、口の中で糖質を感じること自体が、パフォーマンス感覚に影響する可能性があります。
これは、いわゆる「マウスリンス効果」に近いもので、糖質が完全に吸収される前でも、口の中で糖質を感じること自体が、パフォーマンス感覚に影響する可能性があります。
つまり、実際の吸収だけでなく、口腔内で糖質を感じること自体が、パフォーマンス感覚に影響する可能性があります。
少なくとも、ジェルを摂って明らかに元気が戻ったように感じるのであれば、身体や脳が糖質を欲していた可能性はあります。
また、仮に体内の糖質が完全に枯渇しているわけではなかったとしても、空腹感やエネルギー不足感によって、元気が出づらくなったり、パワーを維持しづらくなったりすることはあります。
富士ヒルのように最後まで踏み続けるレースでは、このような「なんとなく力が出ない」という状態も、できるだけ予防しておいたほうが良いと思います。
ですので、ゴールド狙いであっても、レース本番では補給を用意しておく価値はあると思います。
ただし、補給は元気がなくなってから摂るものではありません。
力が入りづらくなってから慌てて摂るのでは、タイミングとしては少し遅いです。
使うのであれば、スタート直前にジェルを1個。
そしてレース開始から20〜25分あたりで、もう1個入れておく。
このくらいのタイミングであれば、後半に糖質不足のような感覚が出る前に、先回りして対策しやすくなります。
もちろん、完全に一定ペースで走れる場合や、胃腸に不安がある場合は、途中ジェルを無理に入れる必要はないと思います。
しかし、慣れない環境であったり、本番で細かな強弱が入る可能性を考えると、ゴールド狙いでも「途中補給は不要」と決めつけすぎないほうが良いと思います。
■ シルバー狙いの補給
シルバー狙いの場合は、ゴールド狙いよりもレース時間が長くなります。
富士ヒルのシルバーは75分切りですので、単純に考えても1時間を超えて走り続けることになります。
この時間になると、スタート前の補給だけで最後まで押し切れる人もいるとは思いますが、途中補給の重要性はかなり高くなってきます。
特に富士ヒルは、平坦のロードレースのように脚を止められる場面がほとんどありません。
ずっと登り続けるため、身体としては淡々と糖質を使い続ける状態になります。
また、シルバー狙いのペースでも、周囲のペース変化や追い抜き、集団の流れによって、パワーの上下や、細かな出力の振れが出てくる場面があります。
練習では一定ペースで走れていても、本番では思った以上に強弱がつくことはよくあることです。
その結果、後半に入ってから、
「急に力が入りづらくなってきた」
「脚は完全に終わっていないのに、踏む気力が落ちてきた」
「集中力が切れて、ペースを維持できなくなってきた」
という状態になることがあります。
このような状態になってからジェルを摂る方も多いと思います。
しかし、補給は元気がなくなってから摂るものではなく、元気がなくなる前に摂っておくものです。
シルバー狙いであれば、スタート直前にジェルを1個。
そしてレース開始から30分前後で、もう1個入れておくくらいが現実的だと思います。
早すぎるように感じるかもしれませんが、後半で力が入りづらくなってから摂るよりも、まだ余裕があるうちに入れておいたほうが、最後までペースを維持しやすくなります。
先ほども触れた通り、ジェルを飲んだ瞬間に、すべての糖質がすぐ筋肉まで届くわけではありません。
だからこそ、不足してから入れるのではなく、前もって少し早めに入れる必要があります。
ボトルにも糖質を入れておくと、さらに安心です。
マルトデキストリンやスポーツドリンクなどを使い、少しずつ口に含めることで、レース中の糖質補給としても使えますし、口腔内で甘さを感じることによる安心感もあります。
シルバー狙いの場合、途中補給をまったくしない人も少なくないと思います。
もちろん、それで走り切れる人もいます。
しかし、後半で毎回失速する人や、終盤で急に力が入りづらくなる人は、補給のタイミングを見直す価値があります。
シルバー狙いでは、補給は「最後に苦しくなった時の保険」ではなく、「最後まで落ちないための準備」と考えたほうが良いと思います。
■ ブロンズ狙いの補給
ブロンズ狙いの場合は、補給の重要性がさらに高くなります。
富士ヒルのブロンズは90分切りです。
90分近く登り続けるとなると、スタート前の補給だけで最後まで走り切るのは、かなり厳しくなる場合があります。
もちろん、朝食をしっかり摂り、スタート前にも糖質を入れておけば、完全にエネルギー切れになるとは限りません。
さらに、会場までの移動、整列、待機時間も計算に入れる必要があります。
さらに、会場までの移動、整列、待機時間も計算に入れる必要があります。
しかし、富士ヒルはずっと登りです。
信号もなく、脚を止める場面も少なく、淡々と身体を動かし続ける必要があります。
