Goodyearのレーシングタイヤ「Eagle F1」シリーズに、新型となるRSシリーズが登場しました。

前回の記事では、、新たに発売された「Eagle F1 SuperSport RS」と「Eagle F1 RS」について、メーカーから発表されている構造や性能を中心にご紹介しました。

新開発のPower TensileケーシングやUUHPコンパウンド、タイヤ形状を見直したAdvanced Profileなどが採用され、従来モデルよりも転がり抵抗やグリップ性能が向上しているとされています。
メーカーの公称値を見る限り、レース志向のライダーにとっては非常に気になるタイヤです。

実測重量はどの程度なのか。
従来使用してきたタイヤと比べて、トレッド幅やタイヤ形状にどのような違いがあるのか。
そして、チューブレスレディタイヤとしての組み付けやすさはどうなのか。

そこで今回は、発売されたばかりの新型RSシリーズを早速入手し、実際にホイールへ組み付けてみることにしました。

今回使用する組み合わせは、フロントにEagle F1 SuperSport RS 28C、リアにEagle F1 RS 30Cです。
前輪には、転がり抵抗や空力性能を重視したSuperSport RSを採用。

荷重が大きく、駆動力を路面へ伝える後輪には、低い転がり抵抗に加えて耐パンク性や耐久性にも配慮されたF1 RSを選びました。

今回は、新型RSシリーズの実測重量や従来使用していたMICHELIN Power Cupとの形状比較、組み付け時の印象、装着後の実測タイヤ幅まで確認していきます。


▶早速入荷!
PXL_20260801_051134298.PORTRAIT
こちらが、今回入荷した新型Eagle F1 RSシリーズです。

私自身は、次の組み合わせで使用します。

・フロント:Eagle F1 SuperSport RS TLR 28C
・リア:Eagle F1 RS TLR 30C

前輪には、軽さと転がり抵抗、ホイールとの空力的なつながりを考えて28Cを選択しました。
一方、後輪には、接地安定性や乗り心地、耐パンク性を考慮してF1 RSの30Cを選んでいます。

前後でモデルとサイズを変え、それぞれのタイヤに求める役割を分けた構成です。

▶重量実測値
まずは装着前に重量を測定しました。

PXL_20260801_032912968
Eagle F1 SuperSports RS 28c 261g(カタログ重量 260g)

PXL_20260801_032847199
Eagle F1 RS 30c 300g (305g)
タイヤには製造上の個体差がありますが、今回入荷した個体については、どちらもカタログ重量に対して非常に優秀な数値です。

▶MICHELIN Power Cupと形状を比較
これまで使用していたMICHELIN Power Cupと並べ、装着前の形状を比較してみました。

フロント:28C
左:MICHELIN Power Cup TLR 
右:Eagle F1 SuperSport RS TLR 
PXL_20260801_052436197
同じ28C表記ですが、タイヤを平らにした状態では、Eagle F1 SuperSport RSのほうが全体的にやや幅広く見えます。

特に違いを感じるのが、路面に接するトレッド部分の幅です。

Power Cupに比べて、Eagle F1 SuperSport RSはトレッドがショルダー方向まで広く配置されています。

リア:30C
左:MICHELIN Power Cup TLR 
右:Eagle F1 RS TLR 
PXL_20260801_051749296
30C同士を比較すると、タイヤ全体の幅には極端な違いはないように見えます。

しかし、こちらもトレッド部分の幅には明確な違いがあります。

Power Cupはトレッドが狭く見えるのに対し、Eagle F1 RSはショルダー方向までトレッドが広く回り込んでいます。

同じ30C表記でも、タイヤを倒した際の接地面の移り変わりや、ワイドリムへ装着した際のタイヤ形状には違いが出る可能性があります。
最終的には、実測幅や実走時のフィーリングを含めて確認する必要があります。

▶新たに追加されたショルダー部のトレッドパターン
従来のEagle F1 Rシリーズは、トレッド面に明確なパターンが刻まれていない、非常にシンプルな外観でした。

一方、新型RSシリーズでは、センターからショルダー部分にかけて、新たなトレッドパターンが追加されています。

Goodyearは、このトレッドパターン自体の具体的な役割については記載がありません。

ただし新型RSシリーズでは、「Advanced Profile」と呼ばれる新しいタイヤ形状が採用されています。

公式情報では、ショルダー部分の支持性を高めるとともに、タイヤ中央からショルダー部分へ接地面が移っていく際の挙動を、より滑らかで予測しやすいものにしたと説明されています。

