先日、X-LAB AD9をお借りして試乗していた際のお話です。
試乗とはいえ、やはりサイクルコンピューターは必須です。

そこで、手元にあったサイクルコンピューターマウント(以下、サイコンマウント)を装着して使用していました。
そのマウントは、そこら辺にあった使い古しのもので、使用履歴も不明。Garminを取り付けられる台座が付いていたので、「まあ使えるだろう」ということで深く考えずに取り付けていました。

しかしです。

下りで一番スピードが乗るところ。段差なのか、荒れた路面からの振動なのかは分かりませんが、走行中に突然Garmin先生が飛びました。

幸いGarminにはストラップを付けていたため、路面への落下・破損は免れました。
しかし、外れる時は本当に一瞬です。
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ということで今回は、なぜサイコンマウントが壊れたのか。実際にはどのような壊れ方をするのか。そして、少しでも破損を防ぐためにできる対策はあるのか。

実際に起きた事例をもとに、そんなお話をしてみようと思います。



▶Garminが飛んだ理由
実際にGarminが一瞬で飛んでしまったあと、すぐに安全なところに止まって状況を確認してみました。
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台座が割れています。

今回はマウント自体が折れたわけではありませんでした。割れたのは、Garminをひねって固定する樹脂製の台座部分です。

画像の通り、この台座が割れてしまったことでGarmin本体を保持できなくなり、そのまま外れてしまったという状況でした。

そして破損した部分を見てみると、ネジ部付近から割れが始まっているように見えます。

今回の状況から考えられる要因としては、
・ネジの締め付けによって、樹脂部分へ大きな応力がかかっていた可能性
・樹脂パーツそのものの経年劣化
・使用歴は不明ですが、これまでの着脱や走行中の振動などによる素材の疲労
などが考えられます。

原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なった可能性もあります。

ただ、今回の割れがネジ部付近から発生しているように見えることを考えると、この周辺に繰り返し応力が集中していた可能性は十分に考えられそうです。

この壊れ方をするとマウント自体は残りますが、サイコンだけが外れてしまいます。


▶マウント本体の折れ
今回のような台座割れとは別に、マウント本体そのものが折れてしまうケースもあります。

私自身、実際にそのような破損を見たことがあります。こちらはGarminを固定する台座ではなく、マウントのアーム部分や取り付け部分そのものがボキッと折れてしまうパターンです。

私が見たものでは、こちらもネジの取り付け部付近など、力が集中しやすい場所から破断していました。

こちらの壊れ方のは場合は、マウントごと飛んでいってしまうことになります。

つまり、今回取り上げるサイコンマウントの代表的な破損としては、
① Garminを固定する台座部分が割れる
② マウント本体が破断する
この2つがあります。

壊れる場所こそ違いますが、どちらも最終的にはサイコンを保持できなくなり、落下につながる可能性があります。



▶ なぜサイコンマウントは壊れるのか
・ネジ部には力が集中しやすい
今回の台座割れ、そして私が過去に見たマウント本体の破断。どちらもネジの取り付け部付近から破損していました。

ネジ穴のように形状が変化する部分は、構造上どうしても応力が集中しやすくなります。

特に樹脂部品の場合、締め付けによって大きな力がかかっていたり、走行中の振動が繰り返し加わったりすることで、クラックや疲労破壊につながる可能性があります。

一見すると問題なく見えていても、少しずつダメージが蓄積している可能性もあります。

・使用履歴不明、経年劣化のリスク
今回使ったのは、使用歴が分からない使い古しのマウントでした。

樹脂は紫外線や熱、経年変化などによって材質の特性が変化することがあります。また、これまでにどの程度使用され、どのような衝撃や振動を受けてきたのかも分かりません。

見た目には問題がなくても、すでにダメージが蓄積していた可能性はあります。

・段差や荒れた路面からの衝撃
今回マウントが破損したのも、おそらく下りの段差、あるいは荒れた路面を通過した際だったと思います。

サイコンマウントには、サイコンの重さが静かにかかっているだけではありません。走行中には路面からの振動や衝撃が繰り返し加わります。

とくに高速で段差や荒れた路面を通過すれば、一時的に大きな力が加わることも考えられます。

・最近はマウントへの負担が大きくなりやすい
最近はサイコンそのものが大型化し、さらにマウントの下側へライトを取り付ける使い方も一般的になりました。

サイコンやライトなどの重量物が取り付け部から離れた位置にあるほど、マウントの根元にかかる曲げの負担も大きくなります。

また、一体型ハンドルの増加により、専用形状のマウントやアダプターを使用するケースも増えています。形状が合っていないものを無理に取り付ければ、それだけでも余計な負担をかける原因になります。

昔のように小型のサイコンだけを取り付けていた場合と比べると、現在はマウントに大きな負荷がかかる使い方も増えていると思います。


▶サイコンマウントの破損を防ぐための対策
では、サイコンマウントの破損を少しでも防ぐためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

絶対に折れないようにすることは難しいと思いますが、取り付け方や使い方を見直すことで、少なくとも余計な負担をかけないようにすることはできます。

① 無理な状態で取り付けない
まず大切なのは、マウントを無理に曲げたり、しならせたりした状態で取り付けないことです。
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例えば画像のように汎用マウントを使用している場合です。ハンドル側とマウント側の台座を締め込んだ際に、ステム部にマウントの後方が干渉してしまう場合です。

このような取り付け方では、走行する前からマウントに曲げる力がかかり続けることになります。その状態でさらに走行中の振動や衝撃が繰り返し加われば、取り付け部などへの負担も大きくなります。