このような状況では、時間が長くなるほど糖質の消費も大きくなります。
特にブロンズ狙いの方の場合、後半に入ってから、
「急に脚に力が入らなくなる」
「心拍は上がりすぎていないのに、踏めなくなる」
「気持ちが切れて、ペースを維持できなくなる」
「ただ苦しいだけで、前に進んでいる感覚がなくなる」
このような状態になることがあると思います。
この時点でジェルを摂ると、少し回復したように感じることもあります。
しかし、そこで初めて補給するのでは、タイミングとしてはかなり遅いです。
ブロンズ狙いの場合は、最初から途中補給を前提にしておいたほうが良いと思います。
具体的には、
・スタート直前にジェルを1個。
・スタート直前にジェルを1個。
・レース開始から30〜40分あたりでジェルを1個
・さらに必要であれば、60分前後でもう1個
このくらいの考え方が現実的です。
もちろん、胃腸が弱い方や、ジェルが苦手な方は無理に多く摂る必要はありません。
ただ、90分前後の登坂でまったく補給を入れないのは、後半の失速リスクを高める可能性があります。
富士ヒル本番は、普段の練習のように信号や下りで脚を緩める場面がほとんどありません。
そのため、思っている以上に身体にも脳にも負担がかかります。
ですので、ブロンズ狙いの場合は、補給を「余裕があれば摂るもの」と考えるのではなく、最初からレースプランの一部として組み込んでおいたほうが良いと思います。
特に大切なのは、元気がなくなってからではなく、元気があるうちに摂ることです。
後半で力が入りづらくなってからジェルを開けるのではなく、まだ踏めている30〜40分あたりで先に入れておく。
これだけでも、終盤の粘り方は変わる可能性があります。
ボトルにも糖質を入れておけば、ジェルだけに頼らず、少しずつ糖質を入れることができます。
ブロンズ狙いの富士ヒルでは、補給は単なるおまけではありません。
最後まで踏み続けるための、かなり重要な準備だと思います。
■ まとめ
補給に関しては、絶対的な正解を出すのは難しい部分があります。
胃腸の強さ、普段の食事量、糖質への慣れ、レース時間、強度、当日の気温などによって、適切な補給は大きく変わります。
そのため、今回の内容はあくまでも一つの考え方として、ご自身に合った補給方法を見つけていただくのが良いと思います。
補給は、ただハンガーノックを防ぐためだけのものではありません。
後半の失速を防ぎ、最後まで踏み続けるためにも、タイムに直接関わる重要な要素だと思います。
そして補給で大切なのは、必ず事前に試しておくことです。
本番で慣れないものをいきなり摂取して、「味が合わなかった」くらいで済めばまだ良いかもしれません。
しかし、自分の身体に合わずにお腹が痛くなってしまったり、気持ち悪くなってしまったりすると、せっかくのレースを台無しにしてしまう可能性もあります。
また、補給は中身だけではなく、摂取方法も大切です。
片手で取れるタイプなのか。
走りながら開けやすいのか。
バックポケットからスムーズに取り出せるのか。
ポケットに入れるのか、ビブの中に入れるのか。
どの位置に入れておくと一番取りやすいのか。
こうしたことも、実際には慣れの問題が大きいです。
レース本番でいきなり試すのではなく、練習の段階から本番と同じ補給食を使い、同じ場所に入れ、同じように取り出して摂る練習をしておくことが大切です。
前もって試し、問題なく使えることを確認し、万全の体制で本番に臨むこと。
これは機材や体調管理だけではなく、最後まで走り切るための補給においても、とても大切な要素だと考えています。
富士ヒルの補給は、苦しくなってから慌てて摂るものではなく、最後まで失速しないために前もって準備しておくものだと思います。
最後に、ワタクシ自身の富士ヒル本番の補給予定も少し書いておきます。
現時点では、ホテル出発時にエネもち、スタート前にカフェイン入りのスポーツようかん、走行中はあんパワーかカルノパワー エナジーという流れを考えています。
エネもちは、ホテルを出てからスタートまでの待機時間を考えて、腹持ちを重視した補給です。
スタート前のようかんは、糖質補給に加えて、カフェインで気持ちを入れる目的です。
そして走行中は、できるだけ咀嚼が必要なく、走りながらでも摂りやすく吸収の早いカルノパワー エナジーかあんパワーを使う予定です。
もちろん、これが全員にとって正解というわけではありません。
ただ、富士ヒルのようにスタートまでの待機時間があり、そこから最後まで踏み続けるレースでは、補給を「何を摂るか」だけでなく、「いつ摂るか」「走りながら摂りやすいか」まで考えておくことが大切だと思います。

+++++++++++++++++++++++++++

FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。当店の特徴・詳細ははこちらから
コメント