このことから、新たに設けられたショルダー部のトレッドパターンについても、単なる外観上のデザインではなく、コーナリング時の接地感やハンドリングの自然さを狙った設計の一部である可能性が考えられます。

このあたりも実走で確認したい部分です。

▶回転方向には注意
旧モデルは、トレッドパターンがほとんどない外観でありながら、タイヤの回転方向が指定されている少し珍しいタイヤでした。

では、新型RSシリーズはどうでしょうか。

新型RSシリーズにも、従来モデルと同様に回転方向の指定があります。

ショルダー部分のトレッドパターンは、見た目だけならContinental GP5000シリーズに少し似ています。

しかし、指定されている回転方向はGP5000とは逆向きになるため、組み付け時には注意が必要です。

見慣れたパターンの向きだけで判断せず、サイドウォールに刻印された「ROTATION」の矢印を必ず確認したほうがよいと思います。

また、タイヤを手に取った際の質感についても、従来のF1 Rシリーズからかなり変化しているように感じました。

ケーシングやゴムの具体的な違いを整備場だけで判断することはできませんが、触れた際のしなやかさや表面の感触には違いがあり、実走でどのような走りを見せるのか楽しみです。


▶組み付け
ホイールへの組み付け自体は、非常にスムーズでした。
旧モデルについても、極端に組み付けが硬いタイヤという印象はありませんでしたが、新型RSシリーズも同様です。
タイヤレバーの使用に苦労するような硬さはなく、特に問題なくリムへはめることができました。

チューブレスレディタイヤでは、タイヤをリムへ装着できるかどうかだけでなく、空気を入れた際にビードが正常に上がるかどうかも重要です。

ビードが上がらない原因は、大きく分けると二つあります。
一つは、タイヤとリムの隙間から空気が漏れ、ビードを押し上げるだけの圧力がかからないケースです。
もう一つは、タイヤやビードが硬く、最後の一部分がビード座まで上がりきらないケースです。

今回のEagle F1 RSシリーズでは、空気漏れによってビードが上がりづらいことも、タイヤが硬すぎて最後まで上がりきらないこともありませんでした。

特別な苦労をすることなく組み付けを完了しています。
数年前のチューブレスタイヤには、「とにかく硬く、組み付けに苦労する」という製品も少なくありませんでした。
しかし硬すぎる嵌合も後々のトラブルに繋がる場合もありますので、注意が必要です。

最近では、通常の工具と手順で問題なく装着できる製品が増えています。

今回のRSシリーズからも、昨今のチューブレスレディタイヤの完成度が上がっていることを感じました。

▶装着後の実測タイヤ幅
今回は、内幅23.4mmのホイールへ装着しました。

装着直後の実測幅は次のとおりです。
PXL_20260801_053358289
フロント:SuperSport RS 28C
空気圧4.5bar時:実測29.9mm

PXL_20260801_053406713
リア:F1 RS 30C
空気圧4.2bar時:実測30.1mm

28Cと30Cという異なる表記サイズですが、装着直後の実測幅はほとんど変わらない結果となりました。

ただし、測定時の空気圧が異なることに加え、タイヤは装着してから時間が経過すると、ケーシングがなじんでわずかに幅が広がる場合があります。

実際に使用していくうちに、どの程度変化するのか確認してみたいと思います。


▶まとめ
今回は、新型Eagle F1 RSシリーズを実際にホイールへ組み付け、実測重量や従来使用していたタイヤとの形状比較、装着後のタイヤ幅などを確認しました。

メーカー公表値では、従来モデルよりも転がり抵抗が低減され、グリップ性能も向上しているとされています。さらに、新たなAdvanced Profileによって、高速走行時にもスムーズで安定した走行性能を狙ったタイヤへ進化しているとのことです。

ただし、タイヤの本当の性能は、数値や装着時の印象だけでは判断できません。

転がりの軽さや加速時の反応、コーナリングでの接地感、高速域での安定性、そして乗り心地や耐パンク性が、実際の路面でどのように感じられるのか。

その後、低強度のロングライドからSST、高強度走、スプリントまで、さまざまな条件で約400km走行しました。

当初感じていた部分にも変化があり、新型RSシリーズがどのようなタイヤなのか、かなり見えてきましたので、ここから実走インプレッションを追記します。

PXL_20260804_221852768.PORTRAIT
※2026年8月追記
▶約400km走行して感じた、新型Eagle F1 RSシリーズの実走性能

新型Eagle F1 RSシリーズを装着してから、約400km走行しました。

今回使用した組み合わせは以下のとおりです。
・フロント:Eagle F1 SuperSport RS 28C 4.3BAR
・リア:Eagle F1 RS 30C 4.0BAR
空気圧はフロント4.5BARから始めましたが、4.5BARだとちょっと硬い気がしたので、現在は4.3BARぐらいまで落としてて運用しています。

走行内容は低強度のロングライドから、SSTインターバル、高強度走、スプリントなど様々な強度で行いました。路面についても、きれいに整った舗装路だけでなく、継ぎ目や凹凸の多い荒れた舗装路まで、さまざまな条件で試しています。

気温に関してもこの時期としては珍しい23℃前後の比較的走りやすい日から、後半には40℃近くまで上がる猛暑日まで幅がありました。

これらの条件で走ったうえで感じたのは、新型RSシリーズは、前作のEagle F1 SuperSport Rと比較しても大きく変わった部分のあるタイヤだということです。

✓装着直後のならし
装着直後は、特にタイヤのショルダー部も含めて、タイヤ全体がなじむまでに多少の時間が必要なように感じました。

いわゆる皮むきが終わるまではロードノイズがやや大きく、コーナリングでも少し独特な違和感があります。走行距離を重ねるにつれて、この違和感は徐々に小さくなっていきました。ただし、タイヤ表面がなじんだことによる変化なのか、私自身が新しいタイヤの特性に慣れたのかは、はっきりとは分かりません。

それでも装着直後に感じたロードノイズともに感じた違和感は、タイヤの馴染みが出ることできれいに目立たなくなりますので、レース直前の交換とかではなく、ある程度余裕を持って交換したほうが良いタイヤなのではないかと思いました。

✓漕ぎ出しから軽く、自然によく転がる
馴染みが出る前でも最初によく感じるのは、漕ぎ出しや登りの軽快さです。

加速時の反応も良く、登りでもタイヤの重さを感じることはありません。
タイヤの重量は交換前のタイヤと大きな差はありませんが、それでも加速時登りの際には重量以上に軽さを感じることができ、全体的に軽快な走りです。

しかし逆に、速度域の高い巡航時も確かに軽いといえば軽くよく進み、重さを感じることはありませんが、コルサスピードのように劇的な伸びを感じるようなタイヤでもありませんでした。
従来のタイヤも転がり抵抗的には十分な軽さを持っていたのかもしれません。

またこのタイヤは面白く、漕ぎ出し、加速、登り、巡航のいずれもよく走り、全体の走行性能が一段底上げされたような印象です。

✓前作よりも大きく変わった剛性感
前作のEagle F1 SuperSport Rは、全体的に柔らかく、しなやかにシルキーに路面へなじむような乗り味でした。

それに対して新型RSシリーズは、タイヤ自体の剛性が高くなったように感じます。

フロント4.3bar、リア4.0barと、極端に高い空気圧ではありませんが、強く踏み込んだ際にもタイヤが負ける感覚はありません。

比較的、低圧運用でもスプリント時のような高負荷をかけた際も横方向へよれたり、つぶれて反応が遅れたりする感覚はほとんどなく、入力に対して非常にしっかりと応えてくれます。

