ロードバイク用のシューズを選ぶとき、サイズやフィット感などと同じぐらい悩むことがあるのがデザインであり、「色」ではないでしょうか。
最近の圧倒的な定番といえば白です。白いシューズはプロ選手の使用率も高く、どんな色のバイクやウェアにも合わせやすいため、コーディネートしやすい色でもあります。
そして、白に続いて定番なのが黒です。黒も白と同様に、バイクやウェアのカラーを選びにくく、全体をまとめやすい色というイメージがあります。
では実際のところ、白と黒ではどのような違いがあるのでしょうか。
私は長年、ほぼ白系のロードバイクシューズを履いてきました。2016年にはSH-R171Wの白黒、2018年9月からは白のRC7、そして2022年11月からは白のRC903を使用。そのため、ここ10年ほどを振り返っても、ほとんど白系のシューズばかり履いてきたことになります。
ところが2026年5月下旬、RC903を買い替えることになり、今回は久しぶりに黒を選びました。といっても、最初から黒が欲しかったわけではありません。購入したタイミングでの在庫状況もあり、結果として黒を選ぶことになった、というのが実際のところです。
それから夏を含めて数か月、白とまったく同じサイズのRC903の黒を使ってきました。同じモデルだからこそ、色による違いも比較しやすい。そして実際に使ってみると、「黒だから汚れが目立たないだろう」というイメージとは、少し違う部分も見えてきました。
また、実際に使ってみると、汚れ方だけではなく、ウェアやバイクとの合わせやすさや長く使ったときの見た目、さらには真夏の暑さについても、白と黒では少し印象が違います。
今回は、白いシューズを長年使ってきた立場から、実際に黒を使って感じた違いをまとめてみます。シューズの色選びで迷っている方の参考になればと思います。

▶黒いシューズは本当に汚れが目立たない?
黒いシューズと聞くと、まず思い浮かぶメリットの一つが「汚れが目立ちにくい」ということだと思います。私自身もそう思っていました。
確かに、黒は汚れが目立ちにくい部分があります。特に目立たないのが、チェーンオイルやグリスなどの黒っぽい油汚れです。
ロードバイクでは、シューズの内側がチェーンやクランク周辺に触れてしまったり、メンテナンス中に油汚れが付いてしまったりすることがあります。白いシューズの場合、こうした黒い油汚れは非常によく目立ちます。少し付いただけでも「あ、汚れた」とすぐ分かります。
それに対して黒いシューズでは、こうした油汚れはほとんど分からないことがあります。この点については、やはり黒の方が圧倒的に楽です。
✓最も多い茶色系の汚れ
ところが、実際に黒を使ってみて意外だったのが、泥や砂埃はむしろかなり目立つということでした。
ロードバイクで走っていて、チェーンオイルなどの油汚れがシューズに付く機会は、実際にはそれほど多くありません。むしろ普段よく付くのは、路面から跳ね上がる泥や細かな砂、濡れた落ち葉、ミミズやナメクジ(笑)、乾いた土埃など、茶色や灰色系の汚れです。
そして、こうした汚れは黒いシューズでは驚くほどよく目立ちます。場合によっては、 白より黒の方が汚れて見えるのでは? と思うほどです。
黒い表面に茶色や薄いグレーの砂埃が乗るため、色のコントラストが強くなります。特に乾いた砂埃などは分かりやすく、黒いシューズの表面がうっすら白っぽく、あるいは茶色っぽく見えてきます。
これは、マットブラック系の自転車フレームに少し近い印象があります。
✓白系汚れ
もう一つ、黒で意外と気になるのが、白っぽい粉状の汚れです。
例えばライド中にBCAAなどを含んだドリンクがシューズに垂れることがあります。こうしたドリンクが乾燥すると、成分が白っぽく残ることがあります。
黒いシューズでは、この跡が非常によく目立ちます。これも黒いマット系フレームにドリンクが付着し、乾燥したあとに白い粉のような跡が残る状態に少し似ています。
逆に白いシューズでは、同じような汚れが付いていても、それほど気にならない場合があります。
つまり、「黒=汚れが目立たない」というよりは、汚れの種類によって目立ち方が大きく違うと考えた方が、実際には近いと思います。

▶実際の運用で感じる白と黒の違い
実際に白と黒の両方を使ってみると、日常的な手入れの感覚にも違いがあります。
黒いシューズは、泥や砂埃、白っぽい粉状の汚れが思っていた以上によく目立ちます。そのため私は、白を使っていたときよりも黒の方が、ライド後にこまめに表面を拭いている気がします。
「黒なら汚れが目立たず、手入れも楽だろう」と思っていましたが、実際にはむしろ逆でした。少し汚れているだけでも気になりやすく、綺麗な状態に戻したくなるのは黒の方です。
一方で、白いシューズは日常的な茶色や灰色系の汚れが、黒ほど強く目立たないことがあります。その代わり、しっかり洗ったあとの変化はかなり大きく、綺麗になったときの白はやはり感動的なくらい綺麗です。
真っ白な状態まで戻ると、「やっぱり白はいいな」と思います。これは黒とはまた違う魅力です。
ただし、白には長期間使ったときの弱点があります。
長く使っていると、少しずつ白い部分が茶ばんできたり、細かな傷や擦れ、完全には落ちない汚れが残るようになります。洗えばかなり綺麗にはなるものの、新品時の真っ白な状態には少しずつ戻りにくくなっていきます。
そのため白いシューズは、ある程度使い込んでくると、汚れているというよりも「くたびれた感じ」が出やすいように思います。
一方の黒は、泥や砂埃が付いているときにはかなり汚れて見えるものの、汚れを落としてしまえば再び綺麗な黒に戻ります。白のように茶ばみが目立つこともありませんし、少なくとも今回使用しているRC903では、傷や擦れ跡も比較的目立ちにくく感じます。