「ネジを締めれば付くから大丈夫」ではなく、取り付けた時点でマウントが不自然に曲がっていないか、ねじれていないかを確認することも大切だと思います。

万が一台座ネジを締め込み後方が干渉してしまう場合は、ワッシャーなどを噛ませることで、マウントの後方が接触しないことを確実に確認するほうが良いです。

② ネジを締めすぎ
次に注意したいのがネジの締めすぎです。

緩むのが心配だからと、ついつい強めに締めたくなるところですが、特に樹脂製の台座では、締めすぎることでネジ穴周辺に大きな負担をかけてしまう可能性があります。

メーカーから締付トルクが指定されている場合は、それに従うのが基本です。

また、緩み止めとしてネジロック剤を使用する場合も注意が必要です。ネジロック剤の種類によっては樹脂との相性に注意が必要なものもありますので、使用する部品やメーカーの指定を確認したうえで使う必要があります。

「緩まないように、とにかく強く締める」という取り付け方は避けた方がよいでしょう。

③ サイコン・ライトの重量を考える
最近のサイコンは画面も大きくなり、以前より大型のモデルも増えました。さらにマウントの下側へライトを取り付けている方も多いと思います。

ここで重要なのは、単純な重量だけではありません。

サイコンやライトがマウントの取り付け部から離れた位置にあるほど、その根元には大きな曲げの負担がかかります。さらに走行中には路面からの振動や衝撃も加わります。

サイコンだけなら問題なくても、そこへ重量のあるライトを追加したことで条件が大きく変わることも考えられます。

特にサイコン+ライトという使い方では、マウントの対応重量や剛性、取り付け状態にも少し気を配っておきたいところです。

④ クラックやガタ、緩みの確認
サイコンマウントは、一度取り付けるとそのまま何年も使ってしまいやすい部品です。

しかし今回のように樹脂製の台座が使われているものもありますし、常に振動を受け続けている部品でもあります。

たまにはサイコンを外した状態で、
・ネジ穴周辺にクラックが入っていないか
・樹脂部分が白く変色したり変形したりしていないか
・台座に大きなガタが出ていないか
・ネジが緩んでいないか
・マウント本体に亀裂や変形がないか
このあたりを確認しておくとよいと思います。

特に使用歴が分からないものや、長期間使っているマウントについては、見た目が問題ないからといって過信しない方がよいでしょう。

⑤ 純正品や信頼でメーカーの製品を選ぶ
そして基本的なことですが、サイコンマウント自体も、通常は純正品、非純正の場合は信頼できるメーカーの製品を選んだ方がよいです。

純正品は少々価格が高いこともありますし、有名メーカーの製品だから絶対に壊れないというわけでもありません。
ですが、メーカー品であれば絶対に安全、という話ではありません。

それでも、出所や材質、設計、対応条件などがよく分からない極端に安価な製品と比べれば、純正品や実績のあるメーカーの製品を選ぶことは、ひとつの安心材料になると思います。

また、製品によって対応するサイコンやライト、取り付け方法、対応重量などの条件が指定されている場合があります。

特にマウントの下側へ重ためのライトを取り付ける場合は注意が必要です。純正品やメーカー品だから大丈夫と思い込まず、使用するサイコンやライトがマウントのメーカーの想定する範囲に収まっているのか、対応重量などが明記されている場合はしっかり確認しておきたいところです。

高価なサイコンを支える部品です。

数千円を惜しんだ結果、数万円するサイコンを落としてしまっては元も子もありません。マウントについても、価格だけではなく、適合や仕様、信頼性まで含めて選ぶことが大切だと思います。


⑥ 最後の命綱 ストラップ
ここまでいろいろと対策を書いてきました。

しかし、どれだけ気をつけて取り付けても、サイコンマウントが絶対に壊れないとは言い切れません。

信頼性の高い製品を正しく取り付けることはもちろん大切です。それでも長期間使用すれば劣化しますし、予想以上の衝撃を受けることもあります。

そこで最後の保険になるのが、サイコンのストラップです。

今回もマウントの台座は完全に割れ、Garminは一瞬で外れました。しかしストラップを付けていたことで、路面へ叩きつけられることも、そのままどこかへ飛んでいってしまうことも、下手したら後続車に踏まれることもありませんでした。

本当に外れる時は一瞬です。

そしてストラップの付け方ですが、絶対にマウントと一緒に破損してしまう場所ではなく、ハンドルやステム部、マウントとは別の場所へ掛けておくことも重要です。

マウントそのものが折れてしまった時にもサイコンを残せる、最後の命綱にしておくためです。

高価なサイコンを守るためにできる、最も簡単で確実な対策のひとつです。
サイコンにはストラップも付けることの大切さを実感しました。


▶まとめ
サイコンマウントは、普段それほど意識することのない部品かもしれません。

しかし今回のように、壊れる時は本当に一瞬です。走行中に突然台座が割れたり、マウント本体が破断したりすれば、そのままサイコンの落下につながります。

もちろん、信頼性の高いマウントを選ぶこと、無理な状態で取り付けないこと、ネジを締めすぎないこと、そして定期的にクラックやガタを確認することは大切です。

それでも、どれだけ良い製品を正しく取り付けていたとしても、「絶対に壊れない」とまでは言い切れません。

だからこそ、最後の保険として必ず付けておきたいのがストラップです。

今回もマウントの台座は割れてしまいましたが、ストラップを付けていたことでGarmin本体は路面への落下を免れました。

そして大切なのは、ストラップをマウントそのものに付けないこと。

マウント本体が折れてしまえば、一緒に落下してしまう可能性があります。ストラップはハンドルやステムなど、マウントとは別の場所に掛けておくのが基本です。

高価なサイコンを守るためにできることとしては、非常に簡単な対策です。

サイコンにはストラップを付けておくことを強くおすすめ致します。

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