一方で、剛性感が高いからといって、単純に硬いタイヤではありません。

不思議なことに路面から伝わる角の立った衝撃は、うまく丸めてくれます。タイヤを支える芯の強さはありながら、不快な突き上げは抑えられている印象です。

「柔らかくてしなやか」というより、しっかりとした剛性感を持ちながら、必要な部分だけをうまく変形させているように感じます。

感覚としてはタイヤを交換しただけでも、ホイールのグレードが一段上がったような乗り味に近いものがあります。

最大の特徴は、高速域での跳ねにくさ
新型RSシリーズで最も印象に残ったのは、転がりの軽さ以上に、高速域でタイヤが非常に跳ねにくいことです。

低速で普通に走っているだけでは、その良さはそれほど強く感じないかもしれません。

しかし速度が上がるほど、路面状況が悪くても車体が跳ねづらく、地面を掴んでいる感覚がわかりやすいです。
タイヤが跳ねにくく、接地を維持しやすいことで、路面との間で起こる細かなスリップも抑えられているのかもしれません。その結果として、踏み込んだ際の反応の良さにつながっているようにも感じます。

この車体の跳ねにくさは直線だけでなく、コーナリング中に路面の凹凸を通過した場合にも、タイヤが接地感を失いにくい印象があり、安定したグリップ感があります。

この安定したグリップ感によって、路面が多少荒れていてもラインを乱されにくく、高速域でも落ち着いて走ることができます。

荒れた路面のコーナーリングでも車体は安定しますし、きれいな路面ではグリップ感が分かりやすくコーナーリングがうまくなったようにも感じます。


✓コーナリングには独特のクセがある
一方、コーナリングの挙動には、少し独特なクセを感じます。

倒し始めから深くバンクさせていく途中で、装着直後はライン取りに違和感がありました。

新たに採用されたAdvanced Profileや、ショルダーまで広がったトレッド形状によるものなのかもしれません。

約400km走行した現在では、当初ほど強い違和感はなくなっています。ただし、タイヤがなじんだのか、私自身が挙動を理解して身体が慣れたのかは判断できません。

それでも、グリップそのものに不安を感じることはありません。

むしろタイヤの挙動をつかんでからは、かなり深く倒しても滑る気がしないほど、強い接地感があります。荒れたコーナーでも跳ねにくく、路面をしっかりつかみ続けてくれるため、非常に高い安心感があります。

スッと軽く自然に曲がっていくタイヤというよりも、ライダーが自らバイクを倒し、狙ったラインへ曲げていくタイヤ。そんなイメージが強いです。

PXL_20260801_214121846
✓軽さと強さを両立したレーシングタイヤ
新型RSシリーズは、昨今話題になることの多い「転がり抵抗の低さ」だけを前面に出したタイヤではありません。

もちろん漕ぎ出しは軽く、登りでも軽快です。

しかし、このタイヤの良さはそれだけではありません。

高強度で踏み込んだ際の反応の良さ。そして速度が上がるほど分かりやすくなる、跳ねにくさと高い接地安定性です。

しっかりとした剛性感がありながら、路面から伝わる角のある衝撃はうまく丸めてくれます。

また、比較的低めの空気圧で使用しても、スプリントではタイヤが負ける感覚がなく、しっかりと腰があります。

路面を強くつかんで離さない一方で、漕ぎ出しや登りでは重量以上に軽さをしっかりと感じることができます。

一見すると相反するような性質を、高いレベルで両立したレーシングタイヤだと感じました。

前作のSuperSport Rが、柔らかさとしなやかさで路面へなじんでいくタイヤだったとすれば、新型RSシリーズは、しっかりとした剛性感で車体を支えながら、路面との接触を失いにくいタイヤへと大きく変わった印象です。

まさに「Eagle」という名前のように、路面をしっかりとつかむ感覚です。

軽快な走りだけではなく、鋭い反応と高速域での高い安定性まで備えたレーシングタイヤだと感じました。



+++++++++++++++++++++++++++
FF-Cycle(エフエフサイクル)
〒262-0019
千葉県千葉市花見川区朝日ヶ丘1-21-2
※当日の受付は18:00までとさせていただきます。
作業は18:00以降も行います。
TEL:043-376-1121
(整備中、接客中等 電話を受けれない場合は番号通知にておかけいただければ折り返しお電話をさせていただきます。)
E-Mail:ffcycle@outlook.jp
※ご連絡をいただく際には
・お名前
・ご連絡先
・ご希望の整備内容
・ご希望の日程
こちらをお申し付け下さい。
また整備内容によっては、車体メーカー、モデル名、ホイール、コンポーネントなども合わせてご連絡をお願い致します。
ロードバイクの健康診断・カスタマイズ相談的なこともお受けいたします。
当店の特徴・詳細ははこちらから