そのため、短期的には黒の方が汚れが目立ち、こまめに手入れしたくなる。一方で長期間使ったときには、白よりも黒の方が「くたびれ感」は出にくいです。
実際に両方を使ってみると、この違いはかなり大きいように感じます。
白は、綺麗にしたときの美しさが非常に大きいですが、黒は、長く使っても見た目の古さが出にくいです。
単純に「白は汚れやすい、黒は汚れにくい」と分けるよりも、実際にはこうした違いとして考えた方が近いと思います。
▶黒いシューズは夏に暑いのか
黒いシューズを選ぶときに気になることの一つが、夏場の暑さです。
黒は日射を受けたときに表面温度が上がりやすいため、白よりも暑く感じる可能性があります。では実際に、真夏のロードバイクで黒いRC903を使ってみてどうだったのか。
これは、 白よりも黒の方が暑いと感じます。
特に真夏の日中、強い日差しを受けて走っていると、シューズのアッパー側から熱が伝わってくるような感覚があります。足裏が暑いというよりも、上から熱を受けている感じです。
白いRC903を使っていたときには、ここまで強く意識することはありませんでした。そのため、白と黒で夏場の暑さがまったく同じかと言われれば、私はそうは感じません。
ただし、実際に一夏を黒いRC903で走り切ってみると、そこまで大きな問題でもありませんでした。
2026年の夏は非常に暑い日が多く、日中のライドではそもそも気温自体がかなり高い状況でした。その中でも黒いRC903を使い続けましたが、「黒だから暑すぎて履けない」「白に戻したい」と思うほどではありませんでした。
確かに黒のアッパーから熱を感じる場面はあります。しかし走行中には風も当たりますし、シューズ自体にも通気があります。
そのため実際の使用感としては、 黒の方が暑いことは感じるものの、それだけで色選びを決めるほど大きな差ではなかった というのが、真夏を越えてみての感想です。
真夏の暑さを少しでも抑えたいのであれば、白の方が有利だと思います。ただし、夏場の暑さだけを理由に黒を避ける必要があるかと言われると、私はそこまでは感じませんでした。
▶白と黒で履き心地の違い
今回、一番興味深かった部分かもしれません。
製品によっては、同じ商品でも色によって微妙に質感が違うことがあります。例えばバーテープなどでも、色によって表面の触り心地や硬さが少し違うと感じる製品があります。
塗料や表面処理、素材の仕上げによって、色違いで完全に同じ感触にならないことは珍しくありません。
ではRC903はどうか。
今回、白と黒を左右で履き比べることもありましたが、私には違いが分かりませんでした。
アッパーの硬さ、足を包む感じ、フィット感。少なくとも自分が履いた範囲では、色による違いを感じません。同じサイズ・同じRC903であれば、白でも黒でも同じ感覚で履けています。
これは当たり前のように思えるかもしれませんが、実際に色違いを比べても同じに感じるというのは、製品としてかなりしっかり作られている部分だと思います。
▶まとめ 白と黒ではどちらがいい?
ここまで白と黒の違いを書いてきましたが、最終的な結論としては非常に単純です。
最後は好みに合わせて選べばいい。これでいいと思います。
白と黒であれば、どちらも多くのウェアやバイクのカラーと合わせやすく、コーディネートで大きく困ることは少ないと思います。
また、少なくとも今回比較したRC903については、白と黒で性能差は感じませんでした。フィット感や履き心地も同じで、違いを感じたのは主に汚れの目立ち方や、長く使ったときの見た目、そして真夏の暑さです。
長く使ってもくたびれ感が出にくい黒。
洗った直後の美しさが際立つ超王道の白。
どちらにも、それぞれ良さがあります。
私自身、長年白いシューズを選んできましたが、今回久しぶりに黒を使ってみて、「黒も悪くないな」と思うようになりました。その一方で、綺麗に洗った白いシューズを見ると、やはり白の良さも感じます。
結局、どちらかが絶対に優れているというものではありません。
シューズは一度購入すれば長く使うものです。だからこそ、汚れ方や経年変化といった部分も少しだけ頭に入れつつ、最後は自分が見て「これがいい」と思える色を選ぶのが一番ではないでしょうか。
これからロードバイクシューズを購入する方、白と黒で迷っている方の色選びの参考になればと思います。
最後に少しだけ、次のシューズについて。
現在気になっているのが、新型のRC910です。
ただ、ここで少し悩んでいることがあります。
というのも、私の場合は現在使っているRC903の横幅がかなりぴったりです。狭すぎるわけでもなく、余るわけでもなく、自分の足には非常に合っています。
そのため、新型RC910で横幅や足を包む形がこれ以上広くなると、フィット感が大きく変わってしまう可能性があります。
シューズは新型になったからといって、必ず自分の足にも良くなるとは限りません。特に今のRC903がかなり合っているだけに、スペックだけを見てすぐに買い替えるのは少し怖いところです。
とはいえ、RC910そのものにはかなり興味があります。
どこかで実際に試着できる機会があれば、まずは履いてみたいところ。そこで今のRC903と同じようなフィット感が得られるのであれば……そのときは購入してしまうかもしれません(笑)。
白にするか、黒にするか。
その前に、まずは自分の足に合うかどうかです